非礼
日本と台湾との間には明治以来極めて太い絆があります。
八田與一は日本が台湾を統治していた大正時代、その卓越した能力と台湾人への深い愛情から世界一の烏山頭(うさんとう)ダム建設しました。そして、台湾中部の広大な干ばつ地帯を一大肥沃地に変え、台湾繁栄の基礎を築きました。
根本溥元陸軍中将は終戦時蒋介石と国府軍から受けた「恩義」を忘れぬため、国共内戦で敗走を重ねる国府軍を助けるため台湾へ密航し、金門島の戦いに身を投じて勝利をもたらしました。結果、台湾は共産党の手に落ちることはありませんでした。
台湾の多くの人々はこうしたことをよく知っており、近隣諸国では数少ない親日国です。
先の大震災では200億円を越える、どの国よりも多い義援金をいち早く寄せていただきました。
日本政府は日台関係は運命共同体であることを認識し、そのためには信頼関係を今以上に築くことが必要です。
何故なら、中台の今後の動向しだいで、台湾海峡が封鎖されれば石油運搬をはじめ日本経済は立ちゆかなくなる心配があります。
ところが、先の日本政府主催の東日本大震災一周年追悼式典では台湾代表が指名献花から外されていました。
野田首相は「台湾の人々のお気持ちを傷つけるようなことであったら本当に申し訳ない」と陳謝していますが、日本国民の一人として政府の非礼を見過ごすことは出来ません。