油買うもよし、売るもよし。楽しく老いるためのオイル日記
なべぶたが無い
テーマ:言葉・漢字
2011/05/27 09:01
以前、図書館で借りて読んだ「動物の脳採集記」(萬年甫/中公新書)という本は、一見脳というちょっと取っ付き難い分野の話と思いきや、「キリンの首をかつぐ話」という副題から想像がつくように、脳解剖医の実にユニークな体験談が記されていて、誠に興味深いものでありました。
その中の余談として、「腦」と「脳」の違いについて書かれておりました。著者がそうであったように私も、「脳」は「腦」の略字で意味も同じであろうとずっと思ってきたのですが、さにあらず。
まず「腦」という字は三つの部分からできており、左半分の「にくづき」は「体の一部を示す偏」であることは周知の通り。で、右半分の上部の「巛」は「頭髪」を意味し、下部の四角い部分は「亠」+「凶」で、頭蓋骨に囲まれた中身の脳を意味しているのだそうです。
さて、一方の「脳」、現在普通に使われてる方の字ですが、「腦」との字面的な違いと言えば、三本の頭髪の下に「亠(なべぶた)」が無い、ということなんですね。この脳は上が開いている、即ち「小児の頭」を表しているんだそうです。「腦」は大人用、「脳」は小児用というわけです。
「赤ん坊の頭の天辺のちょっと額寄りのあたりには柔らかい部分があって、そっと触ってみると呼吸のたびにピコピコと上下しているのをご存知の方も多かろう」と書かれておりましたが、まさにその通り、字は体を表しているんですね。
専門的には「大泉門」というらしいですが、皮膚の下に骨がなくすぐ脳があるという状態は、とても恐くて親としても一時の油断もならない危険な状態ですよね。筆者は「ゴールキーパーのいないゴールのように」と表現されていますが、まさに至言。
昨日の新聞に、理化学研究所などが「子どもの脳は、薬物を大人より速く取り込んでしまう」ことをアカゲザルを使った実験で確認したという報道を目にいたしましたが、「タミフル」での異常行動なんかもこれと関係あるんでしょうね。
しかし、これが出産の時には大きな利点となるんです。つまり、天蓋の接着がはなはだゆるいということは、周囲から圧力が加わると、これらの部分がずれて互いに重なり合ったりして、脳を傷めずに狭い部分を通過できるというわけです。そして、ちゃんとお母さんの体のことも考えた頭の構造になっているんですね。
「これこそが 生まれながらの 親孝行」
その中の余談として、「腦」と「脳」の違いについて書かれておりました。著者がそうであったように私も、「脳」は「腦」の略字で意味も同じであろうとずっと思ってきたのですが、さにあらず。
まず「腦」という字は三つの部分からできており、左半分の「にくづき」は「体の一部を示す偏」であることは周知の通り。で、右半分の上部の「巛」は「頭髪」を意味し、下部の四角い部分は「亠」+「凶」で、頭蓋骨に囲まれた中身の脳を意味しているのだそうです。
さて、一方の「脳」、現在普通に使われてる方の字ですが、「腦」との字面的な違いと言えば、三本の頭髪の下に「亠(なべぶた)」が無い、ということなんですね。この脳は上が開いている、即ち「小児の頭」を表しているんだそうです。「腦」は大人用、「脳」は小児用というわけです。
「赤ん坊の頭の天辺のちょっと額寄りのあたりには柔らかい部分があって、そっと触ってみると呼吸のたびにピコピコと上下しているのをご存知の方も多かろう」と書かれておりましたが、まさにその通り、字は体を表しているんですね。
専門的には「大泉門」というらしいですが、皮膚の下に骨がなくすぐ脳があるという状態は、とても恐くて親としても一時の油断もならない危険な状態ですよね。筆者は「ゴールキーパーのいないゴールのように」と表現されていますが、まさに至言。
昨日の新聞に、理化学研究所などが「子どもの脳は、薬物を大人より速く取り込んでしまう」ことをアカゲザルを使った実験で確認したという報道を目にいたしましたが、「タミフル」での異常行動なんかもこれと関係あるんでしょうね。
しかし、これが出産の時には大きな利点となるんです。つまり、天蓋の接着がはなはだゆるいということは、周囲から圧力が加わると、これらの部分がずれて互いに重なり合ったりして、脳を傷めずに狭い部分を通過できるというわけです。そして、ちゃんとお母さんの体のことも考えた頭の構造になっているんですね。
「これこそが 生まれながらの 親孝行」
コメント
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2011/05/27 14:46>アロマなママさんへ
何か、大人の腦の方が、髪の毛がふさふさしてますけど、頭痛も多そうな感じで面白いですよね。確かに世の中、大人が居なくなってるかもしれませんね。
>じゃじゃこさんへ
そうそう、そうやって皆、親不孝になっていくんです(笑) -
オレンジあみ2011/05/27 16:45お久しぶりです。
梅雨と共に復帰ですよ。笑
頭皮を触ると溝があるよね。もしかして私はまだ成長途中か?!@@;
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必死のパッチ!2011/05/27 16:53頭蓋骨は顎を使う(咬む)事によって筋肉に力が加わり、縫合が軋んで“脳”を刺激するんですが・・・軋みが無いと縫合が癒着してしまいます。と言う事は、脳への刺激が無くなるんですね。
痴呆の大きな要素です。
曳山も軋みが大切ですからね。 「よいさ!」 -
2011/05/27 17:08脳はほんとに複雑で見ていると怖くなりますが
神様って人間に、ちゃ~んと必要なもの、作り上げていてくれるんですね、
生まれながらの親孝行も -
2011/05/27 17:08スポン!と簡単に出たら
親孝行。
もう閉じてしまって
ゴールキーパーがいました。 -
2011/05/27 18:12おやじの加齢臭
臭いものにふたをするイメージですね
ちがうか・・笑
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2011/05/27 22:31長男は剛毛だったんでそれほど思いませんでしたが、次男はふわふわの薄毛だったので、息するたびにペコペコ動いてたのを覚えています。
触るの怖いけど突いてました。笑 -
2011/05/27 22:34神様て、そんなとこまで考えて人を作られたんですねぇ
確かに言われるとおり、お産の時狭いところから、あんなに大きい頭が不思議でした
これでわかりました。
産道を通る時に、ずれていたんですね
子供だから、なべぶたがない
むき出しということですか
意味深いお話でした。
感じって、考えると面白いです -
甚平2011/05/27 22:41腦の右側って
怒って湯気がたってる
波平さんみたいやな -
2011/05/27 23:48>オレンジあみさん
ひょっとして、あみちゃん、♪Happy birthday 梅雨ぅ~?。おじさんは、もう溝ないあるよ(笑)。
>必死のパッチさんへ
私の頭皮はまだカツラのように動きますよ。あ、カツラじゃないですよ(笑)
>minoriさんへ
まさに神技ですね。人知の及ばないことは無数にあると思います。人間、謙虚でありたいものです。漢字って、ホントよく考えられてますよね。
>ままさんへ
うん?吾一さんがキーパーか?うん、守ってもらってちょ(笑)
>くんさんへ
ベントしないと爆発しますよ(笑)
>ゆうこりんさんへ
ペコペコするんですよね。怖い、ほんま怖い。けど触るよね、大泉門(笑)
>甚平さんへ
かつお~っ!何言っとるか、これは、湯気じゃなくて髪じゃぞ。わしを馬鹿にしとるのか、全く!