<<最初    <前    27  |  28  |  29  |  30  |  31  

四川省産で四川省をバックアップ

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
毎日のように新聞の一面を飾る四川省大地震。上海などの湾岸部と違い、内陸部は開発が遅れている分、古い建物が多く、多くの犠牲者になったようです。

さて、この四川省。さわだは10年以上も四川省のハンドピック(手摘み)のホワイトグースの原料をずっと使ってきました。というのも、同じ嵩高16.5cmのハンガリー産に比べると、まったく遜色が無い割に価格が2割以上安かったからです。

四川省グース保証書


中国産の羽毛というと悪いイメージがつきまといます。実際粗悪品も多いのですが、この四川省産の羽毛は品質も安定していて、ベーシックランクの定番羽毛でした。四川と名前が付くだけに四川省は川が多く、一方で内陸部の山岳地帯のために冬の寒暖の差がかなりあり、豊富な水と相まって質の良い羽毛が採れるのです。

今回の地震で産地の状況が今後どのようになるのかは分かっていませんが、長年お世話になった羽毛の産地なので、何かできないかと思い・・・といっても神戸と違い現地へは行けません。

そこで、先日仕入れた四川省産羽毛50kg分については1kgあたり1000円、都合5万円を救援金に拠出することにしました。
さらに・・四川省産の羽毛ふとんをお買上げの方には、1枚あたり3000円を救援金として上積みすることにいたしました。

季節外れなので、羽毛ふとん要らないという方も多いとは思いますが、購入を検討されている方はご協力をお願いいたします。

敷ふとんを変えました

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
ここ数日寒い日が続いています。蒸し暑くなったり、寒くなったりやっかいな季節ではありますが、どの寝具を使えばいいかというと、これも悩ましい。

4日前に敷ふとん(ベッド用)を取り替えました。それまでは、パーム(椰子)の硬質マットレスの上にプロファイルマットレス、さらに温熱電位敷ふとん+二層羊毛敷ふとんという組合わせでした。この組合わせは堅めなので、横寝はつらいところです。

今回は、オーストリア・プロナチューラ社のエルゴフレックスのウッドスプリングにGETHA12という12cm厚さの3ゾーン(真ん中が固くなったタイプ)のラテックスマットレスを組合わせ、温熱電位敷ふとんにカーボン100%のパットとリネン麻裏付きのビラベック羊毛の組合わせにしました。エルゴフレックスとラテックスの組合わせは、横寝対応のベストの組合わせの一つです。

エルゴフレックス

GETHA12ラテックス間とレス


なぜ温熱電位敷ふとんかというと・・・本当は自然素材100%で眠りたいところですが、血圧対策のための電位療法です。日頃の不摂生を考えれば、半分ぐらいは効いているのでしょう。カーボン100%のパッドは大阪ガスが開発したカーボン100%のわたをパットにしたものです。備長炭練り込み繊維とちがい、炭そのものですから、調湿・脱臭+遠赤外線の作用があります。

暑くなってきたので、リネン麻裏の羊毛ベッドパッドは麻面にしたところ、さすがに熱を良く逃がすだけあって、この2日は涼しすぎるぐらいです。このドイツ・ビラベック社のベッドパット。汗の吸湿発散性は抜群で気持ち良いのですが、羊毛は湿潤熱を発生するために、夏は熱のこもりが気になる方がいらっしゃいました。そこで、地元近江のリネン麻生地をドイツまで送り、裏面に使ったオリジナルを昨年開発しました。

今回はハードタイプから、ややソフトタイプに変更しましたので、身体が毎日慣れてくるという感じですね。横寝はかなり楽になりました。

ヨーロッパから羽毛原料が入荷しました

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
今年1月のドイツ・ハイムテキスタイル見本市で注文した羽毛・ポメラニアンステッキーグースが30kg入荷しました。

ポメラニアンステッキー


この羽毛はドイツ・カウフマン社のメッセスペシャルと呼ばれる展示会のみで販売される限定品です。1月の展示会は、前年の秋に採れた羽毛が出展されますが、その中でも特A級品の羽毛は取れる量が数百キロと限定されますので、展示会だけで売切れてしまうのですね。毎年1月にドイツへ行くのも、その年の原料の良し悪しを自分の目で見極めて発注をするためです。こればかりは現物を確認しないと、だめなんですね。

