排他的?
今日(11日)の新聞ニュースに、民主党幹事長小沢一郎氏が10日高野山金剛峯寺の松原有慶管長を訪ね会談をした旨が報じられていました。
会談のやりとりについて小沢氏は「キリスト教もイスラム教も排他的だ。排他的なキリスト教を背景とした文明は、欧米社会の行き詰まっている姿そのものだ。その点、仏教はあらゆるものを受け入れ、みんな仏になるという度量の大きい宗教だ」と述べたことを明らかにしたようです。(行き詰まっていると言うならばそれは欧米社会だけでしょうか?)
(阿弥陀仏は“縁無き衆生は度し難し”とおっしゃっていることを忘れてはなりません)
来夏の参議院選挙をにらみ、仏教界の支援をもくろんでの訪問だと思いますが、この批判的発言は後日大きな問題になるのではないかと案じます。そこで、私の思いを少し述べたいと思います。(私のごく浅い知識ですが)
そもそもイスラム教やキリスト教は砂漠で誕生した宗教であって、そのトップダウン的発想は集団が生きて行くためには致し方ないものと思います。したがって集団を守るための強い結束(戒律)があるのだと思います。
一方仏教はインドの緑豊かな中で生まれた宗教です。「生きとし生きるものすべてが平等である」という発想です。
我が真宗には他の信仰を誹謗・中傷してはいけないと強く戒めています。それは蓮如聖人の“御文”の中にも度々出てきます。
一、諸法諸宗トモニコレヲ誹謗スベカラズ
一、諸神諸佛菩薩ヲカロシムベカラズ と言う言葉です。
真の仏教はこうした姿勢ですが、小沢氏の発言は何を根拠にしたものか、はなはだ疑問です。おそらく氏の意見に対して管長も同意はされなかったことと思います。