ちょっと待って
自衛隊の田母神氏(珍しい名前ですね)の論文により、氏が更迭されたことに対して反論を唱えている人が何人かおられます。本日朝の時事放談で塩川氏と武村氏は田母神氏の論文に対し怒っていました。塩川氏は満州事変のニュースを少年時代に体験して感じたことをあげ、二人とも「あの体験を反省して日本の今日の繁栄を作り上げた。犠牲になった方たちに申し訳ない。」と言っていました。
昼休みにちょうど「たかじんのここまで言って委員会」でもそれを言う人達がいました。「自虐的な歴史観はだめだけれども、かといって正当化するのはおかしい。」というものでした。
私も、田母神氏の論文を読んでみました。確かに懸賞で300万円もらったそうですが、わかりやすく一気に読んでしまいまして、なるほどと思わせるものでした。
しかし、「相手の国の了承を得た。」とか「日本はまだ軍紀がしっかりしていたほうだ。」というのは誤解を受けても仕方ないと考えます。
確かに歴史では日本の侵略という風にとることがあります。日華事変の元になった盧溝橋事件は蒋介石の策略などありましたが、確かにそれの方が正しいかと思います。また、戦争の犠牲無くしてアジアの独立はなかったと言いますが、確かにこの戦争からアジアの独立が始まったと言えます。
私は、それらを認めても日本の戦争責任は免れないと思います。ただ「勝てば官軍」で東京裁判(今、日経新聞で連載されています。)では東條英機などの日本の指導者が処罰されたということで、インドのパール判事(「日本無罪論」)など正しい裁判をしたのはごく一部でありました。
私は、中学時代、花岡先生が言われた「第2次世界大戦は植民地の奪い合い」というのが正しいと思います。第1次大戦は帝国主義の世界で英仏に植民地の収奪に遅れたドイツが世界の再分割のために起こったものですし、第2次大戦はヨーロッパではドイツ、アジアでは日本が世界恐慌から疲弊した国を打開するためにそれまで、先に利権を得ていた米・英・仏・蘭との対立が元であると考えます。だから日本だけが悪くは無いのであります。
あまり、長くなるといけませんが、明治時代に日清・日露両方の戦争がありました。これらは当事国の国土は何の被害もありません。日清戦争は朝鮮が舞台で日本、中国(清)とも戦場にはなってはいません。日露も朝鮮と満州が舞台でつまり当事国同士の取り合いになったところが荒らされたのです。
確かに、日本が侵略で無茶苦茶したと自虐的になることはありません。しかし、戦争で他の国に迷惑をかけたことは忘れてはなりません。我々は、この貴重な体験を伝えていく、そして、自虐的ではなく「平和国家日本」として毅然とした態度で世界平和に貢献していくべきでありましょう。
パール判事の国、インドが「非暴力、不服従」で貫いたマハトマ(偉大なる魂)ガンジーのように。とにかく「国を護る」と言う美名の元で軍を正当化するのはいけないと思います。