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旅日記その8 最終日

テーマ:まちづくり
22日、最終日は 東京でHA2という企画やデザインを行っている会社の森本さん、アバンアソシエイツという企画コンサルティングをしている会社の野口さん。お二人とも藻谷さんのお仲間ですが、一緒に合流して5人でシンガポールの街歩きです。

最初に行ったのはフラナガン博物館。歴史の浅いシンガポールですが、中国人の男性とマレー人の女性が結婚して生れたのがフラナガン文化。
この美術館はデザイナーが良いのか、本当に良くできた内容の濃い美術館で、展示品のレベルも高く、シンガポールへ行ったら必ず行くべしという場所でしょう。

ちなみに「地球の歩き方」は27年前にヨーロッパを始めて旅した時に「1日4,000円でヨーロッパを回る本」と一緒に以降海外旅行のバイブルとしているのですが、最近の内容には?が少なくありません。一番止めて欲しいのは地図の中でマクドナルドをレストラン表示すること。どういう神経かと思います。
今回のフラナガン博物館も内容に比して、説明が小さすぎ。シンガポール文化の根幹みたいなところなので、もう少し整理して突っ込んだ構成が欲しいですね。

ずいぶん満足して、これも地球の歩き方に載っていないフラナガン住宅の最も美しいと言われるストリートを通って、これも載っていないアンシャンロードのおしゃれなショップ群と街並みを見ながら、チャイナタウンへ。このあたり地元にいらっしゃるだけあって藻谷さんは非常に詳しい。

今日のテーマはまちづくりなので、開発の仕方についての話をしながらです。
かつてチャイナタウンでは昔からの住宅をすっきりつぶして、その後に高層ビルを建てるという方式でしたが、途中で古くからの良き街並みをかたっぱしから壊していることに気がついて、そういう配慮をした開発へと変わっていった形跡を辿りました。

何度も同じような話になりますが、街を生き返らせるのは、ヒューマンスケールの街並みとキラリと光る店ぞろえなのでしょう。

その後はシンガポール市内を一望できる山をトレイル。結局今日一日で2万歩を超えました。
ガイドブックには決して載らないスポットを巡っていただいた藻谷さんに感謝。

最後は、これも秘蔵のニョニャ料理のお店で絶妙のチキンライス等々。

藻谷さん、森本さん、野口さんは復刻した萩ガラスに関して様々な企画イベントを行っておられます。長浜のお江の話と絡めて黒壁ガラスとの仕掛けができそうな感じです。長浜へお越しいただけるようにお願い。面白くなりそうです。

夜11時に空港へ。24時間空港であるチャンギエアポートは、この時間でも人で一杯です。
翌8時過ぎに関空へ

ウェットな冷気が身体を突き刺します。ともあれ長い旅も無事終わりを迎えたのです。



旅日記その7 何をどうめざすのか

テーマ:まちづくり
シンガポールはほぼ琵琶湖と同じ面積に人口500万人。ということは新長浜市の方が広い。

もともと何もなかった場所にイギリス人、そして中国人、マレー人などが入植して出来上がった歴史の浅い国ですが、金融と物流の拠点として1人あたりのGDPは日本をしのぎ、かつ物価は約2/3という豊かな地域。

今日は朝から、オーチャード通りを中心にショッピングセンターを10カ所以上まわりました。
まぁ、これだけある!というぐらいにショッピングセンターが多いところです。目抜き通りと呼ばれるオーチャード通りも店舗が並んでいるというよりは、ショッピングセンターが並んでいるという状態。東京の銀座でいえば1丁目から9丁目まで、三越や松屋を1.5~3倍にしたものがずらっと並んでいるという感じです。

新しいショッピングセンターは例によってルイヴィトン、グッチ、プラダといったおきまりの高級ブランドショップで占められているので、オーチャード通りだけでヴィトンはいったい何店舗あるのという感じ。
また、ユニクロ、GAP、H&Mなどのファストファッション系も元気です。

オーバーストアではないのか、と思えるぐらいに店舗が多く、当然新しいショッピングセンターでもダメなところはダメ、と勝ち負けが出てきています。

おそらく日本と決定的に違うのは、ショップがファッションと飲食に偏っているということでしょうか。ライフスタイル系と呼ばれるインテリア・生活雑貨の店が非常に少ない。このあたりは20年ぐらい違う感じでしょう。もう一つはファッションも欧米系の導入がほとんどで、地元のオリジナリティ+感性が高いものがあまりみられません。

