どくせんじょう

テーマ:言葉・漢字
昨日「土壇場」について書きましたが、似て非なる言葉に「独壇場」があります。混同してる人、いると思います!で、同級生をダシにして恐縮ですが、「幹事をやらせたら、くんさんの独壇場だ」あるいは「瓶洗いはゆうこりんさんの独壇場だ」などという言い方をいたします。この場合、独壇場は「どくだんじょう」と読みます。

ところが、この「独壇場(どくだんじょう)」という言葉、もともとは「独擅場(どくせんじょう)」が正しく、「ほしいままにする」という意味の「擅(せん)」を「壇(だん)」と誤読したのが定着してしまったようです。

何が違うんやいな?と思いますわな。私も単純に同じ字の読み方の相違かと思っていたのですが、よ~く見ると「擅(せん)」は手偏、「壇(だん)」は土偏ですね。

今の世の中、「どくせんじょう」などと聞くと「毒洗浄」という字が思い浮かぶのが普通ですね。全く、くんさんのように、ちぃとばかし毒洗浄した方が良さそうなヤカラもおりますが、その「洗浄」という言葉さえも「独壇場」と同様、どうやら素性が怪しいらしい。

本来は「洗滌」と書いて「せんでき」と読む語だったそうですが、「滌(でき)」の旁の「條」につられて「せんじょう」と誤読し、後に「浄」の字が代用されたんだそうです。

思い違いが定着してしまうことはままあるものです。「瓶の洗浄が独擅場」になろうとは思ってなかった方もいらっしゃいましょう。そんな大変な仕事、もう「せんでき」と誰か言うたって。



(参考図書) 「語感トレーニング」(中村明/岩波新書)

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