日本人よ
私は産経新聞に毎月初め執筆される、石原慎太郎氏の「日本人よ」を楽しみにしています。今日(7日)「歴史の転機になり得るか」のテーマで執筆されていました。要点のみ記してみます。
“今回の総選挙の結果を見て、何か空恐ろしい思いを禁じ得なかった。その直前に行われた都議会議員の選挙にも既にその兆候が露骨に現れていたが、総選挙の結果はそれをさらに拡大したものとなった。
都議会議員選挙では乱立を恐れて未公認だった多くの民主党系候補がわずか3日前に公認され総べて当選を果たした。・・・・、あの結果を眺めて改めて日本人の本質的な性情(気だて)について考えさせられた。
日本人は事に関する空気にいかにも弱い。つまりその場の空気が作り出す風に容易に吹き飛ばされてしまう、個々の自我の希薄さ故にだろう。
しかしまた、こうした劇的な反転がなければ、日本の政治の本質は変わらないのかも知れない。
それにしても今行われている小選挙区制度というものは弊害が多すぎる。・・・・・、国民が前述したような性情のこの国にあっては、現行の選挙制度は結果の振幅が大きすぎ結果として行政のロスが多すぎることになりかねない。・・・、今の選挙制度では政治家が日頃選挙に気を取られ大きな発想を行う余裕があり得ない。
総選挙という国家の命運を決める重大事が、メディアなどが作るヒステリックな風に吹き飛ばされず、幅の広い討論を持たすことで国民が冷静な判断と選択が行えるように、国会議員の数も減らして、例えば全国で定員二人の中間選挙区に改良されるべきだと思われる。
いずれにせよ今回の選挙の結果を踏まえて、官僚支配の下ではなし得なかった国家の大計が編み出され、実現されていくことで国民の不安不満が払拭され、国民の一人一人が国家としての強い意志に自らの人生をゆだねられるような政治が到来することを願わざるを得ない。”と結んでいる。