初心和するべし
テーマ:油甚本店
2008/05/20 09:03
これもウィンドウの中に入っているものですが、これには一講釈させていただきたく存じます。
胡麻油のサンプル(中身はコーヒー)として置いているのですが、現在このスタイルでは販売しておりません。平成7年暮の店舗改装を契機に油をあらかじめ容器に詰めて販売するようになりました。それまでは、文字通りはかり売り一本で、お客様が持参される容器か当店に置いてあるありあわせの一升瓶等に入れて販売しておりました。
もっとも既に「食用油はスーパーで買うもの」となっておりましたから、はかり売りで売れるのはお灯明用の菜種油と建築塗料用の荏油だけといってもよかったのです。
従って仮に胡麻油を容器に詰めて売っても、売れるかどうか極めて心もとない状況だったわけです。そこでまず見栄えを考えて「胡麻油」と書いた和紙様ラベルを貼る事にし、さらにキャップの上部からそれらしく紙を巻くことにいたしました。
容器についてはとりあえず、ペットボトル飲料普及前の当時主流であった清涼飲料水の瓶をきれいに洗浄し使用する事にいたしました。幸い「胡麻油」は程なく売れ始めましたので、すぐさま専用の角瓶を仕入れることとし、仕様もマイナーチェンジを経て現在に至っております。
「初心忘るべからず」ということで、当初スタイルをウィンドウに飾る事としたのですが、入れ物については和骨董雑誌からヒントを得て、物置に放ってあった昔のやぐらこたつをそれらしく塗装して再利用することといたしました。円柱形の細い桟が入っていた穴にはビー玉を置く事にしました。昔のものは捨てる前に再利用を考えましょう。
初心忘るべからず、されど初心和するべし。