高反発マットレスと低反発マットレスの違いという記事に関する一考察
テーマ:ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
2012/07/31 00:39
朝日新聞・エアウィーブの広告から
滋賀医科大学睡眠学講座認定 睡眠指導士上級 沢田昌宏
7/28付で朝日新聞でエアウィーブ社の全面広告において、高反発マットレスと低反発マットレスの違いについてスタンフォード大学の実験結果を基に高反発マットレスの方が深部体温の低下が大きく、除波睡眠も多いという結論が出ていた。
記事については、概ね正しい情報と思われるし、このような睡眠の情報が一般に知らされることはいいことだと思う。ただ、スポンサーであるエアウィーブ側が低反発マットレスに対するエアウィーブ=高反発の優位性を示したいがために「高反発と低反発」という比較がなされていたが、実際には、高通気度マットレスと低通気度マットレスの違いとした方が正しいように思われる。
スタンフォード大の実験の要点は素材による熱移動がどうなるかということがポイントで、エアウィーブのような通気性の高い素材は熱の放出が行なわれやすく、低反発マットレスのような密着性が高く、通気性の良くない素材は熱がこもって、深部体温の熱放出がスムーズに行なわれない、ということだろう。
厳密にいうと高反発と低反発の違いというより、素材の通気性によるのではないかと考えられるのだが、記事からは高反発が睡眠が深いという誤解を与えてしまう。例えば高反発マットレスの一方の雄であるマニフレックスはどうなるのか・・・というと、マニフレックスに使われているエリオセルはオープンセルといいながらも、決して通気性が良いとはいえない。じゃあどうなるのか、ということである。
ヒトは深部体温を下げながら睡眠に入る。この時に体温の放出がスムーズに行なわれないと深部体温はなかなか下がらず、深い睡眠(除波睡眠)が得られない。このことは睡眠のメカニズムの初級でもある。
このときに何がポイントとなるかというと
1.寝具の熱移動がどうなるか。
これも、外気温の高い夏は熱移動が早い素材(麻など)がいいし、外気温が低い冬は熱移動が早すぎると、温度が下がりすぎて入眠しにくいということになるので、この場合熱移動は少なめがいいだろう。つまり、季節によって熱移動の要求水準がかわるということだ。
2.寝具の水分移動と発散メカニズムがどうなるか。
快適とされる寝床内は温度33℃湿度50%(55%±5%)とされる。この時に発汗した水分を吸収発散させるしくみがないと、湿度が上がり蒸れやすくなる。特に夏は発汗量も多くなり、室内温度と寝床内温度の差が小さいために、湿気のコントロールが重要となる。この点で低反発マットレスは、体面に密着し、素材の通気性も良くないことから蒸れやすい。体の下の接触面に空気を持つエアウィーブ(同様の素材にE-CORE、ブレスエアー、エアークイーン等)やジェルトロンなどは、空気の循環が早くできるために湿度の発散が早い。それゆえ気化熱を奪い、温度と湿度を下げることにより、快眠の条件を整えやすいといえる。
再度整理すると、良質な睡眠環境を得るための要素として「高反発」と「低反発」という、その表示の根拠すら明確でない(=どの段階から高反発と表示できるのかという指針がない)要素を取り上げて論評するのは科学的とはいえないのではないか、ということだ。
表面の硬さ、反発力、保持力、保温力、吸湿力、水分移動特性、熱遮断性、熱伝導性など寝具の快適環境を左右する要素は多いが、個人の基礎代謝量・発汗量等の違いや好みなどによって、個々に快適な要素は大きく変わってくる。
これらの要素は季節によっても大きく左右される。
最近の日本睡眠環境学会が、これらの要素に肌触りなどの官能特性を加えて、気持ち良さをどのように表現し追求していくかを重要課題としているのは、寝具の性能を単に一要素で判断すべきものではないからだと思われる。
結論
今回の記事は、睡眠のメカニズムについて社会に情報発信したことは、いままでの寝具メーカーが行なってこなかったことであり、評価したい。その一方で、「高反発」と「低反発」という一要素で快適睡眠環境が決まるかのような誤解を与えることは、好ましくないと考える。
