地中油壺

テーマ:油甚本店
1時間に84㎜だったそうです、作朝の雨。米川が氾濫し、市街地で200軒余りの床上、床下浸水。「災害は忘れた頃にやって来る」と申しますが、「こんなひどいのは伊勢湾台風以来だ」という声も聞きました。

「伊勢湾台風」が来襲したのは昭和34年。実は私が生まれる1年前なので体験していないのですが、この固有名詞は、恐ろしい事の代名詞として幼い頃から脳裏に刻み込まれてきたような気がします。おそらく大東亜戦争という苦難をのりこえて高度成長を始めた矢先にまた鉄槌をくらわすような、そんな蹉跌の響きを持った災害ではなかったかと思います。

さて、これは当店名物「地中油壺」であります。昔自店で菜種油を搾っていた時に搾った油をこの壺に入れて1ヶ月ほど寝かせると上澄みとアクが分離して、上澄みを量り場に移して量り売りの用に供したそうであります。同じ様な壺が店内に5つ埋まっているのですが、1つだけガラス張りにして外から見えるようにいたしました。

容量は約300リットルですからドラム缶の1.5倍。深さは約140cmほどです。実は先述の伊勢湾台風の際に家の裏を流れている米川が決壊し、濁水がこの壺に流れ込み、以来これらの地中油壺の使用を中止すること余儀なくされたそうであります。

現在、「地中油壺」という表示をしているのですが、半数近くの方は「ちちゅうかいつぼって何?」とまずおっしゃりますね。「地中油」が「地中海」と読めてしますのでしょうね、きっと。「そりゃ、めでたらにあん(Mediterranean)や~」と髯男爵口調で言いたくなるのですが、このたび「目出度」とは全く正反対の災難に見舞われた皆様に謹んでお見舞を申し上げます。

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