マイランス

テーマ:よもやま話
昨日はついたちでしたので、例月と同じくお多賀さんへ参拝に行ってまいりました。例によって、きなこさんらしき方のお姿は無いかと見回したのですが.....。あるいは鳥居の陰に隠れておられたのでしょうか?

さて先日何毛いや何気なく図書館で借りた「ハゲに悩む-劣等感の社会史」(森正人/ちくま新書)という本を読んでおりましたら、「江戸時代の薄毛事情」が書かれておりました。当時からハゲ頭は存在したしそれを茶化すような風潮もあり、落語でも「やかんなめ」などハゲ頭のネタが登場したそうです。

で、こうした生理的な脱毛とは別に、ハゲ頭は仏門の象徴と考えられていた。つまり、俗世から離れる象徴として剃髪とハゲ頭が選ばれたんだと。

話が神社参拝と全く関係ないんじゃないか?いやいや、これからです。江戸時代前期には伊勢神宮の祭主によって、神官が剃髪することが禁止されるということがあったんだそうです。それまでは神官でありながら仏門にも帰依して髪を剃り落とす者もいたとか。

神社に仏教的な外観はふさわしくないんじゃないのぉ、坊主か神主かはっきりしろよ、ってことなんでしょうね。で、当然の流れとして俗人であっても頭に髪のない状態であれば伊勢神宮への参宮は問題となるわけです。ハゲは参拝すべからず、と。

さてどうしたと思われます?

何と、神宮の門前町、館町では風体を俗体に改めるために「附髪(つけがみ)」や「附髷(つけまげ)」が売られていて、これを頭に乗せておけば神宮への参宮が認められたそうです。

まさに、かつらで参拝状態。今ならさしずめ命名「マイランス」。ええじゃないか、マイランセ!

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