DHを呼んだ男

テーマ:スポーツ
今やすっかり定着したプロ野球パ・リーグのDH(指名代打)制。依然採用には賛否両論あると思いますが、それにしても導入されたのが1975年だそうですからもう38年も経過してるんですね。

導入の経緯はおそらく、セ・リーグに比べて人気が低迷していたパ・リーグがセとは違う制度を採用し、人気高揚の手段と考えて大リーグのアメリカン・リーグに倣ったものだとは思うのですが、そのきっかけとなった選手がいたとは。

一昨日のニュースステーションで長嶋一茂氏がリポートした元阪急の高井保弘選手。あ~、そんな選手いたなそう言えば。確かブーちゃんとか呼ばれていたような。代打サヨナラ本塁打27本という世界記録を持つ文字通りの代打の切り札。漫画あぶさんを地で行くような男。

一試合一打席、いや一球にかけるための男の武器は各投手のくせを記したメモ。構え方、ボールのグラブへの収め方、投げた時の腕の上がり方等々、細かに観察し球種を的確に判断。当時はスコアラーも居なかったので、自ら変装してバックネット裏に入りスカウティングも行なったとか。

1974年のオールスター戦。パ・リーグが1点ビハインドで迎えた9回裏一死走者一塁。相手投手はヤクルトのエース松岡(懐かし!)。ここで、高井選手は何と球宴初の代打逆転サヨナラホームランを放ちMVPに。

相手はセ・リーグのピッチャーだから情報は無いでしょ、と思ったら何とオープン戦で対戦した時に観察しメモしていたんだそうです。当時阪急はパ・リーグの王者ですから、日本シリーズで対戦する可能性のある投手のデータも収集していたんですね。あるいは自らがセ・リーグにトレードされる可能性まで考えていたのか?

こんな凄い選手を代打だけに留まらせておくのは惜しい、とパ・リーグにDH制の導入を提案したのがアメリカのスポーツ記者だったそうです。高井はこの翌年から採用されたDHとしてその後も活躍したようですが、むしろ代打専用で輝き続けたほうが強烈な印象を残したのかもしれない、とふと思います。

さて、上記のメモを「ベンツと交換してくれないか」と言われて彼は断ったそうです。「ベンツは買えるけどこのメモは買えん」と。皆さんはベンツ(あるいは相当高額なもの)と交換してくれ、と言われて断れるような物をお持ちですか?

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