今年の旅のテーマは

テーマ:よもやま話
毎年1月。第2週に開催されるフランクフルト・ハイムテキスタイル見本市と第3週に開催されるケルンimm cologne国際家具見本市の間に毎年世界遺産巡りの旅をすることにしている。

一昨年のテーマは「フランドル絵画‐フェルメールを求めて」
昨年のテーマは「イスラムの残照」 で、セビリア・コルドバの旅

そして今年は「塩野七生」
彼女の著作「海の都の物語」「ローマ人の物語」「レパントの海戦」「チェーザレボルジア~」「緋色のヴェネツィア」などがネタになる。

venezia

ヴェネツィアの政体、共和国議会・10人委員会・20人委員会など、そのしくみと歴史を見るとパラツィオ・ドュッカーレの見学も10倍ぐらいは面白いというものだ。共和国議会の大広間の隣で団体では飛ばされてしまう、レパントやダルダネスなどヴェネツィア共和国が戦って勝利を収めてきた記念の絵を見ると、彼女の著作の内容が思い出されて実に興味深い。

資源を持たず貿易立国として1000年続いたヴェネツィアの歴史は徹底した情報収集と外交術、効率性を第一とした運営システムによって保たれてきたが、、知れば知るほど現在の日本にとって教師となることは間違いないのだろう。

コルネール、フォスカリ、グリマーニ、コンタリーニ、ダンドロ等々、現在もカナルグランデ(大運河)に残る名家の館の跡を見ながら、その時代時代を一級の国として生き抜いてきたヴェネツィアのすごさを感じることとなる。

なにより、何もなかった干潟に人工的に土地を作り、建物を建ててまちづくりをしたヴェネツィア人のパワーには敬意を表さざるを得ない。今日観光都市として生き残っているこの街は水没のプレッシャーに耐えながらも、ヴェネツィア・ビエンナーレなど新しい取り組みを怠ることがない。角を曲がるごとに新しい情景を見せてくるこの街は、もう少しのんびり滞在したいものである。

今回はそういう思いもあって(本当はダニエリに泊まりたかったのだけど)スキャヴォーニ河岸ぞいのホテル、サボイア・ヨランダを選んだ。サン・ジョルジョ・マジョーレ教会を向かい側に臨み、アドリア海に繋がり、春先には多くの交易船が並んだというこの一帯は、500年前に思いを馳せることができるかと思ったからなのだ。

ほぼ2日間で、かなり歩き回ることができたと思う。通常では行かないようなところまで。ヴェネツィアの旅は終わり、永遠の都ローマへと向かうこととなる。


ヨーロッパ3日目終了

テーマ:お店の情報(イベント等)や仕事のお話
1月8日に出発して、実質的に3日が過ぎた。
最初の2日はドイツ・フランクフルトで開催されたハイムテキスタイル見本市。羽毛や生地、毛布などの仕入れが目的で、今年で15年になる。

羽毛高とユーロ高(両替ベースだと1円147円)が頭が痛い。
特に羽毛は全てに毎年クオリティが下がっており、一番肝心なところなので、深刻だ。

今年はこの春に大学卒業をする四女を卒業旅行をかねて同行。
2日間会場を歩き回って疲れているはずだが、昨日の夜にヴェネツィアについて夜遅く1時間ぐらい。さらに、今日は8時半から夜10版まで歩き回って、上の娘ならさっさと音を上げるところだが、意外に頑張る。

といっても二人とも疲労はピーク。明日はもう少しのんびりしたいところだけど、歩くか舟に乗るしか方法がないので、がんばるしかない。

おやすみなさい

元旦にまちづくり論議

テーマ:まちづくり
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

さて、元旦の朝。大通寺へお参りに行きますと、ご本堂がシャットアウト。上がれませんがな。
50年近くお参りしていますが、始めてかなぁ。残念。大通寺さん、しっかりしてや。

さて、今11時前。BBCの滋賀経済Nowではまちづくり番組で長浜まちづくり会社の吉井さんが熱弁中。

で、考えた。長浜中心部のまちづくりってなんだろうと。
出世まつり、きもの園遊会、アートインナガハマ、3つの大河ドラマ博覧会、そして黒壁。この30年の取組は概ね成功だったといえるだろう。これが30年続く保証はない。これまでの結果に対して、国内から高い評価をいただいてはいるが、商店街も黒壁も瀬戸際にあることは間違いない。

1980年半ばから全国的に進んだ、大型店の郊外への大規模出店。商業の中心は市街地から郊外へ、商店街から大型モールへ移っていった。それに対し、地域の「お買場」としての長浜は黒壁+大河ドラマ博覧会によって交流人口を増やし、まちづくりの先進事例といわれる。

しかしながら、現在商店街が抱えるこれから10年の最大の課題は後継者問題である。確かに空き店舗は少ない。いくらにぎわいがあっても、空き店舗が少なくても、町衆が育っていかなければ、曳山祭の継続もおぼつかない。これが長浜の現状でもある。

どうするのか? 前から言い続けていることでもあるけど

まちづくりの目標を、商店街のミッションを「長浜曳山祭の継承」にすることだという共通の認識を持ちたい。
それが長浜のアイデンティティを守る、保つことにつながるのだと。
必要なのは、未来を担う町衆としての人材と、祭を支えることのできる経済力である。

具体的には?
まず、このミッションを共有化すること
次に、伝統的に続く家業のリノベーション
そして、新しい家業の受け入れ

曳山祭は イエ・ミセ・マチが連携する極致のようなものだ。それを継承していくためにも。子どもが誇りを継承していく家業を作り出すことが商店街の役割であり、新しい家業(町衆として期待される起業者)を受け入れ育成するのがまちづくり会社の役割といえるのではないか。

極論をいえば、目標が実現できるのであれば、黒壁の存続はどうでもいいことかもしれない。が、今現在は、黒壁抜きにしてまちなかを語れないのも事実だ。

上記の番組で滋賀銀行の大道頭取が最後に「住んでいる人が住みやすいまちづくりを」とおっしゃっておられたが、「住みごたえのあるまちづくり」を長浜はやってみたいものである。



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副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

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