日高敏隆さん死去
テーマ:よもやま話
2009/11/24 09:35
今朝の朝刊を見て、京大名誉教授の日高敏隆さん(79歳)がお亡くなりになったことを知りました。と言っても知り合いでも何でもなくて、氏が1995年から2001年まで滋賀県立大学の学長をされていたということも、お辞めになってから知ったくらいです。
「利己的な遺伝子(Selfish genes)」という言葉を聞いたことがありませんでしょうか?リチャード・ドーキンスが打ち出した「動物の行動は種の保存ではなく遺伝子の保存に有利に働く」という概念なのですが、わかりやすく言うと、人類なんていうものは特別な存在ではなく遺伝子の乗り物に過ぎない、という説です。
日高先生は、この本の翻訳に携わられた他、動物行動学というものを国内に紹介された先駆者であり、私が著書を愛読いたしております竹内久美子さんも、日高先生の京大での研究室の教え子だったようです。
日高先生の著作は、「動物の言い分 人間の言い分」、「ネコはどうしてわがままなのか」「春の数え方」「セミたちの温暖化」、竹内さんとの共著で「もっとウソを!」「ワニはいかにして愛を語るか」など、題名だけでも興味をそそられるようなものばかりでした。
動物行動学は、先の「利己的な遺伝子」などという考え方に代表されるように、少し突拍子で信憑性を疑いたくなるものも多数あり、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、世の中の現象を一面からだけ捉えるべきではない、ということを学ばせてくれる、と私は思います。
日高氏の「春の数え方」という本に、「性」というのがあるのは病原体と戦うためだ、というようなことが書かれておりました。病原体に抵抗力のある突然変異が生じたらできるだけその遺伝子を早く広める、ことが生存のために必要となる。オスとメスをつくって繁殖の際に遺伝子を混ぜ合わせるのがより合理的というわけです。
結婚をしたがらない、「オス」の「メス」化、「メス」の「オス」化、などという現代の若者に見られがちな現象は、病原体に対する人類の弱体化を示唆するものではないか、という気がいたします。日高先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
「利己的な遺伝子(Selfish genes)」という言葉を聞いたことがありませんでしょうか?リチャード・ドーキンスが打ち出した「動物の行動は種の保存ではなく遺伝子の保存に有利に働く」という概念なのですが、わかりやすく言うと、人類なんていうものは特別な存在ではなく遺伝子の乗り物に過ぎない、という説です。
日高先生は、この本の翻訳に携わられた他、動物行動学というものを国内に紹介された先駆者であり、私が著書を愛読いたしております竹内久美子さんも、日高先生の京大での研究室の教え子だったようです。
日高先生の著作は、「動物の言い分 人間の言い分」、「ネコはどうしてわがままなのか」「春の数え方」「セミたちの温暖化」、竹内さんとの共著で「もっとウソを!」「ワニはいかにして愛を語るか」など、題名だけでも興味をそそられるようなものばかりでした。
動物行動学は、先の「利己的な遺伝子」などという考え方に代表されるように、少し突拍子で信憑性を疑いたくなるものも多数あり、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、世の中の現象を一面からだけ捉えるべきではない、ということを学ばせてくれる、と私は思います。
日高氏の「春の数え方」という本に、「性」というのがあるのは病原体と戦うためだ、というようなことが書かれておりました。病原体に抵抗力のある突然変異が生じたらできるだけその遺伝子を早く広める、ことが生存のために必要となる。オスとメスをつくって繁殖の際に遺伝子を混ぜ合わせるのがより合理的というわけです。
結婚をしたがらない、「オス」の「メス」化、「メス」の「オス」化、などという現代の若者に見られがちな現象は、病原体に対する人類の弱体化を示唆するものではないか、という気がいたします。日高先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。