一方、いかにもアジア的な小さな店がぎっしり詰まったところもありますが、こちらも感性0でチープという店の連続で雑多さは面白いものの、ただそれだけ。

そんな中で、感度を上げていけば面白いだろうな、と思ったのはリトルインディア、アラブストリートなどの昔ながらの店が軒を連ねる界隈です。大規模な開発ではなく、一つ一つの店の特徴を出していけば、もともとのそれぞれの文化をベースにしているだけ合って面白いと感じました。

ということでお気に入りは一番有名なラッフルズ・ホテルにあるアーケードです。一つ一つの店は大きくなく、それでいて高級感とホテルの持っているコロニアルな開放感がうまくマッチしているように感じました。

夜は日本投資政策銀行の藻谷さんと、今日合流した上田君と3人で会食。
高齢化社会は日本以上にシンガポール、中国、台湾、韓国などでも劇的に進むということと、その上でものづくりの技術を持っている日本は捨てたものではないということ、しかし、景気を転換するには高齢者に偏っている金融資産をできるだけ若い世代に移し、その世代の収入アップを通じて内需を増やすこと というお話。

今日の結論。長浜では小規模でクリエイティブな店を作る+増やす ということ。
いくら人気があるから、集客力があるからといって、まちなかに高級ブランドやユニクロやマクドナルドを持ってきてもしょうがないでしょう。

ところで、シンガポールはこんなに日本料理店が多いんでしょうね。すし屋は当たり前で、鉄板焼きやトンカツとかそばとかいろいろ。全部地元の人が行っているみたい。


旅日記その6 夜行列車

テーマ:よもやま話
次の日は雪もお休み。なんとかプラハ城へ上がってきました。下りてきてカレル橋へも。

プラハ城

中世そのままの風情があって良い街です。
ただ、観光が最もメインなのでしょうけど、みやげもの屋の多さには閉口します。ボヘミアクリスタル、カットガラスで有名なのでガラスが多いですね。なんか黒壁を彷彿させられます。
長浜でも分類すると良いのでしょうが

1.いかにも観光客向けのお土産物屋(Tシャツやキーホルダー、土産用食品等々)
2.ちょっとグレードの高い、見せるお土産物屋
3.アートごころあふれる、見て楽しいお店。
4.大きな観光地に必ずあるブランドショップ

プラハでも1が多いです。が、最初から入る気にはなれません。2.はちょっと入ってみようかとなりますが、結局お土産を買うのは3でしょう。
今回は木の削り端などの自然素材を使ったミニ人形の店が一押し。

でも、ベネチアとかプラハは男の一人旅はつらいなぁ~

翌日はヨーロッパ最終日でケルンでimm Cologne 国際家具見本市。
夜18:30にプラハ駅を出発するCNLと呼ばれる夜行列車です。25歳の時の夜行列車はクシェットという寝台でしたが、今回は荷物の整理もあるので個室コンパートメントで、専用のシャワーとトイレが付いてます。もっともシャワーはさすがに湯量が少なくて、せいぜいウォッシュレットがわりです。

CNL寝台車

寝心地は悪くない・・・ことない。朝起きると背中じゅうが痛い。朝食がちゃんとついてます。ついのんびりしていて、乗り過ごししそうに。
ケルンはこれで4年連続です。快適な睡眠のためにはベッド・マットレスのセレクションが欠かせません。ハイムテキスタイルにはあまり出てこないので、ケルンの9番ホールを見に行きます。といっても、やっぱりカッコ良いのでカッシーナの家具とかも見に行ってしまいますね。

ハイムテキスタイルもそうですが、エコロジーというのは完全に大きなトレンドとなりました。ただ、素朴なナチュラル感というより、モダンをエコロジーやナチュラル素材で表現するのが増えています。

これも広いケルンの見本市会場をそれでも半分ぐらい歩き回って、ICEでフランクフルトの空港へ
展示会へ行くとカタログが増えて、この重さがばかになりません。15kg近くになります。ケルンではギリシアのCOCO-MATというメーカーの担当のお姉さんが日本びいきで、やけに厚いスペシャル版のカタログをくれたりして・・・
空港でスーツケースを広げて、再整理です。もちろん、スーツケースには入れられないので別の大きなカバンに入れて手荷物で持ち込みます。パソコンやなんやかんやでこちらも20kg近いずっしりの手応え、肩に食い込むのをなだめて機内へ。

