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一足遅かった

テーマ:羽毛ふとんのお話
前回、前々回と羽毛原料の値上がりについてお話ししたとおり

1月1日から原料が上がるというので、半年分をめどに早速注文を入れた。ところが、特に18cm(440DP)を超えるクラスの羽毛は全く在庫が無いとのこと。入荷は1月中旬と言うから、新しい価格になってしまう。
17.5cm(430DP)のヴァルダイグースはなんとか10kgだけあるということである。

うっかりしていたが、上がるという情報はあったのだから11月ぐらいに確保すべきであった。

ということで、中・高級ラインをご検討中の方はお急ぎいただいた方がいいだろう。
シベリアンは10数kg、ヴァルダイは20kgほどの在庫量しかないので。

羽毛ショック!!とかしか言いようがない

テーマ:羽毛ふとんのお話
先日 羽毛原料が高騰しそうだ、という「羽毛原料高騰へのゆううつ」を投稿したのだが・・・

今朝、店へ行くと河田フェザーさんからのFAXが届いていた。河田さんは日本の羽毛業界の草分け的存在で、羽毛の基準づくりなどで大きな役割を果たしてきた、羽毛原料のトップメーカーである。真面目で、原料の質も洗浄もピカ一、安心できる原料屋さんだ。

1月1日からの価格改定の見積もりが来ていて、思わずのけぞった。インフレ目標2%とかそんなレベルではない。上級のホワイトグース羽毛の上がり巾がハンパではないのである。

プレミアムゴールドラベルクラス(440DP)で 30%アップ
ロイヤルゴールドラベルクラス(400~430DP)で 30~50%アップ
低級品のダックはそれほど影響はでていない

今まで上がる上がるといわれて、実際上がってはいたのだけど、こんな大幅な値上がりはかつてない。まさにオイルショックならぬ、羽毛ショックである。

ここ数年来、じわじわと10%、モノによっては15%ぐらい上がってきたのを、なんとか吸収してきたが、今回はなんともいたしかたしようがない上がり方だ。

とりあえず当面の分は旧価格で注文したけれども、3月ぐらいまでか・・・・正直価格の設定を根本的に変えなければならず、それも上がり方がハンパでないので、どうしたらいいのか、手の着けようがない。頭をかかえ込んでしまっている状態だ。

というわけで、この記事をお読みいただいた方に素直におすすめしたい。
良い羽毛ふとんをお求めになるなら、今のうちだろう。

グース

羽毛原料高騰へのゆううつ

テーマ:羽毛ふとんのお話
昨日久しぶりにあるメーカーさんへお邪魔した。ここの羽毛ふとん担当者は長いつきあいで私のスタンスも良く理解してくれる気の良い人である。

彼が曰く「来期は羽毛グースの値上がりがハンパでないですよ」
去年もそうやったやないか!と思いつつ聞いてみると、どうやら中級ランクがかなりきついらしい。

羽毛原料はこの何年か不足気味で、しかもチャイナの(だけでないか・・・ユニクロも含め)ダウンジャケット需要が旺盛で価格はずっと上昇してきた。その中でもグースの値上がりは顕著である。

例えていえば、価格ランクが1~10まであるとしよう。5年ぐらい前なら1~10までそれぞれに原料があったのだが、グースの値上がりで 1~3と6~10があって、4~5がほとんど無いというような状況になっているのである。
この状態で6~8クラスの値上がりが厳しいらしい。

幸いにして今年までは円高がその影響をかなり柔らげていた。例えばユーロは2年前の正月(3年前)が160円ぐらいから急落して125~130円ぐらいであったのが、今年の1月は100円だったから、原料が20~30%上がってもなんとか吸収できたわけだが、今日現在は109円と10%近く戻している。

さて、どうなるのか?答えは1月にドイツへ行って見つけてこなければならない。
「上級クラスは中級クラスほどの値上がりはないらしい」という彼の予測を願うばかりであるけれど。

ホワイトグース

これでも綿??? 羽毛の側生地に必要なこと

テーマ:羽毛ふとんのお話
今日、名古屋から羽毛布団のリフォームをとわざわざお越しいただいたお客様。
岐阜の本巣市へベッドを配達に行っている間だったので、お会いできなかったのですが、掛ふとん2枚・肌ふとん2枚からシングル3枚をお仕立てすることに。

