小夏日和

テーマ:よもやま話
11月も間もなく終わろうとしておりますが、先週末はこの季節にしては珍しくポカポカ陽気、いわゆる「小春日和」となりました。でも、なぜ「小春」って言うんでしょうね?

徒然草百五十五段には、「春はやがて夏の気を催し、夏より既に秋は通ひ、秋は即ち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり、梅も蕾みぬ。」という一節が見られます。春のような気候が多いから旧暦十月のことを「小春」と言ったそうですが、日本人にとっては、春の気候が心地よいと感じられるからでしょうか。

確か日経新聞の春秋欄にも書かれていましたが、米国では同じような気候を「インディアン・サマー」と呼びます。何で、こんな言い方をするのか?まず、「春」ではなく「夏(サマー)」と称するのは、夏が日本のように湿気が多くなく過ごしやすいから、ということが理由の一つとして挙げられるようです。

諸説ある中で笑えるのは、「Indian」という言葉に「偽の」とか「安っぽい」という意味があって、夏みたいな気候だけど、実は違う「偽の夏」という説。確かに、「インディアン嘘つかない」というのは決まり文句のような感じですが、この言い方が残っているってことは、嘘つかんと言いつつも結構白人がインディアンに騙された証拠なのかも。

同様にロシアでは「婦人の夏」、ドイツでは「老婦人の夏」という言い方をするようです。「夏に家事に追われた主婦にとって一休みする季節。寒さに備えて織物をする女達が、額に汗する季節。」など、これまた諸説あるようですが、もしかしたら「突然年甲斐もなく若返った気分になってはしゃぐおばさん」みたいな意味合いがあったりして。

なお、日本でも沖縄はこの季節でも日中の最高気温が25℃を超えて夏日になるため、春と呼ぶには暖かすぎるので「小夏日和」と呼んでいるんだとさ。土佐では小夏は初夏らしい。


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