おくりひと

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 ちょっと不謹慎ですが、何とか映画祭でモッ君主演の「おくりひと」がグランプリを取ったとか。納棺師なんてあまり、考える事がないかもしれません。私の父方の祖父母は同じ納棺師に入れてもらいました。その人は何万人か納棺しているそうです。ある意味、すごいことだなと思います。3年前の父の逝去の際はSホールの関係から「湯灌の儀」といって若い方が2人来られ、新しい設備を使って本当にきれいに納棺してくれました。

 

 田舎では今でも親族で行うところが多く、母方の祖父母は自分たちでいれましたが、けっこう大変です。父のときのようにやってあげたほうが死者も喜ぶかな(金はかかりますけど)と思います。以前は葬儀関係の仕事って本当に大変でいやだななんて思っていましたが、そのとき湯灌の儀をしてくれた人や葬儀のときのSホールの人たちを見ると、遺族の悲しみに対して精一杯の真心で人生最期のときをきれいに送ってあげようとしておられ、この仕事は素晴らしく、気高く思えました。

 

 3年前の父を納棺するときの事でした。冥土へ旅立つ親父に小遣いをあげる意味で壱文銭の描いた財布を遺体の懐へ入れてあげるように促されるのですが、そのとき私は涙が止まりませんでした。「親父、そういえば本当の小遣いやったことなかったな。こんな小遣いしかやれんですまんかったな。」ということです。後にある人から「親父に小遣いやろうなんて、そんな失礼なことできんやろ。」と言われましたが、納棺のときの悔しい思い出の一つであります。

 

 今日はちょっと暗い話しでした。

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