プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(4)
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/07/15 08:24
【ホコリ取り第四段階】
羽毛を知り尽くしたドイツのLorch社の羽毛リフレッシュマシン。通常はこれで十分だと思っていた。
実際、フランクフルトにあるドイツで最も高級な寝具店BettenRidの2Fに置いているのも、私の店と同じキカイである(あちらはダークブルーに塗られていたが) ドイツでも十分だと判断されているのだろう。
ところが・・・どうしても選別後のダウンファイバーが気になるのだ。そこで、計量器がバカになっていた羽毛の充填機を入れ替える際に、一念発起。
羽毛の除塵機を導入したのである。
全体で見るとこうだが
これが本体である。
中はこうなっている。円筒形のドラムになっていて、小さな穴が無数に開いている。このドラムの中に左から選別した羽毛を投入する。円筒の中では羽毛が攪拌される。通常はこれでも、落ちるのだが・・・この除塵機全体の空気を吸い出したり、空気を入れ換えたりということを5秒間隔で繰り返し行うことにより、ホコリを吸い出す・・・といっていいだろう。
これらのコントロールはコンピュータが制御する
細かい設定もタッチパネルでできるので、進歩といえるだろう。通常は10分間除塵を行うが、ホコリの少ない良質の羽毛の場合は、逆に羽毛を痛めないように5分程度にする。結果は
このように、羽毛のゴミが袋に溜まるのだ。
ゴミ袋へホコリを吸い取った後でも、除塵機には
これが全部で五段階の中でもっともホコリ取りを徹底する第四段階である。
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羽毛を知り尽くしたドイツのLorch社の羽毛リフレッシュマシン。通常はこれで十分だと思っていた。
実際、フランクフルトにあるドイツで最も高級な寝具店BettenRidの2Fに置いているのも、私の店と同じキカイである(あちらはダークブルーに塗られていたが) ドイツでも十分だと判断されているのだろう。
ところが・・・どうしても選別後のダウンファイバーが気になるのだ。そこで、計量器がバカになっていた羽毛の充填機を入れ替える際に、一念発起。
羽毛の除塵機を導入したのである。
全体で見るとこうだが
これが本体である。
中はこうなっている。円筒形のドラムになっていて、小さな穴が無数に開いている。このドラムの中に左から選別した羽毛を投入する。円筒の中では羽毛が攪拌される。通常はこれでも、落ちるのだが・・・この除塵機全体の空気を吸い出したり、空気を入れ換えたりということを5秒間隔で繰り返し行うことにより、ホコリを吸い出す・・・といっていいだろう。
これらのコントロールはコンピュータが制御する
細かい設定もタッチパネルでできるので、進歩といえるだろう。通常は10分間除塵を行うが、ホコリの少ない良質の羽毛の場合は、逆に羽毛を痛めないように5分程度にする。結果は
このように、羽毛のゴミが袋に溜まるのだ。
ゴミ袋へホコリを吸い取った後でも、除塵機には
これが全部で五段階の中でもっともホコリ取りを徹底する第四段階である。
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プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(3)
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/07/14 08:19
【ホコリ取り第三段階】
乾燥が終った羽毛、通常のリフォームはここで終了するのが多い。
ところが、羽毛の洗浄・選別機を手がけてきたドイツLorch社のキカイなので、これで終らない。ソーティングと呼ばれる第三段階のホコリ取りが待っている。
通常の羽毛工場ではリフレッシュでなく、農場で採れた羽毛を集めてきて、洗浄-乾燥する。洗い方の手順は違うが、基本的な手順は同じである。
カウフマン社の場合
まず、農家から集められた(場合によっては洗浄した)羽毛の入ったベールを解体する
