せっかい

テーマ:言葉・漢字
先日、「おおさもない」という言葉について書いた際に、中ちゃんさんから「『せっかい』って何のことか知ってます?」という質問を頂戴いたしました。

明治生まれのおばあさんが使っておられたとのことで、ヒントが「カレーの時に使うもの」ということでしたので、まさか「石灰」食うわけないし、「雪塊」から「らっきょう」を連想いたしまして、「らっきょう」と答えましたら、何と正解は「スプーン」のことでした。

で、色々調べてみますと、どうやら昔「切匙」と書いて「せっかい」と読む道具が実際に存在していたことがわかりました。しゃもじを縦半分に切って先を尖らせたようなものなのですが、すり鉢の間に挟まった胡麻かすなどを、これでそぎ落とすのに使われたようです。

多分、明治生まれのおばあさん、西洋から渡ってきたスプーンを見た時に、その時点で身の回りに存在する道具で、形態的、機能的に最も近い「せっかい」を、その目新しい器具の名前に充当したのでしょう。

ところで、「お節介」という言葉がありますね。驚いたことにその語源がこの「切匙(せっかい)」だという説があるそうです。つまり、切匙が溝の内に入り込むことから、他人の内に入り込むことを「おせっかい」と言うようになり、間に挟まることを意味する「介」の字があてられたというのです。

私たちの世代は「切匙」という字を見ると思い浮かべてしまうものが
これ
先割れの給食スプーンです。これ一つで刺したり掬ったりと万能という謳い文句でしたが、その実ちょっと使い勝手が悪く、結局箸の使い方もままならない犬食い児童を発生させるという理由で消え去っていったようです。

戦後、パン給食に乗じてアメリカが日本に持ち込んだ、とんだ「お節介」だったというのは言い過ぎでしょうか。

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