無常にして有情

テーマ:まちづくり
唐突ですが、琵琶の生演奏って聴いたことありますか、プロの弾く?♪祇園精舎の鐘のこ~え、ボロンボロン♪っちゅうやつ。

「琵琶とギターの興宴」というタイトルに引かれて、昨日は曳山博物館へ。実は共演もしくは協演と勘違いをしておりまして、琵琶とギターを一緒に弾くのかと興味津々だったんですが、演奏は別々。琵琶は徹底的に和、ギターは歌詞もスペイン語で歌われ、むしろ和洋の対照を楽しむという感じでした。

さて琵琶奏者は「片山旭星」氏。琵琶の音は本当に「ボロンボロン」と寂しく響きます。まさに無常感がふつふつと湧いてくる楽器ですね。

最後の琵琶法師と言われた山鹿良之氏に師事し、その奏法を次代に伝えている「続・最後の琵琶法師」というわけです。盲目の山鹿さんの自宅は熊本の田舎で本当に昔ながらの三和土の家。調味料が醤油と塩しかなくて困ったので、トンカツやコロッケやソースを買って隠しておいて、師匠が寝静まってからこっそり食べたこともあるとか。

一方のギター奏者は「中西貞都雄」氏。見た目普通のおっさんで言葉も関西弁。失礼ながら見た目からはその歌声とギターのテクニックは想像できません。黙ってしゃべらしといたら完全に漫談師です。

「エル・コンドル・パサー」や「ベサメ・ムーチョ」などよく知られた曲やジプシーから習っただれも聞いたことのない曲まで10曲ほどのラテンミュージックを披露。

彼の生家は何と祇園の老舗お茶屋「吉うた」だそうで、子どもの頃から芸鼓さんに三味線を教わっていたとか。26歳でギター修行にスペインへ。その後メキシコへ渡ろうとしたが、母親の許しが出ずやむなく帰国。お母さんはその間、毎日近くの金比羅稲荷に参拝に通われたそうです。

「そうかそんな心配してくれてたんか、やっぱり帰ってきてよかったんやな」と感激して言うたら、そのお稲荷さん、何と「縁切り」の神さんやった。という落ちがついておりました。こんな感じで爆笑の2時間でありました。

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