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リネンの花咲く頃

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
リネンってご存知ですか? というと、女性ならほとんどご存知だろうと思う。
その昔「亜麻色の髪の乙女」という曲を聞いた時に(もちろんワイルドワンズ版)、亜麻色=ブロンドというイメージをもっていたのだけど、実際の亜麻色はシルバーグレーの色だ。

亜麻色
これはスライバーと呼ばれる、糸になる一歩手前の状態。

日本のもともとの麻が苧麻(ラミー)・大麻(ヘンプ)であったのに対し、ヨーロッパの麻は亜麻=リネンである。ラミーよりソフトでさらっとした風合いで、一度使うとハマる。
ランジェリーの語源とされ、ベッドリネン、リネンサプライに使われるように、ベッドのシーツなどは本来リネンであった。汚れにくい、汚れが落ちやすい、乾きが早いことからテーブルクロスやナプキンにも使われる。

しばしばフランス・リネンといわれるが、リネンの原料となるフラックスという草の産地がフランスということである。そこから糸にしたり、生地にしているのは、ほとんどの場合中国。
リトアニア・リネンという場合はちょっとやっかいで、リトアニアで栽培されているフラックスを使うか、フランス産のフラックスを紡績して布にしているかの両方がある。私どもが生地生産を依頼しているリトアニア・シウラス社も原料はフランスリネンを使用している。

そのリネンの原料、フラックスを求めてフランス・ノルマンディーの中心地を訪れた。フラックスの産地であるフランス・ベルギーの中でも最も栽培が多いところである。
フラックスは1年草で、6月の中旬にかわいい花をつける。花が咲く期間は1周間ほどで、毎年の天候に左右されるので、開花を見ることができないことも多いと聞く。WEBで調べると早朝に咲いて、2時間ほどしか持たないとかあったが、実際は丸一日ぐらいは咲いている。

ということで、6/15~16とノルマンディーを訪れた。4月中旬ぐらいから、この時期になるのではないかという情報をいただいての視察の設定である。受け入れてくれたフラックスのサプライヤー Terre de Linの人も毎年この時期に視察に来られるが、開花しているかどうか気に病むそうである。

天の恵みなのだろう。我々の前には風にそよぐリネンの花があった。

リネン
リネンの花

満足の一日であった。

無農薬の木綿わた肌ふとんができました

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
5月28日の滋賀夕刊で取り上げていただいたので、いろいろとお問い合わせをいただいています。

POC肌ふとん

プレオーガニックコットンをご存知でしょうか?
綿花の栽培には通常多くの農薬を使います。現在では世界の農薬使用量の15%だそうで、製品に残留農薬はなくても、土地や栽培する人など環境には多くの影響を与えています。
オーガニックコットン(無農薬有機栽培綿)へ転換することで、高付加価値が取れ、同時に環境にもやさしくなるのですが、オーガニックコットンは3年以上無農薬でないと認証されません。無農薬栽培によって収穫量が減るため、最初の3年を我慢できるかがネックになっています。そこで、認証を得るまでの無農薬で栽培された綿花をプレオーガニックコットンと名づけて、具体的にはインドの綿栽培農家を応援をしていこう、というのがプレオーガニックコットンプログラムです。

「とにかく使う」ということが優先されますから、一般の企業が商品化する場合は使用率が5~10%程度が多いのです。もちろん、それは大事なことですが、私達が取り組むのであればPOC100%にするのがふさわしいのではないかと考えて作ったのがこの木綿わた100%の肌ふとん。側生地にはオーガニックコットン100%のガーゼ生地を、中わたはPOC100%1kg入りで仕上げました。綿100%ですから打直しもできます。

ガーゼの風合いと通気性が良いので、これからの季節にもピッタリです。
サイズ150×210cm 側生地 オーガニックコットン100%(エコサート仕様)ガーゼ 中わた プレオーガニックコットン100% 1kg 価格 13,500円(税込:本体価格12,500円)

暑くなってきた今頃にベストでしょう。エコロジストのあなたに

新しいリネンのカバーが仕上がり

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
昨年9月に訪れたリトアニア・シウラス社。そこで注文し仕上がってきた生地でリネンのカバーが仕上がってきた。

シウラス社

フラックス

今回掛ふとんカバー用に使った生地は、60番手のリネン麻糸を使って、ジャガード織でヘリンボンに仕上げたものである。ヘリンボンは杉綾ともいわれ、ツイードのジャケットなどにも使われる伝統的な紋様だ。
従来の平織でなくヘリンボンにしたのは、見た目の感じもあるが、ジャガードにすることによってさらにソフト感が増すのではないかというところからである。

