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500ユーロにつられて・・・

テーマ:よもやま話
1月14日は朝一番からフランクフルト・メッセ会場のハイムテキスタイル見本市へ入った。最近はオンラインで予約して、ダウンロードしたPDFを印刷しておしまいなので、入り口でそのカードをスキャナにかけるだけである。

日本では考えられないが、ヨーロッパの展示会はほとんど入場料が必要だ。それも人気のある展示会ほど高ビーになる。ハイムテキスタイルは1日券がオンラインで25ユーロ。通し券は49ユーロ。パリのメゾンオブジェは通しで56ユーロだ。今でこそ1ユーロ112円ぐらいだが、1ユーロ160円した時代は結構ばかにならない。
必ず買うのが2011/2012のトレンドブックで、これが50ユーロ。今年は友人に依頼されたので2つ買う。

1月14日は展示会を見た後に、夜9時の便でバルセロナへ飛ぶ予定であった。展示会もいろいろ話をしていると時間一杯になり、市内へ移動して薄着を買い、7時半過ぎに空港へ。食事を取る間もない。すると、チェックインカウンターでイケメンのお兄ちゃんがなにやら難しい顔をしている。

「Are you speaking english?」と来た。よせばいいのに「Just a little」なんて答えるもんだから、「実はオーバーブッキングで(席がないので)ボランティアをしてくれる人を探しています。もし、明日一番の便に変更していただけるならお一人250ユーロずつ、500ユーロと今日のホテル代を持ちます」
「明日グラナダ行きの飛行機に乗るんですけど」「何時ですか」「12時です」「それならOK」

500ユーロにつられて(=55000円ぐらい)「グラナダのパラドールの宿泊代が508ユーロだから、よっしゃ!これなら浮く!」というせこい計算で思わず「OK」
「一応搭乗口まで行ってください、もしかしたら乗れるかもしれないから」と淡い期待を乗せて、面倒な手荷物チェックを通り、搭乗口へ行くと、案の定呼ばれて係員の案内でホテルとお金のバウチャーを受け取る。前に、パリからの接続便が遅れて1泊したことがあったので、慣れてはいるのだけど。

バルセロナの空港近くのホテルの予約はパァだが、これはしようがない。代わりにホテルの夕食はタダ。お金につられたのは、私たち二人ともう一人。空港近くのIntercityホテルって、こんな客ばかりか?

預けた荷物は戻してもらえないので、そのかわりにオーバーナイトキットというTシャツや歯磨き、スキンケアなどの入ったカバンをもらってホテルで一泊。あまり寝られんかったけど、翌朝5時45分のシャトルバスで空港へ。

朝一番の飛行機に乗ったご褒美はご来光。スイスアルプスの山並みも美しかった。

夜明け

こちらは帰りの飛行機で撮ったスイスアルプス。

スイスアルプス

メッセスペシャル

テーマ:羽毛ふとんのお話
毎年ドイツへ行く最大の理由がこのメッセスペシャルと呼ばれる羽毛である。メッセ=展示会で、産出量が極めて少ないために展示会のみに出品される羽毛のことだ。

羽毛は農産物なので、毎年出来不出来がある。(昨年一等米が少なかったように)
羽毛の原料屋さんも、数量が出回るクラスはある程度品質を安定しておかなければならないのでブレンドしながら均一性を保とうとする。(もちろんそれでも年や産地によってばらつきがでる)
メッセスペシャルは非常に質が良いが、数百キロレベルしかないという羽毛なので昨年秋に採取された羽毛はこの1月の展示会に出されて、その質の良さからほとんど売り切れてしまう。

今年の場合だと、こんな感じ(毎年同じアングルで撮ってるけどね)
メッセスペシャル羽毛2011

判りにくいかもしれないが、奥の箱の蓋は閉まっている。これは売切れということだ。
私が手に取っているのはドイツ・ホルスタイン産。これがこの夏からの上級グレードでも一番ボリュームゾーンとして登場する予定である。ダウンボールが非常に大きい。ラージフェザーの混入が少し見られるのが残念だが、良い羽毛ではよくある話である。全体的に価格は昨年に比べて約15%アップしている。

原因はいろいろとあるが、ここ何年か見ていると良質の羽毛が採れなくなってきているということが多い。産地の状況も安定していないようだ。だから、5年ほど前に仕入れた一番トップクラスの羽毛が10キロばかり残っているのだけれど、こんな羽毛はもう手に入れることができないだろう。前回申し述べたブランブラン・ステッキーにしてもしかり。

原料の輸入統計を見ていても、羽毛の高騰が続いている。中国ものは昨年1年間で1.5倍に上昇した。一方で、ドイツでは昨年末に羽毛の産地偽装問題がテレビで大きく取り上げられたそうである。
実際輸入統計みていても、巷のポーランドダックとかハンガリーダックはかなり眉唾ものである。これらは安価で、しかもヨーロッパ産の高級原産地表示がなされているが、中国や台湾経由での輸入原料であることが多いので、本当にそうなのかはかなり疑わしい。

大切なのは産地よりも、羽毛の品質そのものなのだけど。

グラナダ旅情

テーマ:よもやま話
タルガのギター曲「アルハンブラの想い出」 誰もが知る名曲だが、1492年のレコンキスタ完了により滅亡したイベリア半島最後のイスラム王朝であるナスル朝の興亡を表すような愁いに満ちている。



