アイダーダウン羽毛ふとんのリフォーム

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
ミュンヘンやフランクフルトに店舗を持つドイツで一番の高級寝装店BettenRid(日本で云えば日本橋西川や心斎橋西川-いずれも西川の直営店 になるんでしょうね)。フランクフルトの店の2階には当店と同じLorch社の羽毛リフレッシュマシーンが置いています。
そんなことから、東京のお客様から「BettenRidで買った羽毛ふとんなんですが、リフォームをお願いします」とメールをいただきました。今までもドイツ製羽毛ふとんのリフォームのご注文はけっこうありましたので、その経験から「いいですよ、金額はこれぐらいの生地を使って、足し羽毛をして×××ぐらいです。お送りいただけますか」とお返事。ドイツはサイズが135×200、155×200、155×220で、ほとんどが135×200です。あの大きなゲルマン人が小さなサイズで済むのも、部屋が暖かいからなのですが、サイズをチェックすれば、後はいつも通りと簡単に考えていました。

ところが、送られてきた羽毛ふとんを見てびっくり!アイダーダウンではありませんか・・。このような超高級品では単純に足し羽毛をして、というわけにはいきません。そこで、中央部をアイダーダウンにして、外側を通常のダウンを入れるというご提案をさせていただき、何回かメールのやりとりの結果、アイダーダウンを足して、ちょっと厚めにしてほしいとのご要望になりました。
長期間お使いになっていたために、生地も中の羽毛も相当弱っている状態でした。中から取りだして、まず洗浄・乾燥です(リフォームの場合は洗浄1回、すすぎ2回)。すると、さすがはアイダーダウン、ちゃんと絡みが戻ります。下は乾燥後の状態です。通常は空気で飛ばして不要のゴミを取り除くのですが、アイダーは絡みが強くそれができないために、この状態で袋へ入れます。

アイダー洗浄後


側はアイダーダウンの良さを生かすために、オーストリアHefel社製のバティスト生地を使いました。日本の生地より通気性が良いので、羽毛の良さを生かすことができます。

今回は5×6マス仕立て。リフォーム前が5×8マスで約4cmマチでしたが、7cmマチに変更したのでふっくらと仕上がります。まず周辺部から、リフレッシュした羽毛を入れていきます。リフレッシュ後にも結構羽毛にゴミが絡まっているので、それを取り除きながら計量、一マスずつ充填します。アイダーダウンは絡みが強いため、ゴミを取り除く作業がなかなかやっかいです。

アイダーゴミ選別


足し羽毛となる新しいアイダーダウンは河田フェザー製ですが、さすが日本で一番の原料屋さんだけあって、絡みも嵩も十分です。これは襟元と身体のあたる中央部に入れて出来上がり。通常の羽毛ふとんだと1枚10~20分で仕上がりますが、今回は1枚あたり2時間半、結構根をつめた作業となりました。

早速東京へ送らせていただいたところ、「イメージ通り」と喜んでいただきましたので一安心。

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