バイオ燃料攻防戦

テーマ:石油
いささか専門的な話で恐縮でありますが、昨日の新聞に「バイオ燃料攻防戦」という記事が掲載されてありましたので、若干コメントを。

昨今の原油価格の高騰ぶりは常軌を逸したものがありますが、これとは別に地球温暖化防止という観点から石油に替って「バイオ燃料」を使用していこうという動きがございます。アメリカなどはとうもろこしをバイオ燃料の原料にしているものですから、この影響で穀物価格が軒並み高騰するという副作用も生じています。

ところで我が日本国では、バイオ燃料に対する考え方というかスタンスにおいて環境省と石油業界が完全に対立しているというのが実状のようです。環境省が「バイオエタノールをガソリンに直接混ぜる」燃料(例えばE3)を考えているのに対し、業界は「バイオエタノールをETBEという物質に加工してガソリンに混ぜる」バイオガソリンの販売から一歩も譲ろうとしておりません。

まあ分かり易くいうと、ウィスキーをストレートで飲むと身体に悪いので「水割り」で飲みましょうという話なんですが、環境省は「ウィスキー」はメーカーが供給して「水」はそれぞれ手当すればよいという考え。一方業界は、変な水が入っては安全性を保てないので、メーカーが「ウィスキーの水割り」をつくって販売します、という主張です。

新聞の論調は、環境省の主張する「直接混合」だと業界外から参入が急増する可能性もあるので業界はこれに反発している、と見ているようです。私もエネオスの方に直接質問してみたんですが、やはり安全性を主張されまして、「直接混合方式だとSSさんの設備は地下タンクから配管まで全部やり変えでしょうね」と脅されました。

もっとも業界としても、ハイブリッドや燃料電池車などで消費を抑える方が現実的と見ているのは確かで、バイオ燃料は「ジョーカー」で、とりあえずの「おつきあい」程度にしか考えていないのが真実とも言えます。

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