1  |  2  |  3  |  4  |  5    次>    最後>>

クルマと寝具の寿命のおはなし

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
読者の皆さんはクルマの寿命はどれぐらいだとお考えだろうか?定期的なメンテナンスや部品交換を行えば何十年と乗ることができるのだろうが、一般には10年を超えると「けっこう乗ったね、買い替えてもいいかな」15年となると「さすがに買い替えないといけないかな」というのが現在の一般的なところではないだろうか? かつての車検3回6年目には買い替え、という雰囲気に比べると買い替えサイクルは長くなっていると思う。ちなみに14年前の2001年のカーオブザイヤーは初代フィットで2007年まで発売されているが、今では見ることも少なくなっている。

FIT


ところが店頭で「マットレスの寿命はせいぜい10年で買い替えるのがベスト、良いもので頑張っても12~13年まで」、とお話しすると「ええ~っ!」と帰ってくることが多い。クルマ同様長く使って使えないことはない、ところが長年使うと、サスペンションやシートはへたり、燃費は悪化する。新しいクルマに買い替えれば乗り心地は格段に改善され、燃費もかなり良くなる。

寝具もこれと同様なのだが、車検のようなものがないだけに途中の整備が不十分なものが多く、それだけに年数を経ると性能は悪化しやすい。何十キロという体重を1日7~8時間も支えているのだから、材質に疲労がでないわけがない。靴を同じように使ったらどうなるか考えていただければわかると思う。

年数が経てば性能が低下する。体のほうも年とともに劣化するから睡眠にとってはダブルパンチと言っていいだろう。

寝起きが悪い


そこで、いい加減に買い替えをいかがですか?というのが本稿の狙いなのだが、もう一つPRしたいことがある。

それは、定期的にメンテナンスをすることと、長期使用を考えた寝具選びをするということである。

たとえば、羽毛布団のリフォームは推奨は10年ごとだが、実際は15年ぐらいで持ち込まれることが多い。ところが、定期的に丸洗いをしたり干したりして手入れをしている布団とそうでないものでは随分と差が出てしまう。汚れについていえば、定期的に洗っておくといいが、十数年も汚れが付きっぱなしでは、いかな最高水準の洗いをしたとしても、汚れがこびりついていたりして、元にもどりにくいからだ。3~5年には一度丸洗いをしていただきたいものである。

これは新しい試みで、オリジナルの2レイヤーマットレスⅡに採用しているのだが、マットレスの中のパーツをローテーションできたり、場合によってはへたったパーツだけ交換できるように設計して、長く使えるようにするというものだ。

30万円の寝具というと随分高いように思われがちだ。確かに決して安くはないが、1時間当たりのコストをクルマと比較していただきたい。車両代金だけでなく、ガソリン代・保険代・税金代・駐車場代と考えると、いくらになるだろうか?一般的な1300ccクラスの大衆車で12年使った場合、一日1時間乗るとすれば車両代・保険代・税金代の固定費だけで1時間あたり550~600円ぐらいだ。

寝具なら1時間あたり10円ほど、1日あたりたったの70円弱である。月3000円の健康サプリより安くて健康に良い、と眠り屋としていつも思っている。

ビラベック ミルフィマットレス

良い睡眠には投資をしていただきたいと思うが、いかがだろうか?

アイリッシュリネンのお話

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
春から初夏へ向けて、特にリネンの素材が気持ちの良い季節となる。リネンとは亜麻、主にヨーロッパで産出される麻で、日本の伝統的な苧麻(ラミー)に比べると同じ麻でも風合いがソフトでやさしい。

リネンカバー


リネンにもいろいろグレードがあるのだが、最高級のものはアイリッシュリネンと呼ばれる。そのまま理解すると「アイルランドで作られたリネン」と思われがちだが、残念なことに今日アイルランドではリネン草(フラックス)の栽培も紡績も製織もほとんど行われていない。実はアイリッシュリネンとは、紡績の技術なのだ。最高級のリネン草を使い、潤紡という方法で細番手の糸を紡ぎ、それで織ったものを称している。

アイリッシュリネン


一方フレンチリネンというのは、リネン草の産地の名前。昨年フランスノルマンディーのリネン農場を訪れたが、フレンチリネンといっても10段階のグレードに分かれるとのことだから、フレンチリネン=高級品とは必ずしも言えない。リトアニアリネンも織ってもらっているが、これはフレンチリネンが原料でリトアニアで紡績・製織している。つまりリネンの産地呼称は、技術であったり、産地であったり、製織地であったりするからわかりにくいが、要は良い原料を使い、高い技術で織られた生地が良いという当たり前の結論となる。