60ヘリンボンリネン

ちなみにこの色は、縦がリネン草(フラックス)の晒、横糸は生成りの色で仕上がっている。
色は6色。このメーカーはロットが小さく済むので私のような小売店でもオリジナルが簡単にできるのがうれしい。

リネン60ヘリンボンカラー

価格はユーロ高の影響もあって、当初の設定予想は16,800円、場合によってはそれ以上になるかもしれなかったが、2000mぐらい発注したこともあり、コストを抑えてシングルで15,750円(税込)

カバー重量はシングルサイズで820gと、従来の定番品である帝国繊維の60リネンに比べてわずかに軽い。一般的なリネンカバーだと糸が太いので、例えば西川のクオリアルので1065gというから、こうなるとずっしり感があるが、軽くて風合いが良い。

仕上がった製品は少し麻の硬さがあるが、一度洗うと実にソフトな風合いになる。麻は夏のものというイメージがあるが、この風合いならオールシーズン使うことができるだろう。

製品になったサイズはシングルとクイーンの掛けカバー、それにピロケースだが、6色のうちグリーンとラベンダー色を除いた4色については生地があるので、ご希望のサイズでお作りすることができる。
また、シーツについては逆にしっかり目の生地がのぞましいので、同色で40番手の平織も織ってみた。こちらは加工中でご希望のサイズでお仕立て可能である。

リネン40平織シャンブレー

コトを売ること、モノを捨て去ること

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
「ふとん」屋でなく、「眠り」屋になろう! と言い出して10年ほどになる。

「眠り屋」というコンセプトそのものは20年ぐらい前から業界にあったのだが、実際に睡眠科学とその解決方法としての寝具の提案をどのように結びつけるかは解決法が厄介な問題であった。30年ほど前には、すでに睡眠時の理想的な寝床内は温度33℃湿度50%ということが学会で発表され、西川産業はその温湿度を実現するための寝具シリーズを作っていたが、ふりかえってみると随分と幼稚なレベルであったと思える。

30年たった現在、多くの人がレム睡眠やノンレム睡眠という言葉や眠りの情報を得るようになったにもかかわらず、寝具業界自体はあまり進歩しているようには思えない。羽毛が高騰したこの秋のシーズンに、羽毛布団の生地をポリエステル混に変えるということを各社がこぞって行った。ポリエステル混の生地を使うと通気度が大幅に下がるので、蒸れやすく寝床内温湿度の調節が難しくなるからで、睡眠のことを考えた場合は避けるべきなのだ。

私の店がとことんオリジナル化を進めたのは、差別化ということもあるのだが、かように既存のメーカーが作る寝具ではどうにも対応できない状態であったからでもある。
いろいろと試行錯誤をしたり、ノウハウの積み上げで現在ではある程度の解決法を提案できるようになったように思う。といっても、ゴールは遠い。

先月の売場改装の1つの目的に「眠り屋」、つまり睡眠を提供することに徹底しようということがあった。今まで捨てきれなかった「ふとん屋」の商品に「こたつふとん」と「ざぶとん」がある。昔からふとん屋の品揃えには欠かせないものだが、快適な睡眠の提供ということにはあまり関係ない。長年扱っているからなかなか捨てきれないのだが、今回こたつふとんは取り扱い中止、ざぶとんも消極的対応とした。

素直に考えれば、「当たり前じゃない」といわれるのだが、昔からあるものはなかなか捨てきれない。
時代は捨てるものをはっきりさせないといけないにもかかわらず。

アウトドアに持っていきたい1枚

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
昨年新たにラインナップに加わった、オーストリア・フッセネガー社の毛布。
ドイツのIBENA社の毛布は綿60%アクリル40%という混率で、吸湿性と暖かさを両立させた軽い毛布で人気をいただいているのだが、こちらは綿60%バンブー(竹繊維)40%という混率だ。

竹繊維というと硬いのか、と思われがちだが、竹を溶かして溶剤に射出してつくる、テンセルなどと同じような製法のセルロース繊維で、特徴は非常になめらか。吸湿性が良く、竹の持つ抗菌性もある。加工しているが、天然素材といってもいいだろう。シルキーな風合いが気持ち良い。15,750円だが、ただいまバーゲン中で12,600円とお買得でもある。

フッセネガー竹繊維毛布


さて、タイトルの主役はこの毛布ではなく、カタログを見ていて気になったシリーズ。

アウトドア毛布1
アウトドア毛布2

カラフルなボーダーのバッグに入った3色の綿85%アクリル15%と薄く軽量だ。ヨーロッパの製品らしく色も鮮やかでリバーシブル。ちょっとクルマに積んでおくと便利かもしれない。

9,975円だが、バーゲン価格は7,980円。
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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

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