おため

テーマ:よもやま話
先日、母が滋賀夕刊に掲載されていた結納専門店さんの広告にわざわざ線まで引いて「おい、これ見たか?」と持って参りました。「何よ?」「これ、よう考えやったなと思て」「何が?」「おため袋がよう売れるがな」

さて、皆さんは「おため」をご存知ですか?「♪おかめちゃんなら知ってる」「おちゃめなおばはんは私」とあちこちから声が聞こえて参りますが、この広告には「結婚祝を戴いたお印としてその場でお返しするギフトです」と説明がなされております。

さらに「半紙や金封セットなどの『紙』ものに昆布、鰹節、小風呂敷、ガーゼタオル等をお茶菓子の代わりに添えてお渡し下さい」とあります。なるほど、母の「おため袋がよう売れるがな」の一言はこの文からの連想だったんですね。

ちなみに辞書で引いてみますと、漢字は「御為」。元意は「相手を敬って、その利益をいう語」とありまして、「それでは御為になりません」といった用例が書いてあります。

これが転じたのか、もう一つの意として書かれているのが、「もらい物の返礼としてその器に入れて相手に返す品。お移り。また、使いの者に与える駄賃」。うんうん、こっちが今日のお題の方ですね。

どうやら、結婚祝に限らず、「もらい物に対して、その場で返すちょっとしたもの」を「おため」と称するようです。しかしなぜ「御為」なのか?「粗品」とか「つまらないものですが」とか、必要以上にへりくだるのが好きな日本人としてはむしろ「ためならず」とか言いそうなもんだけどな。

色々と調べていくうちに、「おため=御賜め」説を発見。「ため」は「たまへ」の転とあります。「賜う」とは「与える」「くれる」の尊敬語で、「賜わる」は「もらう」の謙譲語。ひょっとしたら「確かに御祝を賜りました」という領収書的な意味だったのかもしれませんね。

いずれにせよ、「それでは御為になりません」と言われないようなものをご準備下さいませね。

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