小松左京さん逝く

テーマ:よもやま話
最も好きな作家である小松左京さんが亡くなった。

「小松さんが通った後はペンペン草も生えない」といわれるほど、多様多彩な視点で作品を作り続けてきた人だ。

彼が問うたのはSFというジャンルを通して、「人類とは何か、どうあるべきなのか」という文明論・文化論であったから、高校から大学へと多感なときにむさぼるように読んだ彼の作品は、その多くが心の中に残っている。

日本とは?を問うた「日本沈没」、ホモサピエンスという種の未来を考えさせられた「継ぐのは誰か」、人の命を救うための医学が地球を滅ぼし、人を殺めるための核兵器がその状況を救ったというアイロニーに満ちた「復活の日」など、読み応え十分の長編が多い。その中でも彼の訃報を聞いて読み返してみたいと思ったのは「果てしなき流れの果てに」だ。

梅棹忠夫との親交やアカデミズムへの憧憬からか、人類の知恵を信じたかったのか、彼の作品には大学教授が多く登場するのも特徴である。

短編も珠玉の作品が多いが、おおよそSF作家らしくない「女シリーズ」が好きだ。
桂米朝さんと鴨すきが出てきて長浜が舞台になった「湖畔の女」もそうだが、その米朝さんとのお付き合いの影響もあったのだろうか、日本の古典文化や美意識を感じさせる「女シリーズ」、印象的なのは「秋の女」か。

「あやつり心中」は江戸時代の文楽を舞台にしたもの、「闇の中の子供」も歌舞伎のストーリーに多い主君のための子殺しという視点が印象的だった。

もう一度読み返してみることにしよう。
未来へのヒントがあるかもしれない。

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