日米猿学談義

テーマ:曳山・歌舞伎
今年の曳山祭に来浜されたのを機にお知り合いになった京都造形芸術大学の田口教授からご案内をいただいて、同大学舞台芸術研究センター主催の「みやこで義太夫を楽しむ」と称した素浄瑠璃講演に行って参りました。場所は同大学内にある京都芸術劇場春秋座であります。

演目は通称「堀川」といわれる「お俊伝兵衛 堀川猿廻しの段」。文楽の竹本綱大夫、鶴澤清治という二人の人間国宝の演奏を特等席で鑑賞することができました。ともかく、見せ場いや聞かせ場は最後の猿廻しの場面なわけでありますが、猿の声を大夫は一体どのように表現するのでしょうか?

人間でも老若男女、善人、悪人、それぞれを一人の大夫が演じ分けなければいけないわけですが、まさか「ムッキッキー」とそれこそ猿まねまでやるのか、と思っておりましたら、猿の表現は「三味線」で「キキッ」という音を出して表現することがわかりました。最後は三味線さん二人の連弾きになるわけですが、呼吸ぴったりの見事なものでした。

愛嬌物としてかくほどに慕われる猿ですが、この「おサルさん」を政治家に見立てイーモバイルの携帯電話への「CHANGE」を呼びかけたコマーシャルが、人種差別ととられる可能性があるという指摘を受けて放送中止となったそうであります。

どうやら、この猿が米国民主党のオバマ大統領候補を連想させるということなのですが、「猿の惑星」という映画がございましたが、米国では「サル」が黒人を連想する動物であり、自ずと差別表現になるということなのでしょうか。

「お猿はめでたやめでたやな」「サゝきりきりこの家を猿廻し」「まさるめでたう、いつまでも、命全うしてたも」
先の浄瑠璃はこのような言葉で段切りを迎えます。お猿がめでたい国、日本であり続けたいと思います。

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