お持ちいただいたのは大阪西川(現:西川リビング)の定番品でしょう、ハンドピック表示で中身もしっかりしたモノです。ところが、解体を始めて「この生地ポリエステル混?」 どうも生地がつるんとしているのです。
ところが表示を見ると「綿100%」 ???。というのは一般にポリエステルなどの合成繊維は断面がきれいな円か楕円。一方綿などの天然繊維はさまざまです。だから、羽毛を解体すると、ポリエステルの生地はつるんとしているので羽毛が残ることは少ない一方、綿の生地にはでこぼこがあるために、羽毛がへばりつくのです。

ところがこの生地はつるん。息を強く吹きかけみると、あまり通りません=通気度が非常に悪いという感じ。どうも、綿の生地にテフロンのようなものをコーティングしているイメージです。(本当はどうなのかわからない)

いずれにせよ通気性が良くないのは事実。ですから、中の羽毛は外の側の汚れに比べても、よごれている風がありません。これは良いことのように思われますが、実際には生地が呼吸していないに等しい状態では、羽毛布団の本来の良さを引き出すことはできません。

通気性の良い生地だと、使っていても非常に蒸れ感が少ないのですが、その一方で羽毛は呼吸するために汚れが付きやすくなります。良い羽毛ふとんは羽毛が汚れてへたるのです。

だから3~5年に一度は水洗いをして、中の羽毛の汚れを落とすことが必要なのです。

リフォームでお選びいただいた側は私どものオリジナルで、いずれも丸洗いに対応しているものでした。これなら、丸洗いも安心です。しかも、通気性も通常より1.3~1.5倍良いので、より快適になるでしょう。

プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(5)

テーマ:羽毛ふとんのお話
【ホコリ取り第五段階(最終)】

連載もこれが最後。しつこいのだけど、まだホコリを取るのである。
第四段階の羽毛除塵機でかなりホコリは取り除かれている。それでもまだ残っているのだ。除塵機を終えると、計量器に移送される。

羽毛の計量器


ここで、全体の重量が計測される。もともとが良質の羽毛は10%程度しか減らないし、良くない羽毛だと30%以上減ることも少なくない。減り方と、選別時の羽毛の状況をみながら、足し羽毛の量を決定する。
通常は200g足しであるが、良質のものは100gでも十分なケースが多い。そのかわり足し羽毛も良質のものにする。このあたりは長年のカンが生きる。なんせ2000枚ほどリフォームを行っているのだから。

量を決定すると、コンピューターに入力する。側のキルティングに合わせて、全体量を入力すれば、それぞれのマス目にどれだけの量をいれるのかを自動計算してくれるのである。単純に均等に入れるのではなく、へたりやすい襟元、保温性が要求される身体の中央部は多めに入れる。

羽毛軽量設定パネル
羽毛軽量槽

全体の計量槽から、パネルで設定した量だけが下に2つある計量槽に送られる。片方が充填している間に、もう一つの槽に計量をするということを繰り返すのである。充填量はマスによって異なるので、その都度パネル設定しながらという、少しめんどくさい方法になる。

そして、そのマスに吹き込む充填機に設置されているのがサイクロン機能である。

サイクロン1

サイクロン2

計量された羽毛は充填スイッチをいれると、円筒型のサイクロンの上から吸い込まれ、円筒に沿ってぐるぐると回りながら、円筒の下にある排出口までいって、ホースを通り、予め羽毛布団の側に差し込んである吹き込みノズルから、側のマスに充填されるというしくみである。

この円筒型サイクロンを通すことにより、少し重いゴミは下のゴミ取りに落ちて取り除かれるのである。
サイクロンゴミ1

取れたゴミがこちら
サイクロンゴミ2
サイクロンゴミ3

これだけホコリ取りをしても、まだホコリやゴミは完全に取り切れていないのだ。最初からホコリ取りをしていなかったら、見た目はわからないが、ホコリの多い羽毛布団に仕上がってくることがわかるだろう。

羽毛充填中
全てのマスに羽毛を充填し、吹き込み口をミシンで閉じると完成である。

こうやって、ホコリやゴミ取りを徹底しながら、羽毛布団のリフォームは行われていくのである。

(おしまい)

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