滋賀医科大学睡眠学講座認定 睡眠指導士上級 沢田昌宏
7/28付で朝日新聞でエアウィーブ社の全面広告において、高反発マットレスと低反発マットレスの違いについてスタンフォード大学の実験結果を基に高反発マットレスの方が深部体温の低下が大きく、除波睡眠も多いという結論が出ていた。
記事については、概ね正しい情報と思われるし、このような睡眠の情報が一般に知らされることはいいことだと思う。ただ、スポンサーであるエアウィーブ側が低反発マットレスに対するエアウィーブ=高反発の優位性を示したいがために「高反発と低反発」という比較がなされていたが、実際には、高通気度マットレスと低通気度マットレスの違いとした方が正しいように思われる。
スタンフォード大の実験の要点は素材による熱移動がどうなるかということがポイントで、エアウィーブのような通気性の高い素材は熱の放出が行なわれやすく、低反発マットレスのような密着性が高く、通気性の良くない素材は熱がこもって、深部体温の熱放出がスムーズに行なわれない、ということだろう。
厳密にいうと高反発と低反発の違いというより、素材の通気性によるのではないかと考えられるのだが、記事からは高反発が睡眠が深いという誤解を与えてしまう。例えば高反発マットレスの一方の雄であるマニフレックスはどうなるのか・・・というと、マニフレックスに使われているエリオセルはオープンセルといいながらも、決して通気性が良いとはいえない。じゃあどうなるのか、ということである。
ヒトは深部体温を下げながら睡眠に入る。この時に体温の放出がスムーズに行なわれないと深部体温はなかなか下がらず、深い睡眠(除波睡眠)が得られない。このことは睡眠のメカニズムの初級でもある。
このときに何がポイントとなるかというと
1.寝具の熱移動がどうなるか。
これも、外気温の高い夏は熱移動が早い素材(麻など)がいいし、外気温が低い冬は熱移動が早すぎると、温度が下がりすぎて入眠しにくいということになるので、この場合熱移動は少なめがいいだろう。つまり、季節によって熱移動の要求水準がかわるということだ。
2.寝具の水分移動と発散メカニズムがどうなるか。
快適とされる寝床内は温度33℃湿度50%(55%±5%)とされる。この時に発汗した水分を吸収発散させるしくみがないと、湿度が上がり蒸れやすくなる。特に夏は発汗量も多くなり、室内温度と寝床内温度の差が小さいために、湿気のコントロールが重要となる。この点で低反発マットレスは、体面に密着し、素材の通気性も良くないことから蒸れやすい。体の下の接触面に空気を持つエアウィーブ(同様の素材にE-CORE、ブレスエアー、エアークイーン等)やジェルトロンなどは、空気の循環が早くできるために湿度の発散が早い。それゆえ気化熱を奪い、温度と湿度を下げることにより、快眠の条件を整えやすいといえる。
再度整理すると、良質な睡眠環境を得るための要素として「高反発」と「低反発」という、その表示の根拠すら明確でない(=どの段階から高反発と表示できるのかという指針がない)要素を取り上げて論評するのは科学的とはいえないのではないか、ということだ。
表面の硬さ、反発力、保持力、保温力、吸湿力、水分移動特性、熱遮断性、熱伝導性など寝具の快適環境を左右する要素は多いが、個人の基礎代謝量・発汗量等の違いや好みなどによって、個々に快適な要素は大きく変わってくる。
これらの要素は季節によっても大きく左右される。
最近の日本睡眠環境学会が、これらの要素に肌触りなどの官能特性を加えて、気持ち良さをどのように表現し追求していくかを重要課題としているのは、寝具の性能を単に一要素で判断すべきものではないからだと思われる。
結論
今回の記事は、睡眠のメカニズムについて社会に情報発信したことは、いままでの寝具メーカーが行なってこなかったことであり、評価したい。その一方で、「高反発」と「低反発」という一要素で快適睡眠環境が決まるかのような誤解を与えることは、好ましくないと考える。
プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(5)
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/07/16 08:37
【ホコリ取り第五段階(最終)】
連載もこれが最後。しつこいのだけど、まだホコリを取るのである。
第四段階の羽毛除塵機でかなりホコリは取り除かれている。それでもまだ残っているのだ。除塵機を終えると、計量器に移送される。
ここで、全体の重量が計測される。もともとが良質の羽毛は10%程度しか減らないし、良くない羽毛だと30%以上減ることも少なくない。減り方と、選別時の羽毛の状況をみながら、足し羽毛の量を決定する。
通常は200g足しであるが、良質のものは100gでも十分なケースが多い。そのかわり足し羽毛も良質のものにする。このあたりは長年のカンが生きる。なんせ2000枚ほどリフォームを行っているのだから。
量を決定すると、コンピューターに入力する。側のキルティングに合わせて、全体量を入力すれば、それぞれのマス目にどれだけの量をいれるのかを自動計算してくれるのである。単純に均等に入れるのではなく、へたりやすい襟元、保温性が要求される身体の中央部は多めに入れる。
全体の計量槽から、パネルで設定した量だけが下に2つある計量槽に送られる。片方が充填している間に、もう一つの槽に計量をするということを繰り返すのである。充填量はマスによって異なるので、その都度パネル設定しながらという、少しめんどくさい方法になる。
そして、そのマスに吹き込む充填機に設置されているのがサイクロン機能である。
計量された羽毛は充填スイッチをいれると、円筒型のサイクロンの上から吸い込まれ、円筒に沿ってぐるぐると回りながら、円筒の下にある排出口までいって、ホースを通り、予め羽毛布団の側に差し込んである吹き込みノズルから、側のマスに充填されるというしくみである。
この円筒型サイクロンを通すことにより、少し重いゴミは下のゴミ取りに落ちて取り除かれるのである。
取れたゴミがこちら
これだけホコリ取りをしても、まだホコリやゴミは完全に取り切れていないのだ。最初からホコリ取りをしていなかったら、見た目はわからないが、ホコリの多い羽毛布団に仕上がってくることがわかるだろう。
全てのマスに羽毛を充填し、吹き込み口をミシンで閉じると完成である。
こうやって、ホコリやゴミ取りを徹底しながら、羽毛布団のリフォームは行われていくのである。
(おしまい)
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連載もこれが最後。しつこいのだけど、まだホコリを取るのである。
第四段階の羽毛除塵機でかなりホコリは取り除かれている。それでもまだ残っているのだ。除塵機を終えると、計量器に移送される。
ここで、全体の重量が計測される。もともとが良質の羽毛は10%程度しか減らないし、良くない羽毛だと30%以上減ることも少なくない。減り方と、選別時の羽毛の状況をみながら、足し羽毛の量を決定する。
通常は200g足しであるが、良質のものは100gでも十分なケースが多い。そのかわり足し羽毛も良質のものにする。このあたりは長年のカンが生きる。なんせ2000枚ほどリフォームを行っているのだから。
量を決定すると、コンピューターに入力する。側のキルティングに合わせて、全体量を入力すれば、それぞれのマス目にどれだけの量をいれるのかを自動計算してくれるのである。単純に均等に入れるのではなく、へたりやすい襟元、保温性が要求される身体の中央部は多めに入れる。
全体の計量槽から、パネルで設定した量だけが下に2つある計量槽に送られる。片方が充填している間に、もう一つの槽に計量をするということを繰り返すのである。充填量はマスによって異なるので、その都度パネル設定しながらという、少しめんどくさい方法になる。
そして、そのマスに吹き込む充填機に設置されているのがサイクロン機能である。
