あく

テーマ:言葉・漢字
昨日は伝承委員会の懇親会ということで、朝日町の「弁慶」さんでちゃんこ鍋を頂戴いたしました。このお店は私の同級生のS惣のI君が趣味と実益を兼ねて経営している鍋料理のお店であります。伝承委員会の気のおけないメンバーと「飽く」ことのない楽しい時間を過ごす事ができました。

鍋料理における「あく」は困りものですが、「肉から溶け出した水溶性のたんぱく質や血などが熱によって固まり、浮いている脂肪にくっついたもの」と定義されております。ちなみに鍋料理を仕切りたがる人を「鍋奉行」、あくをこまめにすくう人は「あく代官」と呼ばれ、鍋奉行よりは格下に位置付けられるようです。

さて一方、「食品中に含まれるえぐみや苦味、渋みなど人間が食べておいしくないと感じる成分」も「あく」と呼ばれます。たけのこ、わらび、ふきなどにも含まれております、いわゆる「おいしさの敵」であります。

どちらも漢字では「灰汁」と書きます。灰汁とは本来、「わら灰や木灰を水に溶いた上澄み」のことで、昔はこれを使って、酸味や苦味など食品のまずい成分を除去しており、その作業を「灰汁抜き」といったのですが、それがいつのまにか食品のまずい成分そのものをいうように転じてしまったようです。

「あかぬけない奴だ」などと言う事がありますが、「あくがぬけてない」から来ているそうです。「垢抜けない」ではないようですので、石鹸でこすりすぎないようにね。

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