油買うもよし、売るもよし。楽しく老いるためのオイル日記

もらうはこらいて

テーマ:言葉・漢字
少し前になりますが、「秘密のケンミンSHOW」なる番組を初めて見ました。いわば「地域の常識、他所の非常識」みたいなものを暴露しようという番組で、ちょうど私が見ていたときは、「福井県民が冬コタツの中で必ず食べるもの」というお題でした。

一般国民的には「みかん」ということになるのでしょうが、「意外性があること」と「福井県らしいこと」という点を考慮して、私は「おろしそば」を予想いたしました。

ところが意外や意外、正解は
何と水羊羹でありました。
暖房やコタツで暖まったところに冷たい水羊羹がつるっと喉を通り過ぎるのが快感のようです。一般的には夏に食べる水羊羹が、福井県民にとっては冬の定番和菓子で、冬になるとお店で売り出され、お歳暮など冬の贈り物にもなっているそうです。

さて、この長浜近辺の「秘密」って何だろう?と考えてみたのですが、なかなか思い浮かびません。鮒寿しなんて有名になりすぎて意外性もありませんしね。

私の妻は九州生まれの関東育ちですので、いわば生粋の「よそもの」です。そこで妻に「こちらに来た時何が一番不思議に思った?」と尋ねてみました。すると「二つの言葉にとても違和感を感じた」と答えました。ちなみに「やんす言葉」については、あらかじめ説明しておりましたし、語尾の変化ですので、さほど違和感はなかったようです。

(その1)
妻は当時長男がお腹に居り、臨月も近かったのですが、近所や親戚の人が「赤ちゃん、いつもらわあるん?」と聞かれて、「私が産むのに、どこからももらわないわよ!」と怪訝そうな顔をしていたそうです。

私自身もこの言葉には馴染みがなかったのですが、当地では「赤ちゃんを授かる」ことを「もらう」と表現するようですね。

(その2)
これも近所や親戚の人、特に、というかほぼ女性なのですが、やたら「こらいてな」と言うこと。「堪えて」つまり「我慢して」とか「許して」という意味なんでしょうけど、「わざわざそんなことをおっしゃっていただくほどのこともないんですけど」とその度ごとに感じていたそうです。

私も幼い時に叔母が、口癖のように「こらいてな」を連発していたことを覚えています。「ごめんな」とか「すんまへん」の変形バージョンなんでしょうかね。


そういえば、「み~な」に「湖北は可笑しな言葉かり」とかいうコーナーがありますが、この二つも載っていたのでしょうか?

コメント

  1. 2009/02/26 11:35
    他府県からお嫁にこられたまま友さんは、「みざら」がわからなかったみたいです。学校の下駄箱にあるのがみざらですが、その方からすると「すのこ」です。
    後、「米つきに行く」も今からお餅をつきに行くの?と思ったそうですよ。笑。
    地元っ子なので言われて気が付きますね。
  2. 2009/02/26 14:38
    「最近、ZTVによく出てやんすなぁ」なんてよく言われてませんか。
  3. ryuza
    2009/02/26 18:25
    他府県のひとから「米をかす」ということがどうしていいのかわからなかったということを聞いたことがあります。一般的には「米を研ぐ」ですから。どうもこれはここらあたりの言葉です。昨年は「揚屋」で、東北の言葉もおもしろいと思いました。今でも「赤腹たれる」とかいってるのでしょうか。
  4. 2009/02/26 19:08
    >オレンジあみさんへ
    名古屋や岐阜で「ザラ板」というそうですから、そちらから来ているのかも。「米搗き」は普通でしょう?都会の人は搗いた米しか知らないか...。