計量された羽毛は充填スイッチをいれると、円筒型のサイクロンの上から吸い込まれ、円筒に沿ってぐるぐると回りながら、円筒の下にある排出口までいって、ホースを通り、予め羽毛布団の側に差し込んである吹き込みノズルから、側のマスに充填されるというしくみである。
この円筒型サイクロンを通すことにより、少し重いゴミは下のゴミ取りに落ちて取り除かれるのである。
取れたゴミがこちら
これだけホコリ取りをしても、まだホコリやゴミは完全に取り切れていないのだ。最初からホコリ取りをしていなかったら、見た目はわからないが、ホコリの多い羽毛布団に仕上がってくることがわかるだろう。
全てのマスに羽毛を充填し、吹き込み口をミシンで閉じると完成である。
こうやって、ホコリやゴミ取りを徹底しながら、羽毛布団のリフォームは行われていくのである。
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暑いからこそ、自然素材の涼感を大切にしたい
テーマ:眠るための道具・寝具のお話
2012/07/16 00:03
本当に毎日暑い。日本の夏は暑いより蒸し暑い=湿度が高いのでやっかいだ。
節電をしなければならないけど、夜はエアコンも適度に有効に使うべきと考えている。
無理をして睡眠の質が悪くなると、昼間の能力が低下する、場合によっては事故につながる。免疫機能が低下して、バテる、病気になる。・・・といいことは一つもない。
さて、巷に出回る多くの「冷感」なり「涼感」寝具。そのほとんどは合成繊維を始めとするものが多い。ジェルなんか処分がやっかいこの上ない。いくら冷感でも吸湿性がないと、熱が体温と平衡した時に蒸れることこの上ない。
グリーン購入を推進する立場としては「生分解する自然素材を優先」「できるだけ地産地消をめざす」ということから、麻100%にこだわったものを「製造小売り」している。
つまり、
1.麻は熱伝導性が高いので、熱がこもりにくい
2.吸湿性が非常に良いので、湿度が高い日本の夏に合っている。
3.近江は麻の一大生産地である
4.麻わたを始めとする、加工工場も近くにある
そこで、地元の麻を使い、地元の工場で製造して販売を始めたのが本麻クールシリーズの本麻クール掛ふとん、本麻クール敷パッド、本麻クール枕パッド。
といっても、麻は結構高級な素材である。こだわればこだわるほどに。大手量販店のように、海外で大量に生産して・・・というのではあまりに芸がないから、中間マージンや余分な流通コストをぎりぎりつめてお届けしている次第である。
使うと、リクツ抜きに快適。
詳細については何回かで紹介しているので、その記事をご参照いただきたい。
節電をしなければならないけど、夜はエアコンも適度に有効に使うべきと考えている。
無理をして睡眠の質が悪くなると、昼間の能力が低下する、場合によっては事故につながる。免疫機能が低下して、バテる、病気になる。・・・といいことは一つもない。
さて、巷に出回る多くの「冷感」なり「涼感」寝具。そのほとんどは合成繊維を始めとするものが多い。ジェルなんか処分がやっかいこの上ない。いくら冷感でも吸湿性がないと、熱が体温と平衡した時に蒸れることこの上ない。
グリーン購入を推進する立場としては「生分解する自然素材を優先」「できるだけ地産地消をめざす」ということから、麻100%にこだわったものを「製造小売り」している。
つまり、
1.麻は熱伝導性が高いので、熱がこもりにくい
2.吸湿性が非常に良いので、湿度が高い日本の夏に合っている。
3.近江は麻の一大生産地である
4.麻わたを始めとする、加工工場も近くにある
そこで、地元の麻を使い、地元の工場で製造して販売を始めたのが本麻クールシリーズの本麻クール掛ふとん、本麻クール敷パッド、本麻クール枕パッド。
といっても、麻は結構高級な素材である。こだわればこだわるほどに。大手量販店のように、海外で大量に生産して・・・というのではあまりに芸がないから、中間マージンや余分な流通コストをぎりぎりつめてお届けしている次第である。
使うと、リクツ抜きに快適。
詳細については何回かで紹介しているので、その記事をご参照いただきたい。
プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(4)