それから、洗浄機で洗う・・・同じLorch社だが、こちらは150kgぐらい洗うことができる。うちのキカイは5kgが最大。
その後乾燥させる。同じメーカーだからスイッチなんかも同じ感じである。
そしてその後に、重いフェザー(羽根)と軽いダウン(羽毛)を選別するソーティングが行われる。この機会は地上10数メートルぐらいあって、空気で羽毛を送ると、重い羽根は残り、軽い羽毛は飛んでいく、という原理を使って分別するのである。
工場だと3~4段階にわたって選別が行われるのだが、うちのリフレッシュマシンには簡単なソーティング機能が備わっている。
手前の所に乾燥が終った羽毛が入っている。ここで空気を送ると中の通路を通って奥の(右側の)部屋に羽毛が送られるのである。
空気の量を調整することによって、どのレベルの羽毛までを選別するかを決めることが出来る。強く空気を送れば重いものも奥の部屋に行く。古い羽毛布団でスモールフェザーが比較的に多い、ダウン70%~80%の羽毛はこれによってフェザーを取り除く。ここ15年以内なら90%以上がほとんどなので、ほとんどが向こうへ行くかと思うと、実際には羽根の傷ついたものであったり、小さなゴミであったりするものが残っている。
このリフレッシュマシンでは、選別が終ると一番右端に袋を付けてそこに集まる。通常はここまですれば十分すぎるぐらいである
以上でホコリ取り第三段階は終了
だったのだけど・・・
実際に選別を行うと、結構ダウンファイバーと呼ばれる羽毛のゴミや、ネックフェザーと呼ばれる細くて小さなフェザーが結構残っているので、どうしてもこれが気になってしまっていた。
そこで次へ続くのである
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乾燥が終った羽毛、通常のリフォームはここで終了するのが多い。
ところが、羽毛の洗浄・選別機を手がけてきたドイツLorch社のキカイなので、これで終らない。ソーティングと呼ばれる第三段階のホコリ取りが待っている。
通常の羽毛工場ではリフレッシュでなく、農場で採れた羽毛を集めてきて、洗浄-乾燥する。洗い方の手順は違うが、基本的な手順は同じである。
カウフマン社の場合
まず、農家から集められた(場合によっては洗浄した)羽毛の入ったベールを解体する
それから、洗浄機で洗う・・・同じLorch社だが、こちらは150kgぐらい洗うことができる。うちのキカイは5kgが最大。
その後乾燥させる。同じメーカーだからスイッチなんかも同じ感じである。
そしてその後に、重いフェザー(羽根)と軽いダウン(羽毛)を選別するソーティングが行われる。この機会は地上10数メートルぐらいあって、空気で羽毛を送ると、重い羽根は残り、軽い羽毛は飛んでいく、という原理を使って分別するのである。
工場だと3~4段階にわたって選別が行われるのだが、うちのリフレッシュマシンには簡単なソーティング機能が備わっている。
手前の所に乾燥が終った羽毛が入っている。ここで空気を送ると中の通路を通って奥の(右側の)部屋に羽毛が送られるのである。
空気の量を調整することによって、どのレベルの羽毛までを選別するかを決めることが出来る。強く空気を送れば重いものも奥の部屋に行く。古い羽毛布団でスモールフェザーが比較的に多い、ダウン70%~80%の羽毛はこれによってフェザーを取り除く。ここ15年以内なら90%以上がほとんどなので、ほとんどが向こうへ行くかと思うと、実際には羽根の傷ついたものであったり、小さなゴミであったりするものが残っている。
このリフレッシュマシンでは、選別が終ると一番右端に袋を付けてそこに集まる。通常はここまですれば十分すぎるぐらいである
以上でホコリ取り第三段階は終了
だったのだけど・・・
実際に選別を行うと、結構ダウンファイバーと呼ばれる羽毛のゴミや、ネックフェザーと呼ばれる細くて小さなフェザーが結構残っているので、どうしてもこれが気になってしまっていた。
そこで次へ続くのである
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プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(2)
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/07/13 08:24
【ホコリ取り第二段階】
さて、きれいに洗浄された羽毛は、リフレッシュマシン中央の乾燥機へと送られる。といっても自動で送るというより、ドラムにへばりついた羽毛をほぐしながら少しずつ送るのだ。一気に送ってしまうと固まってしまって乾燥が不十分になる場合があるから、これも気を遣う。
この乾燥機は120℃の温度で乾燥を行うために、一番の電気食いでもある。
乾燥手順は 1.帯電防止材を噴霧(これも河田フェザーさんがつかっている安全なもの)する。これは乾燥した後に羽毛が静電気を帯びると分別や充填がうまくいかないためである。 その後に 2:アクアミストと呼ばれる自然素材から生まれた抗菌防臭剤を噴霧。
十数分かけて乾燥させ、羽毛に含まれる水分量がある一定量まで下がると乾燥は終了する。
この乾燥機の中は円筒になっている。2/3は発熱するヒーターと直結している、1/3はメッシュ(網)になっていて、この熱せられた乾燥機の中に空気を送り込む。すると空気はメッシュから抜けていく訳だが、この際にダウンファイバーのような細かい羽毛のくずが取り除かれていくのである。
乾燥された羽毛は、乾燥機のすぐ下にあるソーティングチャンバー(分別用の部屋)に送られる。
これが第二段階のホコリ取りである。
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さて、きれいに洗浄された羽毛は、リフレッシュマシン中央の乾燥機へと送られる。といっても自動で送るというより、ドラムにへばりついた羽毛をほぐしながら少しずつ送るのだ。一気に送ってしまうと固まってしまって乾燥が不十分になる場合があるから、これも気を遣う。
この乾燥機は120℃の温度で乾燥を行うために、一番の電気食いでもある。
乾燥手順は 1.帯電防止材を噴霧(これも河田フェザーさんがつかっている安全なもの)する。これは乾燥した後に羽毛が静電気を帯びると分別や充填がうまくいかないためである。 その後に 2:アクアミストと呼ばれる自然素材から生まれた抗菌防臭剤を噴霧。
十数分かけて乾燥させ、羽毛に含まれる水分量がある一定量まで下がると乾燥は終了する。
この乾燥機の中は円筒になっている。2/3は発熱するヒーターと直結している、1/3はメッシュ(網)になっていて、この熱せられた乾燥機の中に空気を送り込む。すると空気はメッシュから抜けていく訳だが、この際にダウンファイバーのような細かい羽毛のくずが取り除かれていくのである。
乾燥された羽毛は、乾燥機のすぐ下にあるソーティングチャンバー(分別用の部屋)に送られる。
これが第二段階のホコリ取りである。
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プロのお仕事:羽毛リフォームのホコリ取り(1)
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/07/12 08:20
「眠りのプロショップ」と標榜するからには、睡眠と寝具のプロであって当たり前。なのだが、実際は日々本物のプロを目指して精進する毎日である。
羽毛布団のリフォームを行うのに、へたな工場顔負けの設備を投じたのも羽毛のプロたるべし、という考え方からだ。なぜなら、、お客様の体質に合わせた羽毛の充填は、何グラム足しました・・・という単純なものではなく、洗い上がりからホコリ取りを行い、最終の羽毛の状態をみながら、何グラム充填するとベストかという判断を工場にまかせるわけにはいかないからだ。
良さそうに思っても意外と嵩がでない羽毛、その逆もある。実際充填を始めてから、様子を見て充填量を変更することも多々あるのだ。
さて、今回はそんなこだわりの中で、リフォームをする際の「ホコリ取り」について5回連続でご紹介したい。
ちょっと前に紹介しているが、もう少し詳細に
さて、これが羽毛のリフレッシュマシン
そして、羽毛の除塵機と充填機
皆さんには三段階でホコリ取りを行っています=トリプル除塵と謳っているが、実際は五段階で行っている。五段階(五重)ってペンタプルとかだと思っていたら、クインティブルというのだそうだ。
【ホコリ取り第一段階】
羽毛のリフォームにはいろいろあって、コストを下げるタイプだとお客様から持ち込まれた羽毛布団の状態で丸洗いをして、それから羽毛を取り出すという方法がある。これは一度に何枚も洗えるからで、効率が良い。
これが、私の店のように羽毛を解体して一枚一枚洗うのだと、解体から含めると最低30分は必要だ。乾燥も入れると50分ほど。だから1日に処理することができる枚数が限られてくる。
この直洗いは日本羽毛協会の羽毛布団リフォームの一番良いプレミアムダウンウォッシュと呼ばれる。
手順としては まず、羽毛ふとんを解体して、リフレッシュマシンの一番左側の洗浄機に掃除機のリクツで吸引して羽毛を送る。洗浄機はドラム式の洗濯機と基本構造はほとんど同じ。
それを洗浄1回、すすぎ2回で洗う。洗浄は河田フェザーさんが使っているのと同じ安全な洗剤を分けてもらっている。洗剤を使わない、というポリシーの工場もあるが、実際持ち込まれるのは10年以上、へたすると20年以上使用されているので、いくら何でも洗剤抜きでは無理がある。
最後に脱水を終って洗い終えると
このように洗い終わった羽毛は、ドラムにへばりついている。解体した羽毛にはいろいろなゴミが付いている。1回の洗浄と2回のすすぎで、都合3回水が入れ替えられる訳で、その際にゴミの一部は水と共に出て行くのである。
そう、お気づきのように布団を丸ごと洗う方法だと、ホコリは布団の中に残されたままだ。直接洗った方が、汚れもきれいに取れるし、ホコリも少なくなる。
これがホコリ取り第一段階である。
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(つづく)
羽毛布団のリフォームを行うのに、へたな工場顔負けの設備を投じたのも羽毛のプロたるべし、という考え方からだ。なぜなら、、お客様の体質に合わせた羽毛の充填は、何グラム足しました・・・という単純なものではなく、洗い上がりからホコリ取りを行い、最終の羽毛の状態をみながら、何グラム充填するとベストかという判断を工場にまかせるわけにはいかないからだ。
良さそうに思っても意外と嵩がでない羽毛、その逆もある。実際充填を始めてから、様子を見て充填量を変更することも多々あるのだ。
さて、今回はそんなこだわりの中で、リフォームをする際の「ホコリ取り」について5回連続でご紹介したい。
ちょっと前に紹介しているが、もう少し詳細に
さて、これが羽毛のリフレッシュマシン
そして、羽毛の除塵機と充填機
皆さんには三段階でホコリ取りを行っています=トリプル除塵と謳っているが、実際は五段階で行っている。五段階(五重)ってペンタプルとかだと思っていたら、クインティブルというのだそうだ。
【ホコリ取り第一段階】
羽毛のリフォームにはいろいろあって、コストを下げるタイプだとお客様から持ち込まれた羽毛布団の状態で丸洗いをして、それから羽毛を取り出すという方法がある。これは一度に何枚も洗えるからで、効率が良い。
これが、私の店のように羽毛を解体して一枚一枚洗うのだと、解体から含めると最低30分は必要だ。乾燥も入れると50分ほど。だから1日に処理することができる枚数が限られてくる。
この直洗いは日本羽毛協会の羽毛布団リフォームの一番良いプレミアムダウンウォッシュと呼ばれる。
手順としては まず、羽毛ふとんを解体して、リフレッシュマシンの一番左側の洗浄機に掃除機のリクツで吸引して羽毛を送る。洗浄機はドラム式の洗濯機と基本構造はほとんど同じ。
それを洗浄1回、すすぎ2回で洗う。洗浄は河田フェザーさんが使っているのと同じ安全な洗剤を分けてもらっている。洗剤を使わない、というポリシーの工場もあるが、実際持ち込まれるのは10年以上、へたすると20年以上使用されているので、いくら何でも洗剤抜きでは無理がある。
最後に脱水を終って洗い終えると
このように洗い終わった羽毛は、ドラムにへばりついている。解体した羽毛にはいろいろなゴミが付いている。1回の洗浄と2回のすすぎで、都合3回水が入れ替えられる訳で、その際にゴミの一部は水と共に出て行くのである。
そう、お気づきのように布団を丸ごと洗う方法だと、ホコリは布団の中に残されたままだ。直接洗った方が、汚れもきれいに取れるし、ホコリも少なくなる。
これがホコリ取り第一段階である。
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(つづく)
除塵機でホコリを取り除く
テーマ:羽毛ふとんのお話
2012/06/28 23:00
羽毛布団のようなものは既製品を仕入れて売る、というのが定説だった時代に、自前で作ろうと思ったのは20年ぐらい前かな。それで、キカイを入れて、仕立て直しも出来るようになって
それでも、実際には仕入れて売っているのが90%だった。
6年前に、本格的に羽毛を洗浄するキカイを入れたんだけど、きれいに洗うと今度はホコリが気になりだした。もちろん、洗浄乾燥する際にゴミは取り除かれるようにはなっているのだけど、実際には結構残っている。
外国の映画なんかで、枕が破れて中の羽根が飛び出すシーンを見たことがあると思う。向こうは羽毛文化が長いから、少々の吹き出しは気にしないのだけど、日本はそうはいかない。加えて、昨今はハウスダストを気にされるお客様が増えたので余計だ。ホコリは少ない方が良い。
そこで、計量器が壊れていた羽毛充填機を入れ替える時に、またしても大枚はたいて羽毛の除塵機、つまりホコリ取りの装置を導入した。
これの中身は
こんな風に小さな穴の開いたドラムが入っている。このドラムの中に羽毛を入れて、回転させながら空気を吸い出すと、羽毛のファイバーと呼ばれる小さなホコリが飛び出てくるという仕掛けだ。窓から見ていると、面白いようにゴミが出てくるのもあるし、それほど出てこないのもある。もちろん良い羽毛にはゴミが少ないのだ。
通常はこのゴミ取りを10分間行う。最初は5~6分ぐらいでしていたのだけど、やはりゴミは取れるだけ取っておいた方が良い、と思って10分にした。ホコリの多そうな羽毛だと15分行うこともある。
実際は、充填機にサイクロンという仕組みが付いていて、最後の充填時にもゴミを取り除くような仕組みになっている。
もちろん、こんなことを行わなくても日本でもレベルの高い羽毛の洗浄と仕立て換えをしているので、十分といえば十分なのだけど、自分の気持ちが納得できないんだね。
チラシなどに「トリプル除塵」と謳っているしくみは
1.乾燥工程での除塵
2.羽毛除塵機による除塵
3.サイクロン充填機による除塵
ということである。100%とはいわないが、かなりなレベルでホコリ取りを行えていると思う。
プロだからこそ、安直な妥協はできない。
それでも、実際には仕入れて売っているのが90%だった。
6年前に、本格的に羽毛を洗浄するキカイを入れたんだけど、きれいに洗うと今度はホコリが気になりだした。もちろん、洗浄乾燥する際にゴミは取り除かれるようにはなっているのだけど、実際には結構残っている。
外国の映画なんかで、枕が破れて中の羽根が飛び出すシーンを見たことがあると思う。向こうは羽毛文化が長いから、少々の吹き出しは気にしないのだけど、日本はそうはいかない。加えて、昨今はハウスダストを気にされるお客様が増えたので余計だ。ホコリは少ない方が良い。
そこで、計量器が壊れていた羽毛充填機を入れ替える時に、またしても大枚はたいて羽毛の除塵機、つまりホコリ取りの装置を導入した。
これの中身は
こんな風に小さな穴の開いたドラムが入っている。このドラムの中に羽毛を入れて、回転させながら空気を吸い出すと、羽毛のファイバーと呼ばれる小さなホコリが飛び出てくるという仕掛けだ。窓から見ていると、面白いようにゴミが出てくるのもあるし、それほど出てこないのもある。もちろん良い羽毛にはゴミが少ないのだ。
通常はこのゴミ取りを10分間行う。最初は5~6分ぐらいでしていたのだけど、やはりゴミは取れるだけ取っておいた方が良い、と思って10分にした。ホコリの多そうな羽毛だと15分行うこともある。
実際は、充填機にサイクロンという仕組みが付いていて、最後の充填時にもゴミを取り除くような仕組みになっている。
もちろん、こんなことを行わなくても日本でもレベルの高い羽毛の洗浄と仕立て換えをしているので、十分といえば十分なのだけど、自分の気持ちが納得できないんだね。
チラシなどに「トリプル除塵」と謳っているしくみは
1.乾燥工程での除塵
2.羽毛除塵機による除塵
3.サイクロン充填機による除塵
ということである。100%とはいわないが、かなりなレベルでホコリ取りを行えていると思う。
プロだからこそ、安直な妥協はできない。