扇(あお)げば尊し
テーマ:よもやま話
2008/05/07 09:44
今年の曳山祭、総当番が協賛企業へのお礼として「曳山山蔵マップ」をお作りになったのですが、わが「翁山」が「扇山」と誤植になっておりました。下部が同じ「羽」なので実際時々間違えられる方がいらっしゃいます。
そこで無理やり話題を「扇千景」に持って行くのですが、かねてから政治と歌舞伎という全く異質の世界を結びつける存在として彼女には興味を持っておりました。国土交通相、参議院議長などを歴任しており、宝塚では大臣のセリフまで稽古するのかと、その演技(だと信じていた)振りにいつも感心していたものでした。
日本経済新聞の先月の「わたしの履歴書」は、この扇千景さんのお話でした。
彼女は実は学校の先生からは神戸大学進学を薦められるほどの才女だったそうなのですが、父親に女子大以外は認めないと言われ、反発も込めて「宝塚音楽学校」へ進んだというのです。それにしても写真を見ると若い時の美貌は、あの天下の艶福家翫治郎(現藤十郎)を夢中にさせるに余りあるものであったと想像させます。
翫治郎さんの浮気がゴシップになった時の対応も実に冷静で、大歌舞伎俳優を掌中に泳がせるように、霞ヶ関の役人だろうが永田町の政治家だろうが手玉にとってしまうのであろうと思わせました。そして梨園の妻としての男子出産(翫雀、扇雀)という義務も立派に果たし、母親としての存在も大きなものがあります。
何年か前に、養老孟司とテリー伊藤による「オバサンとサムライ」という対談集を読んだのですが、そこで扇千景は
自分の生き方に対して「妻60点、母60点、仕事60点」と語ったと書いてありました。普通に取ればどれも中途半端という反省の弁に聞こえます。
しかし、彼女は「三つ足せば180点」と続けたそうで、養老さんとテリーさんは彼女に「オバサン道の最高の体現者」という称号を与え最大級の賛辞を贈っていました。世の働くお母さん達にも彼女のように胸を張って生きて欲しいものです。
そこで無理やり話題を「扇千景」に持って行くのですが、かねてから政治と歌舞伎という全く異質の世界を結びつける存在として彼女には興味を持っておりました。国土交通相、参議院議長などを歴任しており、宝塚では大臣のセリフまで稽古するのかと、その演技(だと信じていた)振りにいつも感心していたものでした。
日本経済新聞の先月の「わたしの履歴書」は、この扇千景さんのお話でした。
彼女は実は学校の先生からは神戸大学進学を薦められるほどの才女だったそうなのですが、父親に女子大以外は認めないと言われ、反発も込めて「宝塚音楽学校」へ進んだというのです。それにしても写真を見ると若い時の美貌は、あの天下の艶福家翫治郎(現藤十郎)を夢中にさせるに余りあるものであったと想像させます。
翫治郎さんの浮気がゴシップになった時の対応も実に冷静で、大歌舞伎俳優を掌中に泳がせるように、霞ヶ関の役人だろうが永田町の政治家だろうが手玉にとってしまうのであろうと思わせました。そして梨園の妻としての男子出産(翫雀、扇雀)という義務も立派に果たし、母親としての存在も大きなものがあります。
何年か前に、養老孟司とテリー伊藤による「オバサンとサムライ」という対談集を読んだのですが、そこで扇千景は
自分の生き方に対して「妻60点、母60点、仕事60点」と語ったと書いてありました。普通に取ればどれも中途半端という反省の弁に聞こえます。
しかし、彼女は「三つ足せば180点」と続けたそうで、養老さんとテリーさんは彼女に「オバサン道の最高の体現者」という称号を与え最大級の賛辞を贈っていました。世の働くお母さん達にも彼女のように胸を張って生きて欲しいものです。