    >tossanへ
    私ですか?ZTVに?それより鼓笛隊を放映してほしい。

    >ミユさんへ
    こたつにココアは暖かそうでいいですな。そうそう外に出て初めて気づくんです。

    >ryuzaさんへ
    米を「かす」は辞書にも載ってるし普通でしょう。ちなみに漢字では「浸す」「淅す」と書くようです。「赤腹たれる」は「おかしくてしょうがない」って意味でしたっけ?
  5. 2009/02/26 19:35
    うちの嫁(京都から出たことがない)は、やはり方言の中でも『やんす』が気になるようです。
    よく私の母のしゃべり方を真似るのですが、「おまえはケムンパスか!」ってぐらい間違った使い方をします。
    ヨゾイです。
  6. 2009/02/26 21:10
    「やーる」「やーれん」は敬語に当たりますね。
    「やんす」「やんせん」は何語でしょう?
    「よーる」「よーらん」もありますね。
    それに「きゃんす」「きゃんせん」

     よその地域の人は、まったくわからないと言っていました。

     そういえば、映画「寅さん」でも、牧瀬理穂(?)が「きゃんす」を使ってましたが、微妙に違うかな、という感じでしたね。
  7. 2009/02/26 23:14
    >松男さんへ
    湖北以外の人はほぼ例外なく「やんす」はケムンパス方式になりますね。うちの家内もまだマスターしてません。しかし、小学校の頃、都会から来た転校生の言葉がおかしいと馬鹿にしてたら、今度自分が東京に行った時、言葉がおかしいと言われて。あれこそ「長浜の仇を江戸で討たれる」でしたな。

    >Mashitoshiさんへ
    「やんす」「やんせん」は目下の者に対する「いたわり」「親愛」「包容」の敬語ですかね。素晴らしい言葉だと今は思えます、昔は恥ずかしかったけど。確かに牧瀬理穂の「やんす」は似非でしたね。生活してなければ正確に話せないものこそ真の方言かもしれませんね。
  8. 2009/02/26 23:23
    ↑ミユさんのゆーてやんした 「ほっこりする」は 「大変だ」や「もうたくさんだ」って意味でつかわーりますよね? 
  9. 2009/02/27 00:16
    >えべっさんへ
    確かに「ほっこりする」も「ほっとする」んか「こりごり」なんか、はっきりしてくれと言いたい。全く「いい加減にほっこりする」
  10. 2009/02/27 09:29
    へ~油甚さんの奥様は、九州生まれの関東育ちでいらっしゃいましたか。
    よくぞ北の町まで来てくださいましたね。よほど油甚さんが魅力的だったのでしょう。
    長浜から木之本へ行くのでさえ、よう北に嫁に行ったなぁなどとからかわれます(笑)
    長浜と木之本でもイントネーションが違ったり、きゃんたを笑われたり。奥様はすごく言葉のギャップを感じられた事でしょうね。
  11. 2009/02/27 13:10
    >ゆうこりんさんへ
    まあ、「だまされた」というのが実感ではないでしょうか(笑)。確かに長浜から北へ嫁に行くな、とは昔から聞きますね。言葉も微妙に違いますよね。うちは祖母が木之本(赤尾)から来てますのでよくわかります。
  12. みわ
    2009/08/07 00:50
    遅いレスですみません。(気付いていただけるのだろうかちょっと(かなり)心配ですが)「湖北は可笑しな言葉かり」を書いてる人です(笑)。

    さて、お尋ねの
    「赤ちゃん、いつもらわあるん?」
    は、63号(2000年4月発行)

    「こらいてな」(「湖北は可笑しな言葉かり」では「どうしょー、こらえてな」ですが)
    は、96号(2007年8月発行)
    にそれぞれ登場しております。

    ちなみに「だしかいな」はまだ書いていません。

    早いもので(おかげさまで)もう連載10年目。
    現在発行の103号で44回目となりました。

    油甚さん、今後ともよろしくお願いいたします!
  13. 2009/08/07 10:08
    >みわさんへ
    ブログ読んで頂きまして光栄です。「だしかいな」はまだでしたか?今度ぜひ「だしかいな」お願いいたします。大変でしょうけど、これからも頑張って下さい。

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