手刀を切る

テーマ:スポーツ
大相撲夏(五月)場所、三日目で早くも朝青龍に土がつきました。その朝青龍、以前懸賞金を受け取る時に、右手ではなく「左手」で受取ることが問題視されて改善を求められていたことがありました。内館牧子さんあたりからも、やいのやいのと言われて、最近では右手で受取るようになりました。
  
さて、この「手刀で受取る」ことが義務化されたのは、実は意外に最近なんだそうです。昭和41年7月、元双葉山の時津風理事長の時代に「勝力士が行司から賞品を受取る場合、必ず手刀を切って受ける」と相撲協会の規定として明文化されたそうです。

元々は無造作に掴んでもらっていた懸賞でしたが、昭和25年の五月場所で元大関の名寄岩が、きっちりと丁寧に手刀を切って懸賞金をありがたく受取る姿に場内が沸き、それから他の力士も真似て浸透するようになったとのこと。

これらのことは、「親方はつらいよ」(高砂浦五郎/文春新書)、「力士(ちからびと)の世界」(33代木村庄之助/文春新書)という2冊の本に共通して書かれていたことなのですが、

朝青龍の親方である高砂親方(元大関朝潮)は、手刀を切る手は右という規定はないのだから、厳密に言うと朝青龍は間違いを犯していたわけではないと、左利きの朝青龍をかばっています。勝敗に夢中になって興奮状態にある彼は、つい左手で受取ってしまい、花道を引き上げるときに間違いに気がつくのだ、と。

手刀は神事に基づく作法という説もあり、左は「神産巣日神」、右が「高御産巣日神」、中が「御中主神」、いずれも五穀豊穣を司る神様への感謝の意を表したものだということです。

ただ木村庄之助氏は「この説は後付けで、第一、神様を片手で拝むなどおかしい」とし、名寄岩が「ありがとうございますという感謝の気持ちを表したくて、『心』という字を手刀で書いている」という話に皆が感動して広まったという方が、よほど信憑性も高く良い話だと語っています。

私たち商売人もこれに見習って「支払いをしばし猶予していただいてありがとうございます」という感謝の気持ちをこめて『手形』を切りたいと思います。

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