しだらなし

テーマ:言葉・漢字
環境省はこの夏、省内でジーパン、Tシャツ、アロハシャツでの公務を認める「スーパークールビズ」を発表したそうです。うらやましい、って言うか、私は常がそうなんですけど。もっとも、「だらしないのはダメ」という条件付きではあるそうです。

さて、この「だらしない」っていう言葉なんですけど、元々は「しだらない」だったのが語順が逆になったんだそうです。じゃあ、「しだらない」ってのは何なんだ、っていうと「自堕落」が訛ったものだと言われているようです。

濁音で始まる語は悪い印象を与えること、また「だらだら」に近い印象があるので、「しだらない」がひっくり返って「だらしない」になったのだとか。つまり、この場合「しだらな・し」で「しだら」自体、良くない意味なわけですね。

一方、「ふしだら」という言葉がありますね。「しまりがなく、だらしないこと」という意味ですが、これは明らかに「不・しだら」ですよね。てことは「しだら」でない。「しだら」でないのなら「だらしなくない」んじゃないの、って思いません?

ところが、この場合の「しだら」はサンスクリット語のsutraを音写した「修多羅(しゅたら)」が語源だというではありませんか。「修多羅」とは古代インドの経文なんかを閉じる紐や糸のことで、そこから「秩序よく束ねる」ことも意味したそうです。

ですから「不・修多羅」は「秩序がない」→「だらしない」というわけで、こちらは何となく理解できますね。いっそのこと、「しだらない」も「しだら・無い」であればすっきりするんですけどね。

ところで、修多羅は今でも使用されておりまして、お坊さんの袈裟にかけられている紐。あれを「修多羅」っていうそうですね。
明日は、祖父の五十回忌の法要。まさか、ごえんさんが「修多羅なし」ってことはないと思いますが、夏はビジネスのみならず、葬儀や法要も「スーパークールボズ」を推進したいものですね。




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