赤い糸か知らぬが仏か

テーマ:よもやま話
昨日もちらっと書きましたが、6/6は23回目の結婚記念日でした。以前にも書きましたが、私と妻は昔勤めておりました会社の同じ課で机を前後に並べて仕事をしておりました。いわゆる「職場結婚」であります。

同期入社の仲間が30人ほどおりましたが、7~8割は職場結婚であったと思います。結婚した二人は、それこそ「赤い糸で結ばれていたんだ」などと感慨にふけるわけですが、この職場結婚、客観的に冷静に見ると、「魅力格差の隠蔽」の結果なんだそうです。

「少子社会日本」(山田昌弘/岩波新書)という本を読んでおりましたら、次のような記述に出会いました。

『身近に接する異性が少ないという状況は、魅力格差を隠蔽する。当時は職場結婚が多かった。それも身近に「観察可能な」独身の異性が少数で、職場にしかいなかったからだと考えられる。交際経験のない人が、身近に独身異性がいる環境におかれると、その異性を「好き」になりやすい。

当時は、男性は経済的に安定し、将来収入が伸びる予定の人が大多数だった。つまり女性にとっては、独身で「経済的に安定している」というだけで魅力ある男性に見えただろう。女性は結婚退社が当然の時代だった。男性にとって、身近にいる女性は、若くて独身だというだけで魅力的に見えただろう。そして、何らかのきっかけで、男性がデートに誘って成功すれば、結婚を前提とした交際が始まる。つまり、魅力をめぐっての競争が少なかったのだ。

その頃多かった「見合い」にしても同様。親しく異性と話したことのない男女が強制的に「身近」に話す環境に晒される。そうすれば経済力(男性)や性格・容姿(女性)に大きな問題がなければ、相手を好きになって結婚に至る確率が高かったろう。

魅力格差というものは自由競争に晒されて初めて顕在化するもの。選択肢、つまり身近に親しい異性と接触する機会が極めて少ない時代には、むしろお互いが「好きになる」確率を高めるのである。』

昔は「結婚を前提としたお付き合い」という言葉がありましたが、今は「恋愛」と「結婚」は別物。従って、いろいろな人を結婚相手として品定めする機会が増えたため、結果的に魅力格差が増大して晩婚化、非婚化の一因になっているのだそうです。

「赤い糸」か「知らぬが仏」か、いずれにせよ私たちは結婚することができ、今なお夫婦で居られますことに心より感謝申し上げたいと思います。


-男女間の心理的距離は物理的距離に比例する
                (ボッサードの法則)


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