ケルンimm cologne国際家具見本市レポート
テーマ:お店の情報(イベント等)や仕事のお話
2009/01/23 00:23
ヨーロッパの見本市は1月に集中している。従来はハイムテキスタイル・ケルン国際家具見本市・メゾンオブジェと週替わりで行われるので、ハイムをセレクトすると、次の週にケルンということになる。もっとも今年は3つの展示会が2週間にまたいで行われるので、3つ回る人も多い。私はメゾンオブジェは昨年見てだいたいの傾向はつかんでいるので、今回はパスとあいなった。
さて、ケルンの見本市会場メッセもフランクフルトに負けずに大きい。1~11までのフロアに分かれているが、全部見て回るとなると最低3日は必要だ。関連するベッド・マットレスは9ホールなので1日だけ。
ざっとの特徴をいうと
ますます専門化する自然素材市場・低価格帯はウレタンフォームへ集中・金属スプリング復権?・ウォーターベッドもそこそこ存在感。
ヨーロッパの基本はウッドスプリングにウレタンもしくはラテックスフォームのマットレスを組み合わせるのが一般的で、金属スプリングはほとんど使われていない。実際いくつかのショップを回ってきたが、金属フリーのマットレスが中心である。
ただ、アメリカのマットレスメーカーの出展が多かったのか、今年は金属スプリングもけっこう目に付いた。マットレスに限らないが、様々な素材を複合化して差別化を行うのは洋の東西を問わずにみられる傾向である。市場の競合は多く、各企業も苦労の後が見える。
センベラは天然ラテックスに加えて、大豆オイルから作られるマットレスを出展していた。天然ラテックス(ゴム)が高騰を続けており、スイスのラテックスメーカーが製造を中止するなどコストアップ要因が非常に高いためでもあろう。ただ、長期的に見た安定性についてはどうなのかはわからないが、自然素材のフォームとして今後成長が期待される。
RELAXというドイツのメーカーがちょっと変わったウッドスプリングを提供している。実際には使ってみないとわからないのでサンプルをオーダーしてきた。一般のウッドスプリングと違って、ねじなども使わない100%自然素材というのが売りである。日本へは出したことがないというが、何年も前から見ているメーカーなので、ある程度安定した品質が期待できる。
このメーカーだけでなく、ヒュスラーネストやプロナチューラなどのラテックスと天然木を組み合わせたウッドスプリングはいろいろな種類が出ているため、今後の方向の一つとして固まってきたようだ。ただ、今回フュスラーはミラノサローネへの出展に絞り、プロナチューラは出展がされていなかった。
私を含め3~4軒ほどで回っているために、いくつかのメーカーでサンプルを手に入れる段取りをつけることができた。マットレスの難しいのは、単に素材が良いとかそういうことでなく、トータルの性能として日本人の好みや体型に合うかということが問題なので、すぐ仕入れてすぐ販売するというわけにはいかないのがやっかいである。
発注したサンプルは従来品との比較テストを行い、輸入のロットと価格をみながら決定することになる。一番安い方法は40フィートのコンテナ単位で買い付けるのだが、ロットが大きすぎて我々のような小売店には荷が重い。
ホール3では学生や若いデザイナーによるプレゼンテーションがなされていて、東京首都大学の学生さんも出展していた。家具の傾向は直線的で鋭角的なモダンデザインが主流といえよう。デザイン全体を通じて感じたのは従来の無垢材を中心としてきたナチュラル系(ブナやメイプルなど白っぽい素材が主流)でも、プレゼンテーションはウォルナットなどの濃色系が完全に主流で、それも無垢素材に金属を組み合わせるなどして、全体にはシャープなイメージを作っているのが多い。
ただ、モダンスタイルは出尽くした感があり、さらに異種素材を組み合わせたデコラティブな空間を作り出して新しさを求めようとしているが、どうもテイストの変動期に入っているような閉塞感も感じられる。このあたりはミラノサローネを見ればいいのだけれど、インテリアはインテリアショップに任せることにしよう。より感性の高いショップは実に多くあるのだから。
