一番悲惨な寝具を使う世代

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
今現在の日本で最も悲惨な(というかプアーな)寝具を使っているのは誰だろうか?

それは一番育ち盛りの3~18歳の子どもである。
なぜか?
それは、どうせ子どもだから、とかすぐ汚れるからとかいう理由で安直な寝具を選ぶ人が多いからだ。
もちろん、この世代の子どもをもつ家族は、なかなか寝具まではね・・・というのも判るのだが、一番の成長期、いわば大切な時期に成長に大きく関わる睡眠には、それなりの配慮をしていただきたいと思う。

一番の問題は成長ホルモンだ。成長ホルモンは最初のノンレム睡眠時に多量の発汗とともに分泌される。子どもには、この汗を素早く吸って発散させるしくみが必要不可欠なのである。
ところが・・・丸洗いできる、ホコリが出にくいなどの点から、ポリエステル100%わたの寝具を使う人が少なくない。中には吸汗性と書かれてたりするが、長時間のテストならある一定の効果があるものの、短時間で急激に変化する湿度にはほとんどが対応できない。

最近は布団を干さない家族が増えてきたのも問題で、汗をかいているのだからできるだけ頻繁に干してもらいたい。特に昨今の家は機密度が高いので、湿気がこもりやすく、カビの原因にもなりやすい。外に干すとアレルゲンが心配になる方は、ふとん乾燥機でもかまわない。

睡眠が不十分だと、成績にも影響してくる。塾も大切かもしれないが、規則正しい生活リズムと質の良い睡眠は脳の記憶メカニズムには大切だ。夜更かしをする子ほど、成績が悪いと言うことは統計的に証明されている。

加えて、睡眠不足の子どもたちはイライラ感が強く、キレやすい。

かつて、子どもたちの布団は汗をよく吸う木綿わたの布団ばかりだった。日干しでふかふかになった布団は、とっても気持ちの良いものだった。

睡眠を投資と考えていただくならば、誰に投資すればいいかは自明のような気がするのだが。

0歳-3歳-10歳-18歳-30歳-45歳-60歳-75歳

これが、一生の中で寝具を新しくする節目とすると、みなさんはどうだろうか?
この中で一番手を抜いていいのは18歳からで、それは無理がきくからだ。
その反対に一番大切なのは3歳からと45歳からだ。
3歳からは成長時期であるのでいうまでもない。45歳からは身体の不調がでやすいが、まだまだ自覚症状は少ない。しかし、将来の健康維持を考えたら手を抜いてはいけない時期なのである。

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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

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