勘三郎さん一周忌に

テーマ:曳山・歌舞伎
昨年の12月5日に亡くなった歌舞伎俳優中村勘三郎さんの一周忌にあたって各地で追悼の公演や映写会が行われているそうです。テレビでも特別番組をやっていましたが、録画しておいたものをようやく見られることに。

人工呼吸器を外して最期に発した言葉や歌舞伎のセリフ。菅原伝授手習鑑「寺子屋」の松王丸のセリフだったそうです。もしかするとまだ自分なりに完成できていなかった役だったのでしょうか。

偉大な父を亡くしてまさにその重荷を背負い始めた息子たち二人の姿を浮き彫りにしていましたが、これまでの勘三郎さんの芝居映像やインタビューが随所に散りばめられて、それが大きな励ましになって、人間って亡くなっても死んではいない、ということがあるんだなと実感いたしました。

孫の七緒八君、まだ3歳にもなっていないのに早くも天才ぶりを発揮。見得を切るのはもちろん、車引の梅王丸のセリフまで暗記していて、七之助が思わず「あれ、そんなのまで覚えているの?」と驚いて、ついつい相方の桜丸のセリフで応じたところも印象的でした。

平成歌舞伎座やニューヨーク公演など独自の路線を派手に展開していった勘三郎さんですが、実は先代が亡くなった後は歌舞伎界で不遇の時期があったそうで、それに対する反発というか活路を見出すための新機軸展開だったのでしょうね。

歌舞伎界は子世代の成長と孫世代に順調に男子が誕生しているなど明るいニュースもある一方、勘三郎さん亡き後も、三津五郎さんの膵臓がん発覚、さらに最近では歌右衛門襲名の決まった福助さんまでが脳内出血で入院。まさに我々と同じ50代の役者たちが次々と受難に遭っています。

新築なった歌舞伎座の呪いだとかいう噂が流れるほどですが、25日間連続昼夜公演、歌舞伎以外のドラマや映画の仕事など肉体的にハード過ぎるのも原因の一つなのでは無いでしょうか。半沢直樹出演で人気に拍車のかかった若い愛之助なども過労が心配です。

役者不足とそれに伴うハードワークにスパイラルが掛かって、一層の悲劇を繰り返さないように公演システムの見直しを考える時期に来ているのではないかとさえ思います。



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