鬼界ヶ島

テーマ:曳山・歌舞伎
「元よりもこの島は鬼界ヶ島(きかいがしま)と聞くなれば、鬼ある処にて今生よりの冥土なり」

歌舞伎「俊寛」はこの謡いをもって幕が開きます。平成16年の曳山まつり。私は伊部町翁山の若衆筆頭を務め、その年「俊寛」を上演いたしました。若い成経と海女千鳥のために罪を背負い鬼界ヶ島に残る俊寛の、犠牲心と凡夫心の相交じった人間性を演出するラストシーンは実に感動的です。
(観光協会しみブロから無断借用)

それはともかく、ある時伝承委員会でご一緒させていただいている「S酒店」さんで「喜界島(きかいじま)」という焼酎を見つけ、名前につられて購入いたしました。黒糖焼酎なのですが、糖分が入っているのではないのにほんのりと甘く、臭みもなく、特に夏にロックや水割りで飲むには最適のお酒と感じました。

親戚の「K酒店」に問い合わせたところ、同じ蔵元の「由羅王」という黒糖焼酎があることがわかり、爾来愛飲し続けております。

さて三笠フーズという不届きな会社が毒米を流通させているというニュースが報じられましたが、何とその米が、件の「喜界島酒造」にも流れている事がわかりました。「宝山」という人気の芋焼酎を生産している西酒造もこれに該当し、同社は早速自主回収を決定しました。

「S酒店」さんと「K酒店」の双方に喜界島酒造の対応について確認いたしましたが、「当該米を用いて生産した分はまだ貯蔵タンク内にあり出荷しておらず、現在流通している分については問題ない」との連絡があったとのことで、一安心です。しかし小さな蔵元なので、貯蔵タンク内の製品を廃棄処分にすると、今後の供給が途絶えることが予想され、しばらくあの芳醇な黒糖焼酎を味わうことのできない日が続きそうです。

歌舞伎「俊寛」の中で、都に帰る船には乗せぬと使者に一蹴され浜辺に残された海女千鳥は次のような悲痛なセリフを吐きます。
「武士(もののふ)はもののあわれを知るというは、いつわりよ。鬼界ヶ島に鬼はなく、鬼は都にありけるぞや」

毒入りとわかっていながら流通させた三笠フーズの社長はまさに鬼であり、彼こそ島流しの刑に処するべきと思うのですが。

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