羽毛ふとんは洗えるか?

テーマ:羽毛ふとんのお話
前回の話のつづきみたいなものです。

もちろんドライクリーニングは可能です。が、羽毛ふとんの汚れの多くは水溶性。ドライクリーニングではうまくとれません。さらに、ドライは油を分解しますが、羽毛に付いている油脂分も分解してしまいます。すると、羽毛の持っている弾力性が失われるんですね。結果的には、そのうちに羽毛が壊れてホコリが増えます。

それでは水洗いはどうか?というと、これが難しいのです。羽毛ふとんの生地にはダウンプルーフという、羽毛の吹き出しを防止するための一種の樹脂コーティングがなされていますが、水洗いするとこれが剥がれてしまいます。

具体的には、羽毛ふとんの生地の通気度(空気の通りやすさ)は日本の場合ほとんどが2.0cc以下です。ヨーロッパだともう少し基準が甘く3.0cc以下というものが多いですね。通気度が3cc以上になると、ダウンファイバーと呼ばれる羽毛のゴミが多い羽毛を使っていると、生地表面からの吹き出しがでやすくなります。
日本の場合は羽毛ふとんの歴史が浅いので、少しでも吹き出すと即クレーム-回収となるので、少し強めにダウンプルーフをかける傾向にあります。

また、生地の織り方によっても違います。ヨーロッパに多い平織りは吹き出しにくいのに対し、日本のほとんどの羽毛ふとん生地はサテン(朱子)織りなので、同じ通気度でも出やすくなります。平織りだと3ccぐらいでも、あまり問題が出ないので羽毛には理想なんですが、ヨーロッパの生地はともかく日本の平織り生地はバリバリと音がでてしまうので、あまりおすすめできません。

例えば通気度1.5cc程度のサテン生地だと吹き出ませんが、水洗いすると3.5~4ccになるために吹き出しやすくなっています。ところがこのリスクをほとんどのメーカーもクリーニング業界も語っていません。一部の良心的な生地メーカーが4,5年前から訴えているだけです。

3.5ccにもなると、実際に吹き出しが出るかどうかは神のみぞ知るという感じになります。

ウォッシャブルの羽毛ふとんがあるではないか、といわれますが前回話したように、通気度は0.7~0.9ccとかなり悪くなり、羽毛の良さを生かさないだけでなく、蒸れやすいふとんになります。

現在、通気度がほ1.5~2ccとまあまあで、丸洗いしても通気度が3ccを超えない生地は日本でも非常に少ないのです。私の知っている限りでは WS6600、WS8800、S5900、ノンダウンプルーフ加工のMS70000、NewPist160双ぐらいでしょうか?このうちMS7000とNewPist160双はダウンプルーフ加工をせずに高密度で織っているため、通常の生地と違い洗えば洗うほど通気性が悪くなります。

これらを総合すると、ほとんどの日本の羽毛ふとんはアウトだと考えてください。
少なくとも吹き出しのリスクがあるという前提での洗濯が必要です。

 

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