ハイムテキスタイル2010レポート

テーマ:お店の情報(イベント等)や仕事のお話
ハイムテキスタイルとはホームテキスタイルのことで、ドイツ・フランクフルトで開催される世界最大級のインテリアと寝具の見本市だ。

2010年のメインカラーは紫・ヴァイオレット色と草色。少し前まで中心だったテラコッタ系の赤に比べると、落ち着いたというかシックな色づかいで、特に会場には紫系が目に付いた。(もっとも日本では高貴とされるこの色はほとんど売れないが・・・)

今回は丸二日取っていて、あらかじめ予定されていた商談もそれほど多くはないので、インテリアも含め会場を二回りしてみた。なんせ広いのでタフな仕事ではある。

感想を一言で言うと「Shade of China(中国の影)」とでもいえるだろうか。それは世界の工場としてだけではなく、新しいマーケットとしての中国の存在が年毎ごとに増えているということでもある。中国だけではないインドもそうだ。

ハイムテキスタイルには多くのアジアのメーカーが出展しているが、久しぶりにじっくり見たアジアのメーカーのレベル向上に驚いた。かつてはいかにも安く作りますよ的な展示が多かったが、デザイン・プレゼンテーションなどトレンドを形にしていく編集能力が格段に上がっている。ヨーロッパのトップクラスにはまだまだ及ばないが、中級クラスなら遜色ないレベルの企業がかなり増えた。

ヨーロッパではエコテックス100規格という、繊維の安全性の規格を取るのが当たり前になっている。中国やインドの企業においても、これらの取得を当然のようにとってくるメーカーが少なくない。実は日本ではまだまだなのである。

会場を見渡しても東洋人が多い。特に中国、ブースを見ていると「ニイハオ」と声をかけられる始末。日本からは旭化成や羽毛生地メーカーの蔭山が出店してはいるものの影が薄い。

もっとも、レベルが上がったといっても、中国やインドの企業から買うものはほとんどない。やはり本当に良いものはヨーロッパのメーカーの独壇場である。これはやはり文化というべきで、10年20年で追いつけるものでもない。

会場のフォーラム0で毎年行われるトレンド2010/2010は12月に東京で行われたインテリア・ライフスタイルショーで部分的にお披露目されていたが、実物は毎年さすがと思わせるプレゼンテーションだ。テーマは「UNI[RE]VERSE」で地球環境という要素がインテリアトレンドにも大きく影響している。

オーガニックコットンなどの環境負荷の少ない素材が地味に増えている。今までだと生成やカラードコットンなどの素材色をそのまま出したものが多いのだけど、プリントものでもずいぶんと増えた。いわば普段着のオーガニックというスタイルといえる。

今年は羽毛は全体的に不調。カウフマン社は、昨年に引き続きスーパーマズーリアンは手に入れたが、ブランブランシルバーが無くなっている。非常にコストパフォーマンスの高い羽毛だったが、先行き心配だ。

一昨年から導入を始めたIBENAの毛布は、オーガニックコットンの種類が増え、デザインも斬新なものが出てきた。こちらはこの秋の導入をお楽しみに。



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