たるい

テーマ:よもやま話
垂井でお世話になっておきながら、「たるい」という地名を聞いた時に、何か「たるいなぁ~」の「たるい」を連想してしまう不届き者なのですが、そっちの「たるい」は北海道方言なんだそうですね。

中山道中の宿場町。まさか、いい加減歩くのに疲れて、「だるくて」「かったるくて」「気が進まない」から「たるい」という地名になったわけではございませんで、「垂井」の地名は「垂井泉(たるいのいずみ)」から来ております。

これが「垂井の泉」
近づいてみますと
こんこんと湧き出ております。この、したたる井の様を「垂井」という地名にこめたと言われているようです。

あたりは、小庭園風になっておりまして、樹齢800年、高さ20mという大ケヤキが立っております。
 
岐阜県の天然記念物に指定されておりまして、ケヤキは「町の木」にもなっているんですね。

江戸末期の国学者である岩下貞融という人が垂井の泉の碑文を書いたそうですが、そこには「東路には醒井、養老、垂井と3つの高名な泉があるが、それらを試した人が言うには、養老は醒井に勝り垂井は養老に勝る。つまり垂井こそが東の泉の親というべきだ」というようなことが書かれているようです。

さらに、さらに、「醒井は延喜の頃(900年代初)の和歌に見られ、養老は元号にもなった養老の頃(700年代初)に見出されたのに対し、垂井泉は日本武尊の居醒めの水であり、双方よりもずっと古い。これは天下の泉の始祖と言ってもよい」と自慢し放題。

松尾芭蕉もこの垂井の泉で句を残しております。
    「葱白く 洗ひあげたる 寒さかな」

「葱(ねぎ)」のアクセントは関東と関西では異なりますが、ちなみに東京式アクセントと京阪式アクセントの中間的性質を持つアクセントを「垂井式アクセント」と呼ぶらしく、このあたりでは米原市・長浜市の旧東浅井郡であった地域が含まれるとか。

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