河田フェザーさん工場訪問
テーマ:羽毛ふとんのお話
2011/08/02 21:54
私の店の羽毛ふとんに使われている原毛は、スリープウェル・カウフマン社と河田フェザーさんのを使っている。
河田フェザーは日本の羽毛原料の草分け的存在だ。現在JIS規格などで定められている羽毛の性能評価についても、その評価方法に大きなかかわりを持ってきた会社であり、日本の羽毛業界でも「河田さんなら間違いない」といわれるほど、安定した高品質の羽毛を提供されている会社である。
今日はスタッフ全員を連れて工場見学。新しいスタッフにとっては初めての経験だし、私にとっては、最新の情報を得る場でもある。
工場設備は日本でもトップ。原料の確保から、輸入、洗浄、乾燥、除塵、選別工程に至るまで、一貫して高品質の羽毛を提供するというポリシーに支えられている。長年のお付き合いだが、正直な会社なので安心して仕入れができる。
ただ、今日聞いた情報はかなりショックだった。
一昨年来から、羽毛のプラッキングに関して動物愛護団体がやり玉にあげて、やらせのようなTV番組も含めヨーロッパ中でバッシングを行っている。
プラッキングとは、生え替わり寸前の鳥から手で羽毛を採取することをいう。ハンドピックとも呼ばれる。機械で採るのに比べ、ホコリや未成熟ダウンが少なく良質の羽毛が採取できる。ところが、反捕鯨団体と構図は同じなのだが、これが動物虐待だといって反プラッキングのキャンペーンがヨーロッパを席巻した。
その結果どうなったかというと、ハンドプラッキングが行われないようになってしまったのである。さらに、良質のものは、25週間ほど飼育して、3回目の秋摘みと呼ばれるものから得られるのだが、飼育日数が15週間程度まで短くなってしまった。さらに、これらのキャンペーンの影響もあって、農家のモチベーションが低下し飼育数が激減しているとのことである。ハンガリーといえば羽毛大国であるが、ハンガリーの飼育数は1/10まで激減したという。しかも良質のものが非常に得られにくくなっている状況だ。羽毛原料の崩壊と云ってもいいかもしれない。
今年の一月にドイツで羽毛の産地偽装が話題になっていたが、これもハンガリーなどから原料の手当ができないために、ルーマニアやウクライナ産の原料をハンガリーに輸入して、ハンガリー産と表示したということなのだろう。
はっきりしたのは、良い原料が非常にタイトになってきている、ということと、当然価格が上がっているということだ。さらに最大の産出国中国での羽毛ふとん需要が非常に増えていて、毎年倍々ほど増えているという。原料確保はさらにタイトになってしまう。
また、現地での原料確保が難しくなっているために、従来は区別がしっかりしていた、グース羽毛へのダック羽毛の混入が増えている。ヨーロッパでグース表示はダック30%まで、ピュアグースはダック10%の混入までが認められているために、ダック混入率の高い羽毛が増えているそうだ。(ちなみに河田さんは5%混入まで、上質のものは混入なし(=微少)である)
我が社とすれば、原料の品質確保は生命線なので、「とにかく、良いレベルの原料を確保してください。」とお願いした。ただ現在、河田さんの原料買い付けレベルでハンガリー産などは50%近くもアップしているということなので、今たちまちの値上げ云々は別にしても、中長期的にみれば原料高騰は覚悟しなければならない状況だ。
頭痛いなぁ・・・。
河田フェザーは日本の羽毛原料の草分け的存在だ。現在JIS規格などで定められている羽毛の性能評価についても、その評価方法に大きなかかわりを持ってきた会社であり、日本の羽毛業界でも「河田さんなら間違いない」といわれるほど、安定した高品質の羽毛を提供されている会社である。
今日はスタッフ全員を連れて工場見学。新しいスタッフにとっては初めての経験だし、私にとっては、最新の情報を得る場でもある。
工場設備は日本でもトップ。原料の確保から、輸入、洗浄、乾燥、除塵、選別工程に至るまで、一貫して高品質の羽毛を提供するというポリシーに支えられている。長年のお付き合いだが、正直な会社なので安心して仕入れができる。
ただ、今日聞いた情報はかなりショックだった。
一昨年来から、羽毛のプラッキングに関して動物愛護団体がやり玉にあげて、やらせのようなTV番組も含めヨーロッパ中でバッシングを行っている。
プラッキングとは、生え替わり寸前の鳥から手で羽毛を採取することをいう。ハンドピックとも呼ばれる。機械で採るのに比べ、ホコリや未成熟ダウンが少なく良質の羽毛が採取できる。ところが、反捕鯨団体と構図は同じなのだが、これが動物虐待だといって反プラッキングのキャンペーンがヨーロッパを席巻した。
その結果どうなったかというと、ハンドプラッキングが行われないようになってしまったのである。さらに、良質のものは、25週間ほど飼育して、3回目の秋摘みと呼ばれるものから得られるのだが、飼育日数が15週間程度まで短くなってしまった。さらに、これらのキャンペーンの影響もあって、農家のモチベーションが低下し飼育数が激減しているとのことである。ハンガリーといえば羽毛大国であるが、ハンガリーの飼育数は1/10まで激減したという。しかも良質のものが非常に得られにくくなっている状況だ。羽毛原料の崩壊と云ってもいいかもしれない。
今年の一月にドイツで羽毛の産地偽装が話題になっていたが、これもハンガリーなどから原料の手当ができないために、ルーマニアやウクライナ産の原料をハンガリーに輸入して、ハンガリー産と表示したということなのだろう。
はっきりしたのは、良い原料が非常にタイトになってきている、ということと、当然価格が上がっているということだ。さらに最大の産出国中国での羽毛ふとん需要が非常に増えていて、毎年倍々ほど増えているという。原料確保はさらにタイトになってしまう。
また、現地での原料確保が難しくなっているために、従来は区別がしっかりしていた、グース羽毛へのダック羽毛の混入が増えている。ヨーロッパでグース表示はダック30%まで、ピュアグースはダック10%の混入までが認められているために、ダック混入率の高い羽毛が増えているそうだ。(ちなみに河田さんは5%混入まで、上質のものは混入なし(=微少)である)
我が社とすれば、原料の品質確保は生命線なので、「とにかく、良いレベルの原料を確保してください。」とお願いした。ただ現在、河田さんの原料買い付けレベルでハンガリー産などは50%近くもアップしているということなので、今たちまちの値上げ云々は別にしても、中長期的にみれば原料高騰は覚悟しなければならない状況だ。
頭痛いなぁ・・・。