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レコンキスタを完了したカトリック女王イザベル1世の支援でコロンブスは新大陸を発見、今度は新大陸をコンキスタ(征服)するという興隆するスペイン。
ローマ教皇はスペイン・ボルジア家のアレッサンドロ6世が就任し、息子のチェーザレボルジアが台頭する。フィレンツェではメディチ家のロレンツォイルマニーフィコ死亡からサボナローラの時代へ、そしてスペインはハプスブルグ家が後を継ぎヨーロッパ最大の神聖ローマ帝国へ、その後レパントの海戦でスペイン・イタリア連合軍がオスマントルコに勝利してスペイン絶頂期を迎え、その無敵艦隊がトラファルガーでエリザベス1世のイギリスに敗れ・・凋落へ向かう、と近世へ向けての中世ヨーロッパ史としては実に面白い時代でもある。

そんなアルハンブラ宮殿を見下ろす絶好の場所がアルバイシン地区のサンニコラス展望台。シエラネバダ山脈の雪をバックに夕焼けに染まる宮殿は美しい。iPhoneで「アルハンブラの想い出」の曲を聴きながら・・・なのだが、現実は日曜日ということもあってギターとフラメンコで陽気な若者たちが集まっている。

どこか愁いを帯びたアルハンブラ宮殿に比べ、カテドラルなどは当時のスペインの国力を表すようで、不自然に豪華すぎるような気がするのは、この曲のせいだろうか?

アルハンブラ宮殿

旅の汚れを洗い流す

テーマ:よもやま話
ルフトハンザ関空便は予定通りに着陸。大阪は晴だったけど、長浜は寒い~。

帰ってきたら必ずすることがあって、それは入浴。今回は、イレギュラーで泊ったフランクフルトのホテル以外はバスタブ付きなんだけど、向こうのバスタブは長く浅いので肩まで浸かることができない。やっぱり、肩までたっぷりつかると「ああ~日本に帰ってきた~」という感じがする。

誰かも書いてらっしゃったけど、向こうで一番困るのはウォッシュレット。しかも旅行中は野菜をあまり取らないことが多いので、よけいにすんなりと行かない。家に帰ってトイレに入ってその有り難みを知る。今回は4泊分にビデがあったので(嫁さんは洗濯するためのモノだと思っていたらしい)、それを目的外使用して事なきを得る。

帰ってきたら、店にIBENAの新着カタログが着いていた。手回しがいいなぁ。中に「原材料が非常に上がっておりまして、過去の価格をキープすることはもはや難しい・・・」と言い訳がましい内容。確かに綿花なんか2~2.5倍も上がってしまうと、転嫁せざるを得ないわな。品質を落とされるのはゼッタイにいやだから。

今回は大名旅行をしてしまった。その分頑張って働くこととしよう。

途中の旅日記はまた、おいおいと。

観光を考える

テーマ:まちづくり
こうやって旅を続けていくと、観光という産業を意識しないわけにはいかない。
バルセロナには「これでもか」といわんばかりにあちらこちらに土産物屋がある。あるということは、それなりにビジネスとして成り立っているということなんだろう。

土産物屋にあるような品物を買うのはあまりクールではないので、地元にある雑貨店を回っておしゃれなものを探そうとするのだけど、意外にない。時たま、おしゃれな土産物ばかり集めたセレクトショップに出会うぐらいだ。

バルセロナの雑貨はクールとは言い難い。ちょっと良いな、と思うとパイローネだったり、有名なインテリアショップVINCONにしても、コンランに並んでいるような=日本でも買えるようなものが多いのが残念だ。

観光地にしても、通り一遍で見学するのならそれまで、大切なのは訪れた人に対するプレゼンテーションだろう。一番良いプレゼンテーションは人との出会いだ。たとえ観光地のレベルがそれほど高くなくても、いつまでも記録に残る。

もう一つ優れているのは、映像と音声によるプレゼンテーション。ガウディのカサ・バトリョは入場料は18ユーロとかなり高いのだが、日本語を含む音声ガイドと映像プレゼンテーションでガウディのスタイルを良く理解させてくれる。
ガイド無しなら20分もかからない見学を1時間は楽しませてくれるし、最後はVIPラウンジと称し「世界遺産でないとできない体験を」とカフェや「ここでしか買えないグッズを」とショップへの誘導もうまく計算されている。交流はないが、ガウディとの交流をはかることができるのだ。嫁さんはガウディに関してはとんと門外漢だが、この見学を通して理解できたようである。

「交流」ということと「学ぶ」ということをいかにして提供するかが、観光にとっての大きな課題といえるだろう。今回の江・淺井三姉妹博覧会にしても、会場の展示や映像を見て回るだけなら、それまで。会場を触媒として観光客との交流を如何に図るか、より戦国の里を学ぶ場をどのように提供するか、が問われるわけである。

それと外国人向けの案内看板等は長浜はずいぶんと遅れている。まちづくり役場では昨年英語版の地図を、今年は韓国人留学生のお手伝いで韓国語版を作りかけているが、これも課題だ
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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

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