リネン畑


さて、ハードマンズ社の技術で作られたアイリッシュリネンは80番手と60番手両方の生地をオリジナルカバーとして販売しているが、実は冬でも快適に使える。この軽さと風合いは格別で、できるだけ多くの人に味わっていただきたいと思うのである。

毛布はひとくくりにしてほしくない

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
先日もテレビで、睡眠の専門の先生が「毛布は上にかけるか、コットンのカバーをかけて使いなさい」
理由は「下に掛けるとちくちくして、それが眠りを妨げる」のだそうだ。

この場合は、おそらく毛刈りのウール毛布のことなのだろうが、今日ではあまりお目にかかることが少ない。確かに毛刈りのウール毛布なら、昔同様ガーゼの毛布カバーをした方が良いかもしれない。

改めて毛布の機能はどこにあるのかを考えると、最も重要なのは「保温性を向上させる」ということだろう。つまり暖かいということが毛布を使う理由になる。
そこで、この毛布を上に使うか、下に使うかだが、上に使うのであれば毛布でなくても良い。肌掛布団でも同様の役割を果たす。下に(肌に)使うのは、基本的には毛布の持つ保温性に加え、毛布は肌ふとんより接触温感が高いからなのだが、素材によって性格は大きく異なる。

世の中にある毛布の種類と、私なりの評価をしてみると

ポリエステル系(フリース・マイクロファイバー) 汗をかかない人ならまぁ良いが、子どもには絶対使用不可。静電気が起きやすい。
アクリル系(二重マイヤー、一重ニューマイヤー) 保温力はあるけど、吸湿性は低い。汗をかく人にはおすすめできない。静電気が起きやすい。
綿 (起毛系、マイヤー系、シール系) 吸湿性は良いが、保温性が良くない。子ども向け。
アクリル・綿混(起毛系) 吸湿性と保温性のバランス良し。軽量でそこそこおすすめ。ただし毛玉が出やすい
シルク(起毛系・シール/マイヤー系) 起毛系がベストだが、ホコリが出やすい。シール系は滑りやすい。
ウール(起毛系) 通常のウールはチクチクしやすい。 グレードが高いキャメル・カシミヤは理想的。
ウール(マイヤー・シール織) 吸湿性と保温性のバランスが非常に良。寒がりの方にはおすすめ。

カシミヤ毛布


自分でいろいろ使った限りでは、カシミヤがベスト。保温性が高く、吸放湿性も非常に良い。なによりソフトで柔らかいので、肌に使用した場合の官能評価は最も高いといえる。
ただ、起毛系の弱点なのだが、細い上質な繊維を使ったものほど毛玉が出やすい。現在使っているのはイタリア・マラゾット社のもので、正直最初は結構毛玉が出てびっくりした・・・が、この気持ちの良さは毛玉をがまんしても十分すぎるぐらいで、手放せない。 国産だと、毛玉は少ない反面、その分少し硬くなるものが多いが、ニットのカシミヤ毛布はその点おすすめ。

カシミヤを除けば、接触温感と吸放湿性、耐久性を含めると毛足のあるマイヤー・シール織系のウォッシャブルウールの毛布が最もベストだろう。


アレルギーと吸湿性

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
少し前の話だが、アレルギー体質のお子様をお持ちのお客さんと話していた時に
「お医者さんの先生からポリエステルのおふとんで十分です」と云われた、ときいて開いた口が塞がらなかったことを覚えている。

大変に残念なことに、睡眠の大家といわれる医学界の先生方でも、寝具についてはほとんどご存じないケースが実に多い。いわんや、一般のお医者さんをやである。
滋賀医科大学睡眠学講座の特任教授である宮崎総一郎先生。睡眠のお師匠様であるが、一時、先生が一般向けに講演なさる際に、最後に少しお時間いただいて睡眠環境についてお話させていただくことがあった。先生には大変失礼ではあるが、宮崎先生ほどの方でも、寝具については体系的にも素材効能的にもあまりご存知ではない。

我が業界なら、と思うが、私が首をひねらなければならないことが結構ある。
さて本題にもどそう。

アレルギー対策は、基本的にはダニ・ハウスダストなどのホコリ対策が多い。そのため
1.ダストを出さない素材を選ぶ(ポリエステル等合成繊維系)
2.ダニの出入りしにくい生地や構造にする
3.丸洗いができて清潔な状態を保つ

ということになるが、これらは
1.合成繊維系は吸湿性が悪い
2.ダニが出入りしにくい高密度生地は通気性が悪い
3.丸洗いが容易な寝具は合成繊維系=吸湿が悪い

子どもは基礎代謝量が大人の2~3倍あるので、人一倍汗をかく。入眠後60~90分の一番その汗をかく時間帯に、最も睡眠は深くなり、同時に成長ホルモンが分泌される。逆に汗を吸いきれずに、寝床内の湿度が上がると不快指数が上がって、睡眠が低下し、成長ホルモンの分泌も阻害されるという構造なので、吸湿発散性は非常に重要なのである。

ところが多くの場合、ハウスダスト対策と吸湿発散性の確保は相反することが多い。健全な成長を考えるなら、本来は吸湿発散性を優先すべきだ。昔はみんな木綿わたのふとんだったのだから。
また、アレルギーが発生するかどうかは、使用している寝具のアレルギー対策に影響しないということは2002年にすでにアメリカの学会で発表されている。

つまり、アレルギーがそれほどないレベルなら子どもの寝具は吸湿発散性を重要視するべきだと思う。
吸湿発散性の良い素材は、天然素材に多いが、天然素材なら全て良いかというとこれが難しい。良質の天然素材はホコリが少ないし、悪い素材はホコリやゴミが多い。近年の羽毛布団はますますその傾向にある。

吸湿性のある吸汗ポリエステルがあるではないか、という指摘もあるが、JISの水分移動特性の試験は72時間かけて行うので、あまりあてにならない。
こんな例もある、スケール(うろこ)を取ったウォッシャブルウールと、素のままのウールでは、8時間後の吸湿性能はほぼ同じだが、90分後では素のままのウールのほうが吸湿性が2倍という。

素材メーカーのいうことを、そのままに受けるという危険性がここにもあるのだ。
アレルギー対策というと、どうも極端に走る傾向があるが、本来あるべき機能とのバランスを取ることが大切だと思う。こまめに部屋を掃除するだけでもずいぶんと違うのだから。



新オーダー安眠枕Ⅳ

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
明日2/19~3/1まで 春の快眠フェアを開催。 折込のチラシはこちら

今回の新製品を紹介

まず、オリジナル安眠枕Ⅳ 10年以上にわたって改良を続けてきたオーダータイプのオリジナル安眠枕が バージョン3からバージョン4に変わりました。

安眠枕Ⅳ

表の側には、熱を苦し吸湿性を重視したリネン麻と麻わたを使うなど、いろいろ凝ってはいますが、今回のバージョンアップの目玉はハニカムシートを2枚入れたこと。

ハニカムシート

通常オーダー枕は店頭でフィッティングを行います。ところが、自宅に帰って敷きの硬さが変わると、せっかく合わせても合わなくなることが多いのです。高くするのは難しくありませんが、低くするのは厄介です。中身の量を再調整する必要があります。
今回ハニカムシートを2枚入れて、それを抜き差ししたり、折ったりすることで、自宅での調整をより容易にしました。

価格は 17,000円+税  自家製で素材も凝っていますが、製造直売でリーズナブル価格です。

今回は新発売ということで、枕の中に入れる紀州備長炭ユニットを2種類 無料でお付けします。通常だと1,500円相当になるものです。

店頭で体感をしてみてください。眠りのプロが最適なフィッティングを行います。

1  |  2  |  3  |  4  |  5    次>    最後>>

最近の記事一覧

カレンダー

<<      2015/05      >>
26 27 28 29 30 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 1 2 3 4 5 6

ブログランキング

フリースペース

ねむりはかせのキャラクターの名前はネムタといいます。なまけものです。
元サンリオにいらっしゃったキャラクターデザイナー井上・ヒサトさんの作品をご厚意でお借りしています
ネムタのホームページはこちら

通販サイトはこちらから
眠りのプロショップSawada 楽天市場店

ショップの地図はこちら
長浜の曳山博物館の前です

Facebookページ


ビデオクリップYouTube
店のプレゼンテーション
滋賀経済Now紹介
ヒュスラーネストの説明
プレジールのエアーピローの説明

アーカイブ

HTMLページへのリンク

プロフィール

ネムタ1

ねむりはかせ

曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

眠りのプロショップSawada

最近のトラックバック

参加コミュニティ一覧