22:00発のシンガポール行き。11時間半のフライトです。
さすがにきついなぁ

旅日記その5 プラハの冬

テーマ:よもやま話
ピルゼナーというとビールの代表格ですが、羽毛にもピルゼナーという非常に品質の良いチェコ産の羽毛があります。ところが国内ではほとんどお目にかかれない状態です。カウフマン社にもあるのですけど、あまりコストパフォーマンスが宜しくない。

ベルリンからプラハまでは国際特急で5時間。車窓は吹雪が続いています。今回はユーレイルパスでの移動なので、今日はコンパートメントを独占状態。
真っ白な車窓を見ながら、コンパートメントに1人ウィンダムヒルのアコースティックな音楽を聴いていると、思わず旅路・・・という感じではありますが、BSテレビでやっている欧州列車紀行のような美しさはありません。

プラハに午後1時に着きました。雪・雪・雪。ベルリンから南のせいなのか寒さはそれほど感じませんが、その分下はぐちゃぐちゃ。正月の長浜市内状態です。

いくら街並みの良いところだといっても、これではなんともしょうがありません。
それでも旧市街の広場には日曜のせいか屋台が沢山出てイベントらしきものをやっています。みんな雪の中で平気で飲み食いしています。私も屋台の串焼きとホットワインで昼食代わり。ホットワインに雪が入りますが、おかまいなし。今回のお昼はほとんど屋台。

ミュシャ美術館に行ってきました。ここは値打ちです。

明日に期待(できるかなぁ)

旅日記その4 クリエイティブであること

テーマ:まちづくり
毎日朝から晩まで歩いているのを4日も続けると、さすがちょっとえらい。

今日は朝一番でバスに乗って、連邦議事堂(国会議事堂)へ。ベルリンの市内の幹線を走る100系統と200系統は2階建てなので2階の一番前に座るとなかなか気持ちが良い。このバスはウンターデンリンデンと呼ばれる大通りを通るが、なんか森鴎外的な気分。といっても外は身が切れるほどの寒さだ。

古くて新しいベルリンを象徴するのが連邦議事堂だろうか
外側は重厚でクラシックな外観だが、
ベルリン連邦議事堂
中は完全にモダン。中央のクーポラ(ドーム屋根)はガラスで、見学者は上へ上がることが出来、その上からは議事堂の座席を見ることができる。
連邦議事堂クーポラ

ポツダム広場のドイツ鉄道のビルのように、オールガラスだけのもあるが、ベルリンは第2次世界大戦で徹底的に破壊されたあと東西分断されていたので、首都になってから開発が進んだために、街並みもかつての風情は残しつつも新しい。
DBbahn


ショッピングゾーンもバラエティーに富んでいる。午後はそういったゾーンをいくつか回った。
面白かったのは、ハッケシャー・ホッフと呼ばれるゾーン。古いアパートの中庭を繋げて回廊を造るという手法は、一つのブロックの内側をショッピングゾーン化して、その中には個性的な店が入っている。迷路的なのでよけいに面白い。長浜だと感響フリーマーケットガーデンがそれに近いけれど、イメージとしては取り壊される前の東京・青山の同潤会(漢字が怪しい)アパートを彷彿とさせる。

対照的なのはスティルヴェルクというショッピングモール。ファッション関係は一つもなく、全てリビング・ホームファッションに限定されている。イメージは東京ミッドタウン+新宿のリビングデザインセンターに限りなく近い。リビングファッションとなると、なぜかかっこいいベッドはあるけれども、そこに良質な睡眠を取るという提案はほとんど無いのが残念だ。インテリア好きにはたまらないだろう。

家賃も高そうでベルリンなら成り立つということなのだろう(東京と同様に)が、面白みには欠ける。ハッケシャーホッフは個人のクリエーター的な店も多いので、多様性という面からもこちらの方が断然面白い。

このことは、長浜のまちづくりにも大きな示唆がある。すなわち、1.個人の、2.クリエィティブな 店をどれだけ集めるかにかかっているし、既存の店は個人のはほとんどクリアしているので、クリエィティブな店へどう生まれ変わるかということになるのだと思う。

そう、クリエイティブであるという視点を少なからず失っていたようだ。先般のアーバングラスコンペティションにワクワクしたのは、その点だろう。
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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

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