特A級ってどんな羽毛かというと、
まず、世界最高の羽毛はアイスランドで採れるアイダーダウンです。絡みが非常に強く保温性が抜群のダウンで、卵を孵すために巣に敷いた羽毛を集めるために価格も超高級。布団にしてシングルで100~200万円です。

その次に来るのがこの特A級。寒暖の差が厳しい土地で、十分に育ったガチョウから、まず手で採取を行います。これは羽毛を痛めないためです。それから、手選別によって絡みの強いダウンだけを選り分けます。アイダーダウンほどの絡みはありませんが、保温性が良く、ホコリの少ない極めて良質のダウンなのです。

アイダーダウンを100点とすると、90~95点というこのメッセスペシャル。国内で得られる最もいいダウン(嵩高18.0~19.0cmクラス)で80~85点ぐらいですね。(あくまで主観評価ですが・・・) 普通アイダーダウンは布団の価格が100~200万円、国産最高クラスが15~30万円ぐらいですから、特A級だと50万ぐらいでも不思議ではありませんが、それは製造直売の強みで国産最高クラス並みの価格に抑えています。

羽毛の袋


原料を提供するカウフマン社もこだわりの会社です。この画像は羽毛が5kg入った袋ですが、通常に比べると圧縮せずに5倍ぐらいゆったりと詰めて送られてきます。これは圧縮すると羽毛の良さを損ねるためなんですね。輸送代もその分余計にかかってしまうので、痛いのですが、品質には代えられません。

過ぎたるは、猶及ばざるが如し

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
暖かくなってきたので、先日来より羽毛ふとんのリフォームのお客様が増えてきました。

羽毛を開けたところ
羽毛を開けたところ

今日も2枚をリフォームです。9年ぐらいお使いになったものでしたが、羽毛のパワーはまだまだ十分。もちろん羽毛自体は使用年数分汚れていますし、ゴミも少しは出ますので、1300g→洗浄分別後は1150gでした。

ところで、既製品の羽毛ふとんって中の量を入れすぎているということ、お気づきですか?高級品ほどその傾向が顕著です。一般的な羽毛ふとんの場合シングルサイズで1300~1400gの入れ目が多いですね。えっと、羽毛は良質のものほど嵩がでますから、入れ目は少なくて済むんですよ。よく「増量羽毛ふとん」ってありますが、嵩がない品質を量でごまかしているというのが実態です。この嵩高性はJISで計測方法が決まっていて、cmで表します。Sawadaの羽毛ふとんは毎日お使いになるのなら原則16.5cm以上を基準にしています。

メーカーさんの羽毛ふとんの企画をしている人と話すと、「本当は良質の羽毛を900~1000gぐらい入れて使うのが一番良いんですけどね」といいますが、実際には最低1200gは入っています。なぜそうなるかというと、販売の現場が「1000gでは嵩がなくて、他社に負ける」と主張するからです。それは多くの店が羽毛ふとんは「奥さん、こちらの方が嵩があるでしょ」と単純に嵩だけ比較して販売しているからなんですね。(お客様の睡眠の質を考えなければ、実際にはこの売り方のほうがずっと楽です)

その結果、10万円を越す高級品ではパンパンに入った羽毛ふとんとなっています。・・・実際に使うとどうかというと、逆にカラダへのフィット感(肌沿い)が悪くなってしまうのです。通常は嵩があれば保温性が高くなるのですが、沿いが悪いので温まった空気が逃げてしまいます。中には嵩がですぎて羽毛ふとんに埋もれて寝ているという方もいらっしゃいますね。

さらに、羽毛を詰め込むと通気性が悪くなります。そうでなくても、日本の羽毛ふとんの生地は吹き出しを抑えることを第一にしますから、樹脂コーティングするダウンプルーフ加工を強くするので、通気性はあまりよくありません。一般的な羽毛ふとんの生地の通気度は0.9cc(ウォッシャブルタイプ)~1.5ccぐらい。Sawadaで使っているのは、1.9~2cc、ヨーロッパ産の生地だと2.5~3cc。もちろん通気性が良くなると、寝心地は快適になりますが、良質の羽毛を使わないと吹き出しが少し出てきます。

