クールボズ

テーマ:よもやま話
昨日は親戚の一周忌の法要にお参りさせていただきました。不謹慎なことを申しますが、夏の暑い時期は突発事故も起こりやすく、また猛暑に続く残暑こそが病人にとって最もこたえるのだとも言われます。残念ながらご不幸の回数も自然と多くなるようです。

昨今は葬儀が斎場で行われることが多くなったため、参列者にとっては気候条件をさほど気にする必要はなくなりましたが、在の方では、隣近所との互助的絆も強く、自宅から出してあげたいという遺族の思いも強いのか自宅葬が維持されているように思います。

先日の友人の葬儀はまさにそれで盆の炎天下の元行なわれました。参列者も多かった為日陰が領域不足となり、多くの方は強いひざしをまともに受けながら、礼服黒装束でのサウナ状態でありました。

そんな中で、何人かの方々は「輪袈裟(わげさ)」と称する仏式首飾りをかけて涼しげな様子で参列されておりました。今まで輪袈裟のことをさほど意識した事はなかった(いや実はダサイなと思っていた)のですが、仏教ではこれをすれば「平服でも葬儀で失礼でない」とされているようであります。

見た所、輪袈裟着用者にも三段階あるようでして、まず最もフォーマルに近いのが「スーツ+黒ネクタイ+輪袈裟」。これは暑さ対策としては黒色でないという利点がございます。続いて第2段階が「半袖ワイシャツ+黒ネクタイ+輪袈裟」、これはサラリーマンでいうと従来のサマースタイル。そして究極は「半袖ワイシャツ+輪袈裟」でもちろんノーネクタイ。

仏教は環境問題も先取りしておるようです。もともと袈裟自体も「糞掃衣(ふんぞうえ)」と言って「いらなくなったものを生かして活用して作られた袈裟こそが仏法においては一番価値のある袈裟となる」のだそうです。

葬儀版クールビズ、いやビジネスじゃないし...。私は何となくこのスタイルを「クールボズ(COOL-BOZ)」と名付けたくなりました。

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