ハイムテキスタイル・レポート2

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
さて、アウトラインはともかくとして、今回の主な目的は1:羽毛の選定 2:羽毛生地の選定 3:毛布のチェック 4:リネン生地のチェックである。

羽毛はカウフマン社のメッセスペシャルと呼ばれる展示会限定羽毛がお目当てだ。今回のセレクトはロシア・ブランブランの手選別ステッキーシルバーグース。品質が非常に良いにもかかわらず、グレー色なのでコストパフォーマンスは抜群だ。今年は200kgぐらいしか採れず、しかも3日目に行ったものだから50kgしか残っていない。即決で残りの全量を押さえていただくようお願いをした。ブランブランはそれほどでもないが、昨年買ったポメラニアンステッキーなどは20%も値段が上がっている。しかも去年まで手に入ったアークティックステッキーなども手に入らないとのことで、毎年感じるが、本当に良い羽毛の産出量が減ってきている。他のブースも見てみたが同じような状況だ。
今回はあるスペシャルな農場だけで採れる、かさ高抜群のポーランド産スーパーマズーリアンが少し残っているということで、それも20kgお願いした。現況から考えて、良いダウンはちょっと無理をしても押さえておいた方が得策といえるだろう。

羽毛生地は現行のHefel社158の同スペックでオーガニックコットンのバージョンが新登場していたので、それをオーダーする。価格は4割近くアップするが、オーガニックコットンは細番手の紡績が難しく結構高価になってしまう。このアップ率なら十分リーズナブルだし、昨年に比べ大幅なユーロ安なので、実質は少しのアップ。この程度ならなんとか吸収可能だ。

現在ビラベックのさわだオリジナル羊毛ふとんには、リトアニアのリネンメーカー、シウラス社のリネン生地を使っている。これは夏に熱がこもらずさわやかに寝ていただくためのものだが、この生地も独自で織ってもらっているオリジナルだ。1社で紡績・染色から全て行っているだけあって、160mという少ないロット対応ができ、しかもマスターオブリネンの称号を持つだけあって、高品質なものづくりをしている会社だ。ビラベック用は仕様変更がないので、チェックをするだけだが、カバー用にオリジナルカラーの軽量な生地をどうするかについて打ち合わせを行った。ここは100色以上の色を持っているので、ほとんどコストアップをせずに多色展開ができる。生地幅と色の選定を展示会後に指定することとなった。

昨年から始めたIBENA社の綿・アクリル混毛布は、綿とアクリルの両方の特徴を備え、軽量で色や柄も非常にきれいなので、今シーズンも好調に推移した。今年はユーロ安になったのでギフトで要望の高い5000~10000円のラインが充実できる予定だ。バインダー付きのたっぷりとしたカタログを貰ってきたので、帰国後に柄のセレクトを検討である。

画像を添付できると良いが、会場内は撮影禁止なので・・・

ハイムテキスタイル・レポート1

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
寝具という視点から、今年のハイムテキスタイルを見ると最も大きな変動は、ビラベックやパラディース、ブライディングといった大手の寝具メーカーの出展がなかったということだ。その代わりに、ベッドリネンや毛布類の軽寝具の進出がめだった。これらのメーカーは寝具の会場のメインを占めていたが、ほとんど無地(白)の布団が中心だったので、ベッドリネンのメーカーに置き換わった会場そのものは一見はなやかだ。

フォーラム0の会場では2009/2010のトレンドが発表された。トレンドは6つのトレンドセッターによって生み出されるが、今回アジアから初めてラ・メゾン・ド・エピスのデザイナーである南村弾氏率いるDAN PROJECTが加わった。6つのテーマから構成されているが、毎年ユニークなプレゼンテーションがなされているので、楽しみなコーナーである。

本当の解説は専門家にお願いするとして、毎年見てきた感想にすぎないが5年前のトレンドは赤が中心だったといえる。日本ではあまり受け入れられない色だが、ヨーロッパでは赤はインテリアを構成する重要な色である。それから5年間の変化を見ると、2つの流れがある。一つは色がシックでくすんだ感じへ変化したことと、布そのものがメタリックな素材や羽や毛皮などさまざまなマテリアルを使ったものが増えてきたことだといえるだろう。今年の特徴は、全体に明るい色はっきりとした色が増えたこと。それを象徴するのがターコイズブルーだ。

不況打破なのか、新しいマーケットを求めてなのか、日本の紡績メーカーがいつになく多く出展していた。

興味のある方はハイムテキスタイルのホームページをごらんいただくか、トレンドブックを毎年購入しているのでお問い合わせを。

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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

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