大向うのプロ

テーマ:曳山・歌舞伎
昨日、同じ山組の若衆を見かけたので声を掛けましたら、「今日の午後から祭の若衆後宴旅行で大阪に行く」とのこと。3年前に書きましたが、うちの山組の若衆後宴旅行は大歌舞伎鑑賞が恒例となっていて、今年もそれを踏襲してくれるようです。

さて私が歌舞伎を見に行く時は、大抵三階席つまり一番低料金のところで鑑賞するのですが、このあたりの席は「大向う」という歌舞伎独特の掛け声を掛ける人をお見かけします。「待ってました!」とか「松嶋屋!」とかね。

私も時々掛けてみるんですが、これって意外と難しいんですよ。絶妙のタイミングで掛けられた時は本当にスカッとするんですが、タイミングが外れると芝居の邪魔になりますし、第一掛けた後の後味が悪くてかえってストレスになります。

てことで、そうしばしば掛けることはできないんですが、劇場内にはホント、この人達プロちゃうんかと見まごうような見事な大向うを掛ける人たちがいらっしゃいます。長浜でも三役修業塾現塾長のIさんという実に上手な方がいらっしゃいますが、歌舞伎が好きで劇場通いをしておられるんでしょうね、こういう類の方は。
左がIさん
と思っていたところ、先日新聞を読んでいて、まさに私が「プロちゃうんか?」と思っていた人たち(のほとんど)は実際にプロだったんだということがわかりました。新聞では関西の「初音会」というプロ集団の最長老の方を取材されていたのですが、東京には3団体、あと名古屋や博多にもあるそうです。

公演前は過去のビデオを繰り返し見て、出演者の登場順も事前に把握するなど研究するみたいですね。道理でよく役者の屋号を間違えずに言えるはずです。初音会のメンバーが自分しかいない時は、声色や声掛けの場所を変えて何役もこなすんだそうです。そりゃ大変だ。

公演が1ヶ月あると、半月は劇場に詰めるそうで、観劇料は免除されるものの、ギャラも交通費も弁当代も出ないとか。何やプロといってもボランティアに近いのね。プロ野球の私設応援団のリーダーみたいなもんか。

さて、どうやったらこのプロ集団に入れるんでしょうね?どうやら、会のメンバーが「一人で声を掛けている人」、つまり素人さんを半年くらい観察してそれから勧誘するのだそうです。毎月劇場通いをしていらっしゃる長浜のIさん、そろそろ勧誘されるんちゃうやろか。それとも弁当代も出ないんで断ったか。

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