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新しい2レイヤーマットレスの出来栄え

テーマ:ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
私の店では西川などのメーカー製を仕入れて販売する、ということより、オリジナルの寝具を企画製造して販売するという高級SPA(製造小売り)が基本である。

オリジナルであるから、耐久テストなども自前で行う必要があるし、企画を誤ると日の目をみない品もある。結構リスクがあるのだが、どうも大手のメーカーの作る品は睡眠科学から見てちょっとずれているものが多いのでしょうがない。

さて、そんなオリジナルマットレスが昨年から手掛けた2レイヤーマットレスである。
厚さは8㎝で三つ折のマットレスだ。最初のバージョンは今の流行というか、ブレスエアーという素材を2種類の硬さを用意して、マットレスの中を2層構造にしたものだ。
2レイヤーマットレス2


ブレスエアーがソフトとハードの2枚重ね(中央部はハードの2枚重ね)によって、パーツ交換やローテーションが自由にできるようになっている。
ブレスエアーは話題のエアウィーブと同じような中空の構造だが、発売以来20年以上していることもあり、エアーウィーブに比べると耐久性などは抜きんでている。
ブレスエアー

ただ、お使いいただいているお客様からいくつかご意見をいただいた。
●もう少し腰の部分を硬くできないか
●冬はちょっと寒い
中が空気なので、確かにこのタイプは通気性が抜群だが保温性には厳しいかもしれない。ウール敷ふとんと組み合わせて使うようにしていただいているのだが、部屋の条件によってはそれでも問題があるようだ。

そこで、バージョン2では側生地を中国製→国産に変更して生地を滑りにくくすると同時に、パワーロフトという固綿を用意してこれと組み合わせることにした。腰の落ち込みを減らして、保温性と通気性のバランスをとるためである。
ブレスエアーPL

テストを初めて一か月弱だが、調子は上々である。ふんわりさと、しっかりさのバランスが良い。何より、今までのマットレスは中央部がへたっても交換することはできなかった。これは、ローテーションももちろん、へたったパーツを交換することもできる。

価格はシングルで48,600円(税込) 仕入れ先からは安すぎるやん(エァウィーブ四季の半額近い)と云われたが、中間マージンも広告代もかからない自家製造のメリットを最大に出したプライスだ。
ウール100%の敷布団と組み合わせるとベストである。

ダイソンとレイコップとアレルギー

テーマ:ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
ダイソンのふとんクリーニングのCMは、完全にレイコップとの違いを表している。

わざわざするほどでもなく、こんなことは、はじめから解っていたことなのだけど、いかにヒトはメディアに踊らされるかという典型だろうね。200万台も売れたって言うから。

別にダイソンでなかっても、通常の掃除機に布団掃除用のブラシを付けて「こまめに」掃除をすれば、レイコップの倍はダストを取るだろう。吸込仕事率だけで判断するのは問題があるかもしれないが、通常の掃除機は500~600W
レイコップはHPにも表示がなくて、取扱説明書には65.1Wとあった。単純比較はできないが8~9倍違う。

もっと重要なことがあって、本当にダスト対策をちゃんとするなら、布団だけでなく部屋の隅々にいたるまで、空調のフィルターその他もろもろを含めて、きちんとこまめに掃除する必要がある。普段の掃除をズボラして、布団だけ一生懸命しても、どうなのだろうねぇ?

突き詰めていうと、ヒトは生活空間でダニやダストなどと共存してきたので、あまり目くじらをたてすぎるのもどうかと思うのだ。ダニのない状態ならアレルギーは起きないのかというと、そうでもないらしい。すでに2002年にアメリカの医学誌に、ダニ抑制寝具とそうでない寝具とでは、アレルギー・アトピー発生率になんら変化がない、という研究結果が出されている。もちろん、発生してしまえば、アレルゲンの元は出来る限り断つ必要があるが。