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/07/15 08:24
【ホコリ取り第四段階】
羽毛を知り尽くしたドイツのLorch社の羽毛リフレッシュマシン。通常はこれで十分だと思っていた。
実際、フランクフルトにあるドイツで最も高級な寝具店BettenRidの2Fに置いているのも、私の店と同じキカイである(あちらはダークブルーに塗られていたが) ドイツでも十分だと判断されているのだろう。
ところが・・・どうしても選別後のダウンファイバーが気になるのだ。そこで、計量器がバカになっていた羽毛の充填機を入れ替える際に、一念発起。
羽毛の除塵機を導入したのである。
全体で見るとこうだが
これが本体である。
中はこうなっている。円筒形のドラムになっていて、小さな穴が無数に開いている。このドラムの中に左から選別した羽毛を投入する。円筒の中では羽毛が攪拌される。通常はこれでも、落ちるのだが・・・この除塵機全体の空気を吸い出したり、空気を入れ換えたりということを5秒間隔で繰り返し行うことにより、ホコリを吸い出す・・・といっていいだろう。
これらのコントロールはコンピュータが制御する
細かい設定もタッチパネルでできるので、進歩といえるだろう。通常は10分間除塵を行うが、ホコリの少ない良質の羽毛の場合は、逆に羽毛を痛めないように5分程度にする。結果は
このように、羽毛のゴミが袋に溜まるのだ。
ゴミ袋へホコリを吸い取った後でも、除塵機には
これが全部で五段階の中でもっともホコリ取りを徹底する第四段階である。
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羽毛を知り尽くしたドイツのLorch社の羽毛リフレッシュマシン。通常はこれで十分だと思っていた。
実際、フランクフルトにあるドイツで最も高級な寝具店BettenRidの2Fに置いているのも、私の店と同じキカイである(あちらはダークブルーに塗られていたが) ドイツでも十分だと判断されているのだろう。
ところが・・・どうしても選別後のダウンファイバーが気になるのだ。そこで、計量器がバカになっていた羽毛の充填機を入れ替える際に、一念発起。
羽毛の除塵機を導入したのである。
全体で見るとこうだが
これが本体である。
中はこうなっている。円筒形のドラムになっていて、小さな穴が無数に開いている。このドラムの中に左から選別した羽毛を投入する。円筒の中では羽毛が攪拌される。通常はこれでも、落ちるのだが・・・この除塵機全体の空気を吸い出したり、空気を入れ換えたりということを5秒間隔で繰り返し行うことにより、ホコリを吸い出す・・・といっていいだろう。
これらのコントロールはコンピュータが制御する
細かい設定もタッチパネルでできるので、進歩といえるだろう。通常は10分間除塵を行うが、ホコリの少ない良質の羽毛の場合は、逆に羽毛を痛めないように5分程度にする。結果は
このように、羽毛のゴミが袋に溜まるのだ。
ゴミ袋へホコリを吸い取った後でも、除塵機には
これが全部で五段階の中でもっともホコリ取りを徹底する第四段階である。
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プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(3)
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/07/14 08:19
【ホコリ取り第三段階】
乾燥が終った羽毛、通常のリフォームはここで終了するのが多い。
ところが、羽毛の洗浄・選別機を手がけてきたドイツLorch社のキカイなので、これで終らない。ソーティングと呼ばれる第三段階のホコリ取りが待っている。
通常の羽毛工場ではリフレッシュでなく、農場で採れた羽毛を集めてきて、洗浄-乾燥する。洗い方の手順は違うが、基本的な手順は同じである。
カウフマン社の場合
まず、農家から集められた(場合によっては洗浄した)羽毛の入ったベールを解体する
