高僧マンション

テーマ:まちづくり
何日か前のひる過ぎ、母が意気揚々として私の名を呼び、「行ってきたで~」とうれしそうに報告に来たので、何事かと尋ねると、町内に暮らしていたとある老夫婦が先ごろ、駅前通りにできた「好評分譲中」のマンションを購入し引越しされたのだが、そこへ訪ねていったのだという。

別にわけもなく遊びに行ったのではなく、引越しのごあいさつとしての頂き物のお返しをもって行ったらしい。いずれにせよ、「扉が開いて、管理人さんがいて、エレベーターに乗って、」という話から、間取りやら景色やら自分が買ったかのように楽しそうに話してくれた。

そこを購入した奥さんの方も足が悪く歩行も少し支障をきたすほどだったのに、マンションに移ってからは痛みがすっかり消えてしまったのだという。母は最後に「あー、都会気分を味わあさせてもろた」と語って自分の部屋へ戻って行った。考えてみれば今まで高層マンションとは無縁の生活であったのだから珍しいのは当たり前である。

景観上建てることを許さざるべきであったマンション。これ以上街の中に無法図に建てる事は許してはならないだろうし、そのために皆で作った景観条例。しかし百歩譲って、この建ってしまったマンションが街の中に住む老人達にひと時の憩いや非日常的な新鮮な気分を与えるものならば、そういう場として活かすこともありなのか、とふと思った。

望むらくは、老人に安心と生きがいを与えるような「高僧」のようなマンションであってほしい。

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