せんべい座布団枕について

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
テレビに出て話題の「せんべい座布団枕」の山田さんが書かれた本を買ってきました。
「枕革命・ひと晩で体が変わる」

整形外科医をされているということもあって、現場に即した良い内容ですね。特に寝返りと熟睡の問題は参考になりました。

ただ、前にも書いたんですが、止めて欲しいのは「せんべい座布団」を利用するということです。
なぜかって?それは座布団わたは落綿が非常に多いからなんですよ。落綿とは紡績の過程で糸になれなかった繊維の短いわたのことです。
木綿わたA
これは、私の店で使っている敷ふとんをカットしてたものです(正確に言うと8年間お客様が使われて引き取ってきたものをカットしたもの)。8年間使われても中わたは非常にきれいです。

それでは
木綿わたC
こちらは、同じお客様からお引き取りした某通販メーカーが販売していた、ジュニア用敷ふとんのわたです。ゴミが多いのがわかりますが、これは落綿が多いためです。ふとん屋の誇りにかけて云わせていただくなら、こんなレベルの低い綿を大切な子どもさんの敷ふとんに使うなんて外道です!。 通常ふとんわたの場合は1貫目(3.75kg)6,000~7,500円のわたを使いますが、座布団の場合は2,500~3,500円のものがほとんど、安いのは2,000円以下です。(写真の綿?2,000円が良いところ・・・)

すなわち、座布団に使っているわたはホコリが非常に多いのです。それを顔に近いところで使うという行為は、整形外科ならOKなのかもしれませんが、ふとん屋にとっては耐え難い・・・

とはいえ、考え方は共感できますので、早速最上級のわたで作ってみることにします。工場が今日から休みなのでお盆明けとなりますが・・・、中わたには固めでしっかりした、最高級の敷用ふとんわた、インド/アッサムハンドジンを使ってみましょう。

あと気になったのは、敷ふとんへの言及が少なかったことでしょう。本の中でも「本来枕とマットは同時購入が理想です」と書かれていますが、たぶんマットレスの変数条件があまりにも多く、マットの性能まで言及することが難しかったのでしょう。マットの基本は寝姿勢の保持+体圧分散+寝返りしやすさ だと思います。
特に側臥位の場合はマットの性能の差が出やすいので、もうちょっと突っ込んで欲しかったな・・・

たしかに敷(マット)と枕の関係はやっかいです。残念ながら明快な答えは出ていません。「先生」と呼ばれる人によって見解が全く違うことも少なくありません。大切なことは自分で納得いくまで試してみること。

私たちはそのためのサポートをしていきたいと思っています。

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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

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