それから、洗浄機で洗う・・・同じLorch社だが、こちらは150kgぐらい洗うことができる。うちのキカイは5kgが最大。
その後乾燥させる。同じメーカーだからスイッチなんかも同じ感じである。
そしてその後に、重いフェザー(羽根)と軽いダウン(羽毛)を選別するソーティングが行われる。この機会は地上10数メートルぐらいあって、空気で羽毛を送ると、重い羽根は残り、軽い羽毛は飛んでいく、という原理を使って分別するのである。
工場だと3~4段階にわたって選別が行われるのだが、うちのリフレッシュマシンには簡単なソーティング機能が備わっている。
手前の所に乾燥が終った羽毛が入っている。ここで空気を送ると中の通路を通って奥の(右側の)部屋に羽毛が送られるのである。
空気の量を調整することによって、どのレベルの羽毛までを選別するかを決めることが出来る。強く空気を送れば重いものも奥の部屋に行く。古い羽毛布団でスモールフェザーが比較的に多い、ダウン70%~80%の羽毛はこれによってフェザーを取り除く。ここ15年以内なら90%以上がほとんどなので、ほとんどが向こうへ行くかと思うと、実際には羽根の傷ついたものであったり、小さなゴミであったりするものが残っている。
このリフレッシュマシンでは、選別が終ると一番右端に袋を付けてそこに集まる。通常はここまですれば十分すぎるぐらいである
以上でホコリ取り第三段階は終了
だったのだけど・・・
実際に選別を行うと、結構ダウンファイバーと呼ばれる羽毛のゴミや、ネックフェザーと呼ばれる細くて小さなフェザーが結構残っているので、どうしてもこれが気になってしまっていた。
そこで次へ続くのである
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乾燥が終った羽毛、通常のリフォームはここで終了するのが多い。
ところが、羽毛の洗浄・選別機を手がけてきたドイツLorch社のキカイなので、これで終らない。ソーティングと呼ばれる第三段階のホコリ取りが待っている。
通常の羽毛工場ではリフレッシュでなく、農場で採れた羽毛を集めてきて、洗浄-乾燥する。洗い方の手順は違うが、基本的な手順は同じである。
カウフマン社の場合
まず、農家から集められた(場合によっては洗浄した)羽毛の入ったベールを解体する
それから、洗浄機で洗う・・・同じLorch社だが、こちらは150kgぐらい洗うことができる。うちのキカイは5kgが最大。
その後乾燥させる。同じメーカーだからスイッチなんかも同じ感じである。
そしてその後に、重いフェザー(羽根)と軽いダウン(羽毛)を選別するソーティングが行われる。この機会は地上10数メートルぐらいあって、空気で羽毛を送ると、重い羽根は残り、軽い羽毛は飛んでいく、という原理を使って分別するのである。
工場だと3~4段階にわたって選別が行われるのだが、うちのリフレッシュマシンには簡単なソーティング機能が備わっている。
手前の所に乾燥が終った羽毛が入っている。ここで空気を送ると中の通路を通って奥の(右側の)部屋に羽毛が送られるのである。
空気の量を調整することによって、どのレベルの羽毛までを選別するかを決めることが出来る。強く空気を送れば重いものも奥の部屋に行く。古い羽毛布団でスモールフェザーが比較的に多い、ダウン70%~80%の羽毛はこれによってフェザーを取り除く。ここ15年以内なら90%以上がほとんどなので、ほとんどが向こうへ行くかと思うと、実際には羽根の傷ついたものであったり、小さなゴミであったりするものが残っている。
このリフレッシュマシンでは、選別が終ると一番右端に袋を付けてそこに集まる。通常はここまですれば十分すぎるぐらいである
以上でホコリ取り第三段階は終了
だったのだけど・・・
実際に選別を行うと、結構ダウンファイバーと呼ばれる羽毛のゴミや、ネックフェザーと呼ばれる細くて小さなフェザーが結構残っているので、どうしてもこれが気になってしまっていた。
そこで次へ続くのである
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