高齢者の自動車保険

テーマ:保険・金融
年明けすぐに、損保大手各社が4月以降高齢者ドライバーの自動車保険を引き上げる方針を固めた、というニュースを目にいたしました。保険料は現在若年層を細かく区切る一方、35歳以上は一定になっているのですが、新たに30歳以上を10歳ごとに区分し、70歳以上を一律にする模様。

若者の車離れや小型車人気で保険料収入が落ち込んでいるため、事故率が高い高齢者の保険料負担を増やそうということらしいですが、これってどうなんでしょうね。

先日、集金に回っておりましたら、あるお得意様が「ちょっと今月待ってくれんか?実は車の事故をして〇〇万円弁償せなあかんかったんや」とおっしゃいます。「え?保険入ってやあれんかったんですか?」「ほうよ、入ってなかったんや」

相手の車は全損だったようですが、何とか頼み込んで査定の6割程度の賠償で許してもらったとのこと。しかも、奇跡的に相手に怪我がなかったようで、これで人身事故になっていたら...と、それこそ泣きそうな顔でお話しになっておられました。

「保険は入っとかなあきまへんで」「うん、もう懲り懲りや」。ってことで保険に入ってもらいました、めでたし、めでたし。という話ではありませんよ。

この方、70歳以上なんです。今まで任意保険未加入でした。軽トラなので入らんでええやろ、と思っていたそうです。車両保険だけ入らないというならわかります。しかし、相手の損害を補償する対人や対物に入らなくてもいいという理由にはなりません。

今度の改定で70歳以上の保険料は平均で8%もアップするそうです。事故を起こした方は懲りて加入するでしょうが、今まで事故を起こしたことのない高齢者が、値上げを機に「もう入らんでもええやろ」という気にならないかをとても心配します。

高齢者の事故率が高いというなら、その人たちには是非加入しておいてもらわなければ、被害者になった時に一層悲惨なことになります。そもそも、リスクを大勢で負担し合おうというのが保険の趣旨なのに、現在のようにリスクを細分化して、高リスク層の保険料を高くするというのはどうなんでしょう?皆、結局いつか年は取るのにね。

個別に事故の多い人は等級を下げて保険料を高くするのはともかく、年齢層で一括りにして細分化というやり方は、保険料体系を複雑化するだけでなく、高リスク者の保険離れという最悪の事態を引き起こさないか、とても心配です。

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