ついでに脱線しますが、羽毛ふとんを丸洗いすると、このダウンプルーフ加工が取れてしまいます。一般の生地だと通気度1.3~1.5ccのものが倍以上の3.5ccを超える数値になります。こうなると、ダウンファイバーというゴミが噴出しやすくなるので、本当は羽毛ふとんの丸洗いはリスクが高いので、あまりおすすめしません。

もとへ戻って
最近の住宅は保温性が良くなっていますから、嵩高17cmぐらいの羽毛を900~1000gぐらい入れるのが本当はベスト。暑がりのお子さんや男性なら800gでもいいぐらいですね。薄くなると保温力は下がりそうなものですが、体に沿う羽毛ふとんなら、温まった空気が逃げにくいのでそれほど不便は感じません。

今日のお客様は、羽毛の質が良かったので、80サテンの軽量ソフトな生地に、足し羽毛をせず1150gでちょうどいいぐらいでした。

何事も適度なバランスが大事。過ぎたるは、猶及ばざるが如し、であります。

古くなった羽毛ふとんを仕立て替える その1

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
店主のこだわりと趣味?が昂じてか、眠りのプロショップSawadaには、日本でも数少ないものがいくつかあります。その一つがこれ

LORCHマシン

ドイツ・ロルヒ社の羽毛リフレッシュマシーンです。店舗で設置しているのは日本でも2軒だけというレアなマシン。何をするかというと、古くなってきた羽毛ふとんの中身の羽毛を丸洗いして、ゴミをとり、ダウンを選別して、新しくリフレッシュしてくれるキカイです。

羽毛ふとんを「一生使える」なんて甘い言葉で販売している不埒な訪問販売業者も多いこの業界ですが、よくよく考えれば「一生使える」なんてわけありません。毎日使っていれば、汚れも付きますし、中の羽毛もゴミになってきます。側地は10年も使うと弱ってきて吹き出したりします。ところが、木綿のわたが打直しによって再利用できるのと同様、羽毛ふとんもリフォームすることにより、新しく生まれ変わるのです。

一口に羽毛ふとんのリフォームと云っても、実はいろいろな方法があります。

1.全く洗わずに羽毛を取り出して除塵だけする
2.布団の状態で丸洗いして、羽毛を取り出して除塵する
3.布団を解体、スチーム洗浄後+除塵する
4.布団を解体、何枚かまとめて洗い+除塵
5.布団を解体、一枚ずつ洗い+除塵+選別

Sawadaがかつて行っていたのは「スチーム洗浄+除塵」場合によって事前に丸洗い、というものでした。高温スチームによって汚れをとり、羽毛のパワーを回復するというものですが、スチームだけでは汚れが十分にとれません。

今回導入したマシンを作っているロルヒ社は世界の羽毛工場の洗浄機や分別機を作っているメーカーで、羽毛の洗いを一番知っているのです。

確かにきれいに洗えます。いままでの比ではありません。そのかわり、もとの羽毛の善し悪しがはっきりとでます。昨日洗った当店でお買上げいただいたステッキーダウンは元の重量が800gでしたが、洗浄後も760gとロス率5%と非常に優秀です。一方元の重量1300gが800gにしかならなかった例もあります。500gはゴミで落ちてしまったのです。

それでも残ったダウンをうまく使えば、羽毛ふとんは甦ります。
10年経ったら羽毛ふとんのリフォームをご検討ください

リフォームの様子は ホームページのトップに貼り付けている、びわ湖放送の滋賀経済Nowで取り上げられた動画で見ていただけます
こちらから

<<最初    <前    27  |  28  |  29  |  30  |  31  

最近の記事一覧

カレンダー

<<      2015/05      >>
26 27 28 29 30 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 1 2 3 4 5 6

ブログランキング

フリースペース

ねむりはかせのキャラクターの名前はネムタといいます。なまけものです。
元サンリオにいらっしゃったキャラクターデザイナー井上・ヒサトさんの作品をご厚意でお借りしています
ネムタのホームページはこちら

通販サイトはこちらから
眠りのプロショップSawada 楽天市場店

ショップの地図はこちら
長浜の曳山博物館の前です

Facebookページ


ビデオクリップYouTube
店のプレゼンテーション
滋賀経済Now紹介
ヒュスラーネストの説明
プレジールのエアーピローの説明

アーカイブ

HTMLページへのリンク

プロフィール

ネムタ1

ねむりはかせ

曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

眠りのプロショップSawada

最近のトラックバック

参加コミュニティ一覧