眠りのプロショップとしては、従来の家具という視点でのベッド選びから、睡眠という視点からベッドを選ぶことをおすすめしているし、たぶんこの切り口なら私の店は、現在日本のトップレベルにいると自負するからでもある。
さて、ケルンの見本市会場メッセもフランクフルトに負けずに大きい。1~11までのフロアに分かれているが、全部見て回るとなると最低3日は必要だ。関連するベッド・マットレスは9ホールなので1日だけ。
ざっとの特徴をいうと
ますます専門化する自然素材市場・低価格帯はウレタンフォームへ集中・金属スプリング復権?・ウォーターベッドもそこそこ存在感。
ヨーロッパの基本はウッドスプリングにウレタンもしくはラテックスフォームのマットレスを組み合わせるのが一般的で、金属スプリングはほとんど使われていない。実際いくつかのショップを回ってきたが、金属フリーのマットレスが中心である。
ただ、アメリカのマットレスメーカーの出展が多かったのか、今年は金属スプリングもけっこう目に付いた。マットレスに限らないが、様々な素材を複合化して差別化を行うのは洋の東西を問わずにみられる傾向である。市場の競合は多く、各企業も苦労の後が見える。
センベラは天然ラテックスに加えて、大豆オイルから作られるマットレスを出展していた。天然ラテックス(ゴム)が高騰を続けており、スイスのラテックスメーカーが製造を中止するなどコストアップ要因が非常に高いためでもあろう。ただ、長期的に見た安定性についてはどうなのかはわからないが、自然素材のフォームとして今後成長が期待される。
RELAXというドイツのメーカーがちょっと変わったウッドスプリングを提供している。実際には使ってみないとわからないのでサンプルをオーダーしてきた。一般のウッドスプリングと違って、ねじなども使わない100%自然素材というのが売りである。日本へは出したことがないというが、何年も前から見ているメーカーなので、ある程度安定した品質が期待できる。
このメーカーだけでなく、ヒュスラーネストやプロナチューラなどのラテックスと天然木を組み合わせたウッドスプリングはいろいろな種類が出ているため、今後の方向の一つとして固まってきたようだ。ただ、今回フュスラーはミラノサローネへの出展に絞り、プロナチューラは出展がされていなかった。
私を含め3~4軒ほどで回っているために、いくつかのメーカーでサンプルを手に入れる段取りをつけることができた。マットレスの難しいのは、単に素材が良いとかそういうことでなく、トータルの性能として日本人の好みや体型に合うかということが問題なので、すぐ仕入れてすぐ販売するというわけにはいかないのがやっかいである。
発注したサンプルは従来品との比較テストを行い、輸入のロットと価格をみながら決定することになる。一番安い方法は40フィートのコンテナ単位で買い付けるのだが、ロットが大きすぎて我々のような小売店には荷が重い。
ホール3では学生や若いデザイナーによるプレゼンテーションがなされていて、東京首都大学の学生さんも出展していた。家具の傾向は直線的で鋭角的なモダンデザインが主流といえよう。デザイン全体を通じて感じたのは従来の無垢材を中心としてきたナチュラル系(ブナやメイプルなど白っぽい素材が主流)でも、プレゼンテーションはウォルナットなどの濃色系が完全に主流で、それも無垢素材に金属を組み合わせるなどして、全体にはシャープなイメージを作っているのが多い。
ただ、モダンスタイルは出尽くした感があり、さらに異種素材を組み合わせたデコラティブな空間を作り出して新しさを求めようとしているが、どうもテイストの変動期に入っているような閉塞感も感じられる。このあたりはミラノサローネを見ればいいのだけれど、インテリアはインテリアショップに任せることにしよう。より感性の高いショップは実に多くあるのだから。
眠りのプロショップとしては、従来の家具という視点でのベッド選びから、睡眠という視点からベッドを選ぶことをおすすめしているし、たぶんこの切り口なら私の店は、現在日本のトップレベルにいると自負するからでもある。