アレルギー対策なのか、お子さん用の布団というと、現在ほとんどがポリエステルわたの布団だ。普通にホームセンターや量販店にいってもそれしか売っていない。が、子どもの眠りにとって一番重要なのは、吸放湿性である。3歳ぐらいの子だと、基礎代謝量は大人の3倍。子どもは、一生懸命汗をかいて、ぐっすり眠って、成長ホルモン出して大きくなるのだ。汗の吸湿発散が悪いと、睡眠の質が低下し、成長ホルモンの分泌も悪くなる。
ダニを防ぐといって、ポリエステルの高密度織の掛けカバー(代表例はミクロガードだ)は吸湿力ゼロに近いので、蒸れ感が半端でない。これを堂々と西川が販売しているので、日本の寝具メーカーの現場力が知れる一例だ。(メーカー、この場合は帝人のいうままにPRしているだけ)

なので、私の店でお子さんにおすすめするベストはウールのふとん。掛ふとんだと羽毛布団でも良い。こまめに干せるのだったら、木綿わたでも良い。ウールにしても、羽毛にしても、品質が悪いとこれまたゴミの塊なので、だからちゃんと品質が良い物を選ばないといけないのである。

もちろん、一旦アレルギーが出た場合は、リヨセルわたなど、吸湿性とホコリの少なさをバランスできる素材を選ぶ必要があることはいうでもない。

Vttal Woodという名の天然素材100%マットレス

テーマ:ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
2012年1月のケルン・国際家具見本市で発表された面白いマットレスを見かけた。

VITALWOOD

「なんやこれ!」 木でできたスプリングを使ったマットレスだ。ハンガリーのメーカーVitalWoodが初めて世に問うた新製品で、この製品がその年のアワードを取ったことは後で聞いたのだけど、「天然100%で、馬毛などしっかりした素材が使われていてええやんか」というのと、当時は円高で気分がハイになっていたこともあってサンプルを注文した。使用感は非常に良かった。

翌2013年は一転円安。ハンガリーはフォリントなのと人件費が安いので、オーストリアのメーカー製よりは割安なのだけど「ちょっとなぁ」と見送り

今年1月は社長のガーバーさんと、今後の展開についていろいろと議論を重ねた。
VitalWood

寝心地も良いし、天然素材100%だし良いものだからと思い切って決断。先日本格的に入荷してきた。当面はシングルサイズのみである。同時に、オーストリアRelax社のウッドスプリング・ナチュールフレックス用に馬毛ラテックスマットレスも作ってもらった。これも非常にコストパフォーマンスが良い。

名前はオーガニックナイト2  このタイプ2はヨーロッパではFUTONタイプと呼ばれる「とじ」で仕上げるものだ。
中芯は天然ラテックス、特に腰など重量がかかるところにウッドスプリングを配し、馬毛でサンドイッチしている。馬毛は通気性が良くしっかりしたヨーロッパでは高級品。さらにウールと木綿を重ねて仕上げている。

オーガニックナイト2

ヨーロッパのマットレスは比較的にソフトなものが多い、シュララフィアやマニフレックスなど高反発系は確かに硬いのだけど、身体が跳ねるような不自然さがある。このマットレスはしっかりと硬いのだけど、ふんわりと上質に身体を受け止めてくれるところが秀逸。

おそらく東京だと50万円でも楽勝に売れるのだろうが・・・(総代理店方式にしたら、東京でなくてもそれぐらいの価格になってしまうだろう) うちは直輸入・・・快眠コストは1日70円ほどだが、いかがだろうか?

トゥルースリーパープレミアム

テーマ:ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
低反発マットレスは下火になったと思っていたが、相変わらずテレビ通販ではトゥルースリーパープレミアムの宣伝が続いている。200万枚も出荷したというから、100人に2人は寝ている計算になるのだろうが・・・、97%の満足度というアンケートの分母は相変わらず136人なので、いったいどうなっているのやら。

眠りのプロとしては一度評価してみるべし、と買ってみた。定価22,800円だが、買うルートをさがせばかなり安く買える。
到着して梱包をあけると、非常にコンパクト。圧縮されている。
トゥルースリーパー

広げると数時間ほどで元通りに回復。厚みは5㎝ほどである。しかし、ウレタンの揮発成分のニオイがきつい。
トゥルースリーパー

寝心地のファーストインプレッション
中身もだが、カバーも実に安っぽい。とりあえずかけてみて実際に寝てみた。低反発ウレタンの最大の特徴は体圧分散だから、確かに体圧は分散する。ただ、反発がないものだから寝返りは打ちにくいし、なんとなく不自然な寝心地。15,000円で販売している3㎝厚のラテックスオーバーレイマットレスと比べてみたが、こちらの方が寝心地は自然だ。

低反発ウレタンは通気性があまり良くないから、実際にはウールパッドを引く必要がある。そうすると若干ましになるが、ゆっくりと酔ったようになる反発はどうもなじめない。
ふだん、いわゆるせんべい布団といわれるような弾力性に乏しい敷きふとんに寝ている人なら、たしかに改善はしそうであるが、といってこのレベルならラテックスや高反発系ウレタンのオーバーレイマットレスの方がベターではないか。温度が低いと硬くなりやすい低反発ウレタンだが、この製品はそういうこともなく、この点は評価できる。

家へ持って帰って試してみようとは思うが、これまでの経験からいえば正直評価するに値しないレベル。もうちょっとましな品だと思っていたのだが・・・・、しまった少々高くても返品保証で買えばよかった。

何日か寝てみたら良くなるのだろうか?テストだ、やってみよう

imm cologne2014

テーマ:ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
1/15の夜遅くRomaからFrankfurtへ到着。ホテルは空港直結のHilton・・の安い方。ホテルの下にICEの駅がある。
フランクフルト

家具見本市のあるケルンまでは50分ほどで着く。ゆったりしたい時は特急ICだとライン川下りで景色が楽しめるがその余裕はない。
今年の特徴は、ベッド関連の展示スペースがほぼ倍になったということ。睡眠に関しては向こうも同様ということだろうか、いつになく多くのブース出展がされている。

コストが上がった天然ラテックスのマットレスは自然志向のメーカーに絞られ、コストの安いウレタンを色々整形したマットレス、部分的に金属コイルを使うものも最近は増えているが、おそらくウレタンの耐久性の低さをカバーするために使われるようである。

ケルン1

が、我々が目指すのは自然素材のマットレス。低・中級品には目もくれず、まずはオーストリアのRelax社へ。
RELAX

いつも担当してくれている社長の息子Helbertが工場のすぐそばにあるビール工場のビールを出してくれて、それを飲みながら商談。ラテックスチップの枕があったので、これを追加注文する。この会社はザルツブルグの近郊にあるが、何度でも行ってみたい実にいいところだ。

続いて、ハンガリーのメーカーVitalWood。木で作ったスプリングを組み合わせて自然素材100%のマットレスを作るという非常にユニークなメーカー。モノは抜群に良いんだけど、価格もそれなりにする。ユーロ高の現状では、直輸入でコストカットしても30万円ぐらいにはなってしまう。
VitalWood

この良さをどうやって日本のマーケットで知らしめていくか、社長のボロスさんとしばし会談。わかりやすい英語でありがたい。
VitalWood

お互い頑張りましょうということで、結構時間をとって話した。

Moosburger
馬毛100%のマットレスと枕を作るオーストリアのMoosburger社。このおっちゃんはフランクフルトで会ったので2度めだが、ここのマットレスはVitalWoodの更に倍の価格がするのでなかなか大変。店頭に置いているので興味のある方はぜひお試しいただきたい。自然の良さが味わえる一品でもある。

遅い昼食をケルン大聖堂前のレストランで取って、ちょっとマチを歩いてみた。
ケルン

お金を入れるとパフォーマンスしてくれる。
ICEでフランクフルトへとんぼ返り。夜20時45分のANA便で成田経由で名古屋まで。この便は午後一番に出る便と違い、夜眠れるので